まずは街で話を聞いてみると・・・
【街の声】
「プリンの上に、水色のキラキラしたの乗ってるやつとかあるじゃないですか。その時は買っちゃいました」
「『まほろば大仏プリン』とか。瓶に入ったプリンなんですけど・・・」
「『私のプリン』っていうプリンの専門店に行こうと思って。家の方にチラシが来て、オープンしますよって」
続々と聞こえてくるプリンの専門店の情報。
どうやら大阪・ミナミにも最近オープンしたようです。
【薄田ジュリアキャスター】
「この筋のはずなんですよね。プリン屋さんがある雰囲気が一切しないんですけど・・・あ!『私のプリン』ここですね。ショーケースにプリンがたくさん並んでいます。すごくカラフルですよ、ここのプリン」
今年4月にオープンしたばかりのプリン専門店。
定番から季節モノまで、7種類のプリンをはじめ、プリントーストなど様々なメニューを楽しむことができます。
中でも一番人気だというのが・・・
【私のプリン 安達美穂店長】
「こちらは、当店おすすめの大阪みっくすジュースプリンです」
【薄田ジュリアキャスター】
「みっくすジュースのプリンですか。色がすごく魅惑的」
2種類のプリンの上にジュレが乗り、なんとも色鮮やかな一品。
【私のプリン 安達美穂店長】
「思いっきり、ぐちゅぐちゅぐちゅってスプーンで形が崩れるくらい混ぜていただいたら、よりみっくすジュース感が味わえます」
【薄田ジュリアキャスター】
「プリンの中にカラフルなツブツブが浮いているような感じで。本当だ、みっくすジュース!あの大阪名物のみっくすジュースです。すごい!」
実は今、関西に続々とプリン専門店ができているそうなんですが、その裏にはどんなヒミツがあるのでしょうか?
【私のプリン 中山智映子代表】
「コロナだからこそという感じですね。もともと居酒屋をここでやってたんです」
以前はフレンチおでんを提供していた居酒屋でしたが、度重なる時短要請で経営が苦しくなり、当時デザートとして作っていたプリンに目を付けました。
【私のプリン 中山智映子 代表】
「設備として入れたのが、このスチームコンベクションオーブン。プリンを焼くために1つ入れたのと、あと冷凍庫を1個入れたぐらい。あとはほとんど触ってない」
プリンを作るために必要な設備は、主にオーブンと冷蔵機器の2つだけ。
新たに購入した食器などを含めても、かかった経費は150万円ほどです。
さらにお客さんは女性ばかりなのかと思いきや・・・
【職場の仲間に購入した男性】
「6個お願いします。(会社に)6人いるので、偉い者から順番に選んでいく」
こちらでは、テイクアウト客の8割が男性で、手土産として買う人が多いそう。
オープンして1カ月で500万円を売り上げました。
【私のプリン 中山智映子 代表】
「男性が、女性に頼まれて買いに来て、みんな会社で分けるみたいなので、30個とか40個とか買って行かれる方もいらっしゃいます。居酒屋の時に比べると、お客様の数は3人、4人しか来られてなかった時があるので、そう考えると100倍近くにはなりました。今後の展開も考えていて、もう2店舗目をきのう決めてきました」
また滋賀県大津市でも去年の夏、お月見の名所として有名な観光地・石山寺のふもとにプリン専門店が誕生しました。
【購入した女性】
「イチゴのプリンを買いました。かわいかったから、写真で撮ってインスタグラムにあげようかなと思って」
月をイメージした丸い瓶がかわいいと話題になり、オープン初月の売り上げはなんと700万円超え。
土産物店を運営する会社が新たな挑戦として始めたプリン専門店ですが、観光客がほとんどいない今、売り上げの柱になっているといいます。
当初、商品の候補は他にもたくさんありましたが、プリンが秘めているある魅力に惹かれたそうです。
【石山寺プリン本舗 マネージャー 寺島珠美さん】
「洋菓子という幅広いジャンル、ケーキとなると品数もたくさん増えますし、もちろん専門のパティシエさんもいらっしゃらないと、経験もいりますし、その点プリンというのはそこまでハードルが高くないです」
全国にあるプリン専門店の多くで出店のためのアドバイスや講習を行っている企業によると・・・
【船井総合研究所 チーフコンサルタント 中渕綾さん】
「プリンは、素人の方だけでも製造ができるという点があります。使っている素材も卵や牛乳と限られていて、食感を出すためのポイントだけ押さえておけば誰でも美味しいプリンを作ることが可能です」
さらに調査を進めると、プリンのある特徴が働きやすい環境づくりにつながっているとの情報が。
【薄田ジュリアキャスター】
「プリンなのに和風な外観。お邪魔します。ショーケースがすごくかわいい。キラキラしてますね」
訪れたのは兵庫県芦屋市の住宅街にある「芦屋ぷりん」。
【芦屋ぷりん とあっせ 藤岡敏夫シェフ】
「薄田さんには、こちらの『芦屋ご令嬢ぷりん』が一番お似合いかと思います」
【薄田ジュリアキャスター】
「『芦屋ご令嬢ぷりん』?え、こんなパッケージに入ってるんですか!」
まるでジュエリーボックスのような特別な箱に入れられていて、お値段なんと1620円。
【薄田ジュリアキャスター】
「クッションに包まれて・・・こんな扱い、受けたことないですよ。まさに芦屋のご令嬢ですね」
希少な日本ミツバチの蜂蜜がたっぷり使われていて、プレゼント用に購入する男性が多いそうです。
「日本ハチミツの、優しい甘さと華やかな香りが口いっぱいに充満して、このクリーミーなプリンとすごく相性がいい。すごい、これがご令嬢か~!もうノックアウトですね」
こちらの店ではスタッフは女性ばかり。
店長の宮崎さんも3人の子供を育てながら働いています。
洋菓子店では、早朝から仕込みをするのが一般的ですが、この店では、その必要がないといいます。
【薄田ジュリアキャスター】
「スイーツショップって結構朝早いイメージがあったんですけど・・・」
【芦屋ぷりん とあっせ 宮崎真理子店長】
「プリンは割と大丈夫です。前日にプリン部分だけを作っていて、上のジュレなどは朝に来て仕上げることもできますので」
プリンは他の洋菓子に比べ日持ちするため、前日に仕込みをすることができ、作業の効率化につながっています。
さらに、女性が働きやすい特徴も。
【芦屋ぷりん とあっせ 藤岡敏夫シェフ】
「大きいボウルを持ち上げて生地を移すなどということが少ないので。プリンの専門店にしたことで、労働環境を整えることはできています」
【芦屋ぷりん とあっせ 宮崎真理子店長】
「働きやすいですし、子育てしていても働こうって思いますよね。何か自分ができる時間の中で何かしたいな、と」
プリン専門店が増える裏側には、客も店も惹かれる様々なヒミツが隠されていました。