新型コロナウイルスの影響で「相撲」の全国大会が、史上初の“オンライン”で開催されました。
いったいどんな大会なのか、参加した大阪の小学生を取材しました。
■コロナで相撲は取れない…悔しさを“1人相撲”でぶつける!
「将来の夢は力士になることです」
元気いっぱいに話すのは、大阪市生野区の小学3年生、谷山雷蔵(たにやま・らいぞう)くん。
目標は、元横綱・朝青龍さんのような強い力士になることです。
雷蔵くんは、わんぱく相撲の大阪大会で、2年連続優勝するなど数々の大会で優勝。
しかし去年の大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。
活躍の場を失った子供たちのために企画されたのが、史上初“オンライン”での「第1回全国相撲形競技大会」です。
競技は相撲の基本動作「シコ」の美しさを競う部門と、相手がいるかのように取り組みを演じる「1人相撲」部門です。
【谷山雷蔵くん】
「嬉しいですめっちゃ。コロナの影響でやっぱり大会がなかったから、久しぶりの大会って感じで、相撲を取れないけど形でするのもいいと思います」
【母・典恵さん】
「本当にコロナで大会がなかったので、こういう大会があって頑張れる目標みたいなものができてすごくよかったと思います」
そして迎えた「1人相撲」用の動画撮影の日。
初めての体験に親子でドキドキの様子です。
雷蔵くんは、お父さんが携帯電話で撮影する前で、気迫あふれる“ひとり相撲”を取ります。
撮影内容は全く自由。
子どもたちが自分たちで考えたものを披露します。
【父】
「これでいこうか、雷蔵、負けパターンでいこうか」
【雷蔵くん】
「これでいこう。これでいったら絶対、優勝確定や」
どうやら満足のいく動画が撮影できたようです。
■海外からの参加者も…緊張の結果発表
審査員の1人で世界女王にも輝いた、立命館大学相撲部の山中未久(みく)選手は…。
【山中未久選手】
「1人でもやれることってすごくあるなと思いましたし、土俵上での相手との勝負以外でも自分と向き合ったりとか、普段は感じられないことを得ることができるだろうなって」
大会に参加したのは4歳から中学生までの395人。
なんと海外からも参加者がいる、国境を越えた大会となりました。
動画を送って1週間、いよいよ結果発表です。
上位3名のみが名前を読み上げられます。
「シコ部門」で入賞できなかった雷蔵くん…。
まさに土俵際に立たされました。
【司会】
「一人相撲の発表です。第3位愛媛県・上田暁正くん」
【父】
「雷蔵、大丈夫や」
名前が呼ばれず不安そうな雷蔵くん…。お父さんがなだめます。
【司会】
「第2位 千葉県・山口嘉文くんです」
【雷蔵くん】
「あかん!あかん!あかん終わった!終わった!」
緊張の第1位の発表の瞬間…。
【司会】
「優勝、エア相撲日本一は大阪・谷山雷蔵くん」
雷蔵くんの名前が呼ばれました!
【雷蔵】
「よっしゃー!やった、やったー!涙出てきた」
喜びのあまり思わず叫ぶ雷蔵くん。
見事、初代“1人相撲チャンピオン”に輝きました。
【雷蔵くん】
「テレビの前で恥ずかしいことならんでよかった…」
この大会のおかげで相撲への意欲がさらに高まった雷蔵くん。
次に目指すのは「わんぱく相撲」の全国大会優勝です。
【雷蔵くん】
「目標は”日本一”なるぞ!」
(カンテレ「報道ランナー」3/9放送))