雨が多いこの季節。今、レイングッズも色々と進化しているそうで…。
【薄田ジュリアキャスター】
「東急ハンズ江坂店に来ています。入口すぐにですね、レイングッズのコーナーが設けられているんです。種類もたくさんありますね。おっ!見つけましたよ。これだ!今売れているという傘ですね!」
この店では、一般的なものからちょっと変わったものまで、300種類を超えるレイングッズが用意されています。
【東急ハンズ・芦田さん】
「見た目は普通の傘なんですけど、開くと後ろの部分が長くなってるんですね」
「(リュックに)パソコンを入れてる方も最近結構多いので。やはり完全に守ってあげられるというのがこの傘の特徴です」
こちらの傘、重さはなんと99グラム!!
一般的なバナナよりも軽い!
にも関わらず、風でひっくり返っても丈夫な折り畳み傘です。
違う会社からはほかにも、自転車の前かごをすっぽりと覆うポンチョや…
通常時は普通のパーカーですが…
背中のチャックを開くと、リュックごと、雨から守ってくれるレインジャケットに様変わり!
さらに…
【薄田ジュリアキャスター】
「こちらが去年発売されたオーロラレインボー傘です。発売から1年足らずで累計5万本を売り上げる大ヒット商品なんです」
私たちの暮らしに欠かせない傘。年間販売数はおよそ1億3000万本で、ウェザーニューズによると、一人当たりの傘の所有数は、3.3本と35カ国中、日本が一位でした。
実際、どれほど持っているのか調査してみると…
(男性)「折り畳みとか含めると3本くらい」
(母親)「5本くらい。3人家族で」
(女性)「(一人で)7本くらい持ってます。前は1本あったらいいと思ってたんですけど、ちょっとお買い物してるときに可愛いのが売ってたら買い揃えました」
一体なぜ、日本人はこんなに傘を持っているのでしょうか?
傘の普及促進を行う協議会にそのワケを聞いてみると…
――Q:海外と比べると日本人の所有数が高い。その理由は?
【日本洋傘振興協議会・田中正浩事務局長】
「大きく3つくらいあると思ってまして…一つは日本の気候が影響している。二つ目は日本の傘文化。3つ目は日本人の気質・性格がある」
世界的に見ると日本の降水量はさほど多くないものの、年間を通じて雨が降る期間が長いそう。
また明治の文明開化で洋傘の普及が進み、和傘よりも軽く、そして安く手に入ったため、多くの人になじみ深いモノになっていったといいます。
そして最後は日本人の気質が影響しているようで…。
(女性)
「ちょっとでも髪の毛が雨で濡れたら嫌です。髪の毛巻いててもピンってなって終わり。湿気で終わり」
【日本洋傘振興協議会・田中正浩事務局長】
「衛生面も含めて考えると、濡れると気持ち悪いなというか、濡れたままでいるのが我慢できない」
(心斎橋パルコ内「Wpc.(ワールドパーティー)」
そんな“濡れないこと”に特化した傘を販売している会社が大阪市内にありました。
【ワールドパーティー・加藤さん】
「こちらは濡らさない傘というアンヌレラシリーズになります」
――Q:濡らさない傘って、使っている人を濡らさないという意味?
【ワールドパーティー・加藤さん】
「もちろんそういう要素もありますが、傘自体が超撥水に加工していて、雨粒がコロコロ転がるくらい撥水力をカネ揃えているので傘自体を濡らさない」
傘が濡れないということは、それを畳むときの手も濡れないということ。
ひとつの商品で5000本たらヒットと言われる中で、累計15万本売れたそうです。
さらに街で調査してみると、傘をたくさん買う背景にはこんな事情もありました。
(男性)
「高いものじゃないじゃないですか。忘れたらまた買って足して…ひたすらビニール傘がたまる感じ」
(男性)
「ビニール傘盗られたりするじゃないですか。そういうのでなくなったらストックがないと…」
実は透明な傘は年間8000万本が廃棄されているそうで、新商品を発売するうえで「ゴミにしない傘」というのも、重要なポイントです。
そこで神戸市の雑貨ブランドが今年4月に販売したのが…
【薄田ジュリアキャスター】
「おぉ~ステンドグラスのデザインですね。彩りがすごく良くてかわいいですね」
透明な傘をレトロ感あふれるステンドグラス柄にしたところ、注文が殺到し、発送まで2ヵ月待ちに。
他にも満天の星をイメージしたものや、森林浴をしているようなものまで。
これは大事に使いたくなりますね~。
傘の廃棄を防ぐために、あるサービスも広がっています。場所は、阪神・梅田駅。
おととしスタートした傘のシェアリングサービス「アイカサ」は全国850ヵ所にスポットがあり、阪神電鉄でも49カ所に設置されています。
【アイカサ・古堅哲さん】
「今、梅田駅の東口には30本中23本ありますので、それを見て借りていただくと…」
専用アプリを使って24時間70円、月額280円で傘を借りられ、全国に設置されているスポットのどこに返却してもOK。
どの傘を誰が持っているかはアプリで管理されていて、延滞すると月に最大420円を払わなければなりません。
阪神電鉄は5年前から独自の無料シェアリングサービスを実施していましたが回収率は約10%。
しかし、去年6月から「アイカサ」を導入したところ、回収率は99%になったそうです。
放置傘の問題は大学でも…
(関西大学千里山キャンパス)
【関西大学・学生サービス事務局・藤原茂樹さん】
「ここに傘類がまとめて置かれています。一律で3ヵ月保管した後は処分という形にしてますね」
関西大学では、月に平均30本以上の傘の落とし物があるため、今月2日、アイカサを導入しました。
【薄田ジュリアキャスター】
「あっ!アイカサのスタンドが設置されてますね。ちょうどこれからこのダンボールの中の傘を入れるんですね」
学生たちがよく使う学舎の入り口など6カ所に設置しました。
【関西大学総務課・森田剛臣さん】
「アイカサっていうサービスなんですよ。どんなサービスかわかりますか?」
【学生】
「相合傘っすか!?」
――:相合傘じゃないです!
【学生】
「めっちゃいい!」
――:ここで借りた傘を東京に持って行って、東京のアイカサスポットに返すとか、そんな動線もあるので…
【別の学生】
「大学だけじゃないんですか?使っていこうと…月額安い。すぐになくすので買うよりいいかな」
雨の日に欠かせない傘。使い捨てではなく、長く使うために…
――Q:学生の意識も変わってきそうですね?
【関西大学総務課・森田剛臣さん】
「そうですね。ひとつの環境保全に対する意識の変化のきっかけになればいいかなと思っています」