去年の輸入金額は約1052億円に上り過去最高を記録するなど、絶好調のバナナ。
なぜ今、バナナが人気なのかそのワケを調べてきました。
【街の声】
「大好き!1週間に3~4日は食べている感じ」
「子どもも食べるので。甘いのが好きだからかもしれないです」
子供から大人までみんな大好き、バナナ!
いまや家庭でのフルーツの支出額がリンゴやミカンを抜いて1位になるほど、バナナの需要は年々高まっていて、巷では最近、バナナジュースが流行中!
各地で専門店が次々にオープンしています。
【薄田ジュリアキャスター】
「大阪・高槻市にあるバナナジュース専門店にやってきました。ポップでとってもかわいらしい店内ですね。ドリンクメニュー、たくさんありますね」
一番人気は、濃厚バナナジュース。
材料はとてもシンプルで、凍らせた完熟バナナ2本と牛乳にハチミツだけです。
【クラムスバナナ・マネージャー 谷内紗里奈さん】
「お待たせしました 濃厚バナナジュースです」
【薄田キャスター】
「かわいいパッケージ。密度の濃そうなジュースですね」
その味はというと…
【薄田キャスター】
「すんごいトロットロ!バナナを普通に食べるよりもバナナのおいしさをより引き出している飲み方ですね」
【客】
「きょう3回目です。おうちでは作れない味で気に入っています」
それにしても、なぜいまバナナなのでしょうか。
【街の声】
「食べやすさですよね。皮むいたらすぐ食べれるので」
「手軽にエナジードリンクみたいな感じですよね」
「なんか体にいいとか言いません、バナナ?おなかにとかね」
手軽に食べることができて、体にも良いイメージが強いバナナ。
おやつやスポーツのお供だけでなく、赤ちゃんの離乳食にしているという人も多いようです。
【大阪府栄養士会・藤原政嘉会長】
「タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれている。特にバナナに含まれる食物繊維がお腹の調子を整える、便秘を防ぐということで大事な役割をしている」
近年の健康志向の高まりを背景に、栄養価に優れたバナナへの関心がより高まっているのかもしれません。
バナナ人気の理由を探るべく、続いて向かったのはスーパーマーケット。
【薄田キャスター】
「さっそく見つけました!バナナの種類多いですね、本日10種類もあるんですね。バナナと一口に言ってもいろんな種類が出てるんですね」
糖度の高い高地栽培のバナナをはじめ、機能性表示食品のものが登場するなど近年は種類も多様に。
【アオイサポート 内田寿仁社長】
「色んな種類でお好みのものを選んでいただけるように品揃えを増やした。この数年間は毎年前年比を超えて右肩上がりで売れている状況」
自分の好みに合ったものを選べるようになったことで消費がさらに伸びたとみられます。
いま日本に出回っているバナナの99%が輸入品で、その多くがフィリピンやエクアドル産。
フルーツの輸入を手掛ける会社によると、関西にはバナナに関するヒミツがあるそうで…
【ドール マーケティング本部 大滝尋美さん】
「台湾の基隆(キールン)という港から神戸港に明治36年(1903年)4月10日に到着したのが初めてのバナナとなっている」
【薄田キャスター】
「神戸港が最初だったんですね」
【ドール 大滝さん】
「当然のことながら、この時代の輸入フルーツは大変貴重で高価だったと思います」
その後の1963年、バナナの輸入の自由化をきっかけに、多くの人に親しまれるようになったそうです。
【ドール 大滝さん】
「毎週船が週2回フィリピンから日本に到着します。約1か月で1億本以上のバナナが日本に届いています」
では、バナナはどのようにして食卓に届けられるのでしょうか。
ドールのバナナが届く輸入フルーツの加工会社を訪ねると…
【薄田キャスター】
「すでにバナナっぽい香りがするんですよね。こんにちは、いま運ばれていたのはバナナですか」
【アクセスフレッシュ加工 仲井圭郁さん】
「はい、バナナです」
「見てみましょうか、こういう状態です」
【薄田キャスター】
「すごい、緑ですね。こんな状態で届くんですね」
輸入したてのバナナは、熟していない青いままの状態で皮も果肉も固く、とても食べられません。
というのも、害虫の付きやすい黄色く熟したバナナの輸入は法律(植物防疫法)で禁止されているため、青いままで輸入する必要があるんです。
そこで輸入する際は、13.5度という温度で保管しバナナを眠らせて熟成が進まないようしているそう。
【薄田キャスター】
「この運ばれてきたバナナはこのあとどうされる?」
【仲井さん】
「追熟します。バナナを黄色くします」
味の決め手となるバナナの熟成は、室(むろ)と呼ばれる部屋で行われますが、ここでも温度管理が重要となります。
【薄田キャスター】
「私たちが知ってるバナナですね、きれいな黄色になっています」
「あの緑色のバナナがどうやったらこの色に?」
【仲井さん】
「一週間くらいかけて20℃くらい温度をあげて追熟します」
暖かい温度で目を覚ましたバナナは日を追うごとにおなじみの黄色へと変化。
ただ、バナナの種類や季節によって熟成の進み具合も変わるため、緻密な温度調整が求められるそうです。
年中通して、安定しておいしく食べられるバナナ。その裏には大変な手間がかかっていたんです。
さらに調査を進めると、いま注目のバナナを見つけました!
やってきたのは、厳選素材を使ったスイーツなどが味わえる大阪市内の飲食店。
この店で扱っているのは、国産のバナナなんです!
【カミヤマロビー 横山匠生シェフ】
「こちらが当店で使用させていただいているバナナでございます」
【薄田キャスター】
「コロンとした感じのバナナですね。実がパンパンに詰まっているような、すごく太い」
【横山シェフ】
「実は、皮ごと食べられるバナナになっていまして…」
そんなバナナ!?と思いつつ、皮ごと食べてみると…
【薄田キャスター】
「すごく味が濃いです。皮を初めて食べたんですけど、シャッキリしていて野菜のような感じ」
さらに驚いたのがそのお値段!
【横山シェフ】
「1本800円でございます」
【薄田キャスター】
「1本800円… バナナでその価格ですか!」
その正体は、「神バナナ」という名のブランドバナナで鹿児島県の農園が栽培しています。
実際にハウスの中を案内してもらうと、収穫が近い立派なバナナが!
【神バナナ 栽培マネージャー 大迫功佳さん】
「これは台湾バナナという品種です。ギリギリまで実を太らせて収穫したあとに追熟室で1週間ほど寝かせて黄色くしています」
一般的なバナナよりも高い糖度を持ち、実が厚い分、皮が薄く、農薬を使わずに栽培しているため、皮ごと食べられるそうです。
値は張りますが、売り上げは右肩上がりといい、希少性と確かな品質で、国産の高級バナナとして海外産との差別化に成功しています。
【大迫さん】
「安心で安全なバナナを作っていって品質も今以上にこだわって栽培していきたい」