今やおなじみになった車や自転車などのシェアサービス。
利用している人も多いのではないでしょうか。
モノや場所などを多くの人と共有する仕組みは「シェアリングエコノミー」と呼ばれ、国内に少なくとも180のサービスがあります。
【シェアサービスユーザー】
「今の時代シェアできるものはシェアをする」
【シェアサービスユーザー】
「手軽にお借りしたものなので、新しくまた借りられるっていう良さがありますね」
シェアリングエコノミー協会などの調査よると、今年度の市場規模は2兆円で、10年後には、最大で14兆円になるとの見込みも!
新サービスも次から次へと出てきていて、ついにシェアリング時代が到来!?
【シェアサービス事業者】
「もう物を持つ時代が変わっていく」
「(ユーザー数は)スタート時から既に、もう何十倍って伸びてますね」
【シェアサービス専門家】
「他の人が持っているようなものに対しては、どんどんシェアしていって、価値を回していくっていう機運は高い」
更に、シェアサービスは街づくりでも活躍!
新時代を席巻する「シェアリングエコノミー」の最前線に迫ります!
京都市に住む中川ゆう子さん(44)
飼っている猫そっくりの絵がお気に入りです。
実はこれ、買ったものではありません。
【中川ゆう子さん(44)】
「カシエさんのページから絵を拝見して、スマートフォン1個で」
絵をレンタルできるシェアリングサービスの「カシエ」
画家から預かった絵を定額でユーザーに貸し出す仕組みで、料金は、レギュラープランで月額3278円(税込み)です。
【中川ゆう子さん(44)】
「猫って検索したら、猫の絵が出てくるので、その中から1番似ているものを探したらぴったりな絵が見つかりました」
京都市下京区にあるカシエの本社。
経営者の藤本翔さん(37)に案内してもらうと、中には絵がずらり。
画家から預かっている絵は約1万点にのぼります。
【薄田ジュリアキャスター】
「写実的な分かりやすい絵も好きなんですけど、抽象的な、人によってとらえ方が違うような絵が好みです。色合いとしては明るめのもの。こんなざっくりな注文で大丈夫なんですか?」
【カシエ代表取締役CEO・藤本翔さん(37)】
「大丈夫です」
絵はホームページの一覧から選べますが、お任せで送ってもらうことも可能。
ということで、好みの絵を選んでもらいました。
【薄田ジュリアキャスター】
「この色合いすごくいいですね!」
【カシエ代表取締役CEO 藤本翔さん(37)】
「本当にいろんな色を使っていて」
【薄田ジュリアキャスター】
「英字新聞も張られているんですね」
父親が画家だった藤本さんは、生活が不安定な画家に流通の場をつくりたいとの思いで、このサービスを始めました。
レンタル料の35パーセントが画家の収入になり、多い人だと月に30万円ほどになることも。
「おうち時間」が増えたことから、登録者は、去年の約5倍に増えたといいます。
【カシエ代表取締役CEO 藤本翔さん(37)】
「シェアリングエコノミーって紐解くと文化を作っている行動やと僕は思っていて。僕らもアート作品をおうちに飾るという、今まであまりなかった文化を、その文化を少しずつ築き上げていくんじゃないかなと思いますね」
そんな中、今注目されているのが…
【薄田ジュリアキャスター】
「フリマアプリなどを使って、知らない人同士で、ものを売り買いするサービスは普及していますが、実は最近、その知らない人同士で、ものを貸し借りするサービスも登場しているんです」
個人の貸し借りをサポートする「アリススタイル」
ウェブサイトには、美容器具や家電など、1万点以上のアイテムがずらりと並んでいます。
料金は出品者が設定し、注文があれば、利用者に直接アイテムを発送します。
レンタル期間は7日間からで、登録者は、3年間で数十万人に達しました。
神戸市に住む、長納優さん(32)は、キャンプで使う定価2万円の「ウッドストーブ」を1900円でレンタルしました。
【長納優さん(32】
「(キャンプ用品を)何から揃えたらいいのか分からない中、どうしてもさっと商品に手を出せない、一度試して使ってみてから、使用感とかを体験してから買いたかったので」
出品したのは、埼玉県に住む男性。
実は、オカネ以外にも目的があったそうで…
【キャンプ用品を出品した男性】
「すごくいいなって思って、ずっと何十回も使ってたもので、知って欲しいな、このキャンプ道具をっていうのもあって出してみました」
――Q:皆に共有したい思いもあった
「そうですね、それもありますね」
アリススタイルを運営する村本理恵子社長(65)は、ただのレンタルではない「体験の共有」が強みだといいます。
【ピーステックラボ・村本理恵子社長(65)】
「経済合理性で、ものを借りてっていうことだけではないことが実は中で起きていて、そういう気持ちの交換っていうか、それが起きていることがシェアという世界の良さだと思います」
そんな、オカネだけではないシェアリングエコノミーの強みは「街づくり」にもいかされています。
大阪府池田市の伏尾台地区。
地元の自治会では、新たに図書室を開く計画が進められていますが、ある悩みが…
――Q:みなさんだけで片付けようと思ったら大変ですね
【伏尾台の自治会】
「そんなん無理無理…じいさんばあさんばっかりでやってんだもん」
伏尾台地区は、人口の4割以上が65歳以上の高齢者で、力仕事は一苦労。
そこで使ったのが、空き時間シェアサービスのグッドタイミングです。
グッドタイミングでは、掃除や買い物など簡単な仕事を依頼したい人と、空いた時間で稼ぎたい人をマッチング。
今回は、古本の片づけを3時間5000円で募集したところ、20代と30代の男女2人が来てくれました。
【伏尾台の自治会】
「若い人に助けてもらうシステム作りたいなと思って始めたので、来ていただいて、興味持っていただけるのはありがたい」
【グッドタイミングを通じて参加(39)】
「週末は子供のサッカーがあったりして、ちょうどピンポイントで空いていたので、面白そうだなと思って、初めてなんですけど、登録しました」
「ネットで見てたら出てきて、たまたま日付も合うし」
グッドタイミングを運営する高濵一道さん(41)は、空き時間のシェアが、高齢化が進む地域の活性化につながると考えています。
【グッドタイミング代表取締役・高濵一道さん(41)】
「地域のご近所付き合いとか、自治会の活動とか、無償の活動なんです。それはそれで、なくてはならないものであるんですけど、人付き合いが希薄化しているので、有料で、空いた時間で、若い方々、アプリとかサービスがあれば、街づくりにかかわるきっかけとしてすごくいいんじゃないかと」
進化するシェアリングエコノミー。
今後どんな風に私たちの生活を豊かにしてくれるのでしょうか?