市場規模2000億円のレジャー、右肩上がりで成長を続けるのが釣り用品です(日本釣用品工業会より)。 実は今幅広い層に人気で、空前のブームだともいわれている「釣り」。その裏側にはどんなヒミツがあるのか、ヒットのワケを取材しました。
【薄田ジュリアキャスター】
「神戸市の海釣り公園に来ています。ちょっとご覧いただきたいんですが平日の朝6時前にすでに車が並んでいます」
神戸市垂水区の「平磯海づり公園」
お目当ての魚を狙って連日、早朝から常連の釣り好きで賑わいます。
最近は釣りをしに来る人もこれまでとは変わってきているようで…
【神戸みのりの公社 海浜事業部 大前章一部長】
「初心者の方とかファミリーで来られて。新型コロナになってから釣りに来られるお客様が増えているかなと」
日によっては入場規制をかけるほど人気が急上昇しているといいます。
空前の釣りブーム、その魅力は何なのでしょうか。
私もカメラを構えてグイグイ調査していきますよ!
【薄田キャスター】
「確かに釣りって一組一組間隔が空くので気にならないですよね」
大学生というこちらの男性、聞けば去年から釣りを始めたといいます。
【去年から釣りを始めた大学生】
「新型コロナでインドア派になって新しい趣味がないかなって考えたときに友人に釣りを誘われたんでやってみようと」
ーーQ:実際やってみてどうですか
「僕はこの景色がすごく好きで続けているのもあって釣れなくてもこの景色を見に来ている感じもある、めっちゃ気持ちいいんで」
一方、こちらの親子は…
――Q:釣れています?
【父親】
「一匹だけです」「ガシラという魚ですね」
――Q:誰が釣った?
【子ども】
「はい。引っかかっているのと勘違いした」
【父親】
「僕がまたやろうかなと思って一緒に連れてきた」
昔釣りをやっていた人が最近になって再び始めるというのも、いまのブームの特徴。
家族みんなで楽しめることが大きな魅力です。
――Q:僕が釣りに行きたいって言ったの?
【子供】
「海見たら釣りしたくなってきた」
――Q:何が釣りたい?
「なんだろう…食べられるもの」
自分で釣った魚を食べられるのも釣りの醍醐味ですよね。
そして、釣り人達が集まるのは海だけではありません。
大阪府豊中市には…
【薄田キャスター】
「ここは流水プールゾーン。釣りをしている人がいらっしゃる。すごく広いですね、ここも釣り堀になってるんですね」
ここは、オフシーズンのプールを活用した期間限定の釣り堀。
3年前から営業していて、年々利用者が増えているそう。
【ゴーセン フィッシング部 吉本昌史部長】
「関西ではなじみがないですけど実は関東では至ってポピュラー」
「プールを釣り場にしているので足場がいい。着の身着のまま来てフィッシングを楽しんでもらえる」
釣り具もレンタルでき、トイレや手洗い場の心配も不要。
初心者でも手軽に楽しめるスポットも釣り好きを増やす理由の一つになっているようです。
この日、初めて釣りをしたという家族は…
【父親】
「釣れました!娘が釣りました!」
【子供】
「ブルブルって震えた」
海より釣れやすいのもうれしいところです!
【母親】
「ここだったら浅いですしそんなに危ない場所でもないので」「全部レンタルもできるので初めてでもハードルが低い」
調べてみると、釣りブームのヒミツはこんなところにも…
大阪市内の釣り具店では、初心者専用の相談受付を設けていて、経験豊富なスタッフが丁寧にアドバイス。
さらに特設コーナーの中にあるのは…
【釣り具のブンブン・神田正浩マネージャー】
「フルーティーな香りするエサになっています」
「どうしてもエサって臭いますんで、手につくと嫌な方がおられるんでいいにおいがするエサをメーカーが開発した」
ほかにも、魚をつかめる専用のトングに魚臭さを消せるウェットティッシュなど、釣りへの抵抗感を払拭するアイテムが充実。
若者や女性を意識したカラフルな釣り道具やフィッシングウェアもあり、売上も伸びているそうです。
実はいま、SNS上では釣りガールと呼ばれる女性たちが増えていて、インスタグラムで検索してみると39万件がヒット。
その数は山ガールよりも多いんです。
女性にもブームが広がる背景には何があるのでしょうか。
これは、去年開催された、釣り具メーカーが手掛けるフィッシングブランドのファッションショー。
アパレルに力を入れるワケはズバリ、女性客を狙った市場の拡大です。
【グローブライド広報 吉川隆さん】
「アウトドアスポーツっていうのは男性も女性も性別関係ないですから1番最初にイメージを変えなきゃいけないなっていうのはやはりウェア」
「ファッションとしてのテイストは欠かせない、女性が非常にキーになっていました」
最近では、釣りガール専用のコミュニティーサイトも開設されていて、初心者の女性を集めた釣り企画が行われるなど盛り上がりを見せています。
さらに、ブームを後押ししているのが、ユーチューバーの存在です。
こちらは釣りユーチューバーのマルコスさん。
チャンネル登録者数はおよそ30万人、動画の総再生回数は4500万回を超えています。
――Q:いまは何を狙っているんですか?
【マルコスさん】
「いまは近場で狙えるクロダイを狙っています、結構引いておもしろいんですよ」
ファッションにも気をかけオシャレに釣りを楽しむ姿はまさにイマドキの釣りガール。
もともとはアパレル会社に勤めていたといい、人間関係に疲れ3年前に仕事を辞めた後、気分転換に釣りを始めたそうです。
【マルコスさん】
「釣りって仲間と行くこともできるけど1人で黙々とできる。何にも縛られず、そこがストレスフリーやしめっちゃいい」
(魚が釣れる)
「あ、あ、あ、来てる来てる、おっしゃーきたー!やったーー!」
「かわいい!こんなに小さな魚でも泣くもん嬉しくて、この感動は慣れないです」
そんな釣りの魅力をYouTubeを通して伝えたところ、去年からチャンネル登録者数が一気に増えたそうで、釣りブームの到来を感じています。
【マルコスさん】
「ユーチューブの視聴者さんから『釣りを始めたいです』とか『マルコスさんの動画を見て釣りを始めたいけど何から始めたらいいかな』とかの質問が多い」
「もっともっとしようぜって。男の子だけじゃないんだよ、女の子でも楽しめる。だって世界が広がるし、私みたいに人生変わる人だってたくさん増えるはず」
と、釣りへの熱い思いを語るマルコスさんですが、実は…
【マルコスさん】
「魚アレルギーで食べることができないので、どんな魚も」
――Q:それだけ毎日触れてたら食べられるって気になるのでは?
「そう思って食べてみたらやっぱりアレルギー出ちゃって」