6434人が犠牲になった阪神淡路大震災から、17日で26年です。
幼い我が子2人を失った男性は、「今だからこそ命について考えて欲しい」と小学生に向けた授業に臨みました。
【被災当時の写真を見せる米津勝之さん】
「私ここに住んでました」
【児童】「えー!」
芦屋市立・山手小学校で子どもたちに語りかける、米津勝之(60)さん。
阪神淡路大震災で長男・漢之君(当時7)と長女・深理さん(当時5)を失いました。
震災を経験した人や語る人が減る中、米津さんは次の世代に震災を伝える活動を続けています。
【米津勝之さん】
「ランドセルには漢之の『あのね帳』が入っています。震災の前日の16日に、17日に食べるためのごはんを作ったの。最後なんて書いてある?」
【児童】
「あした食べるのが楽しみです」
【米津勝之さん】
「そのあしたって、いつですか?」
【児童】「17日」
【米津勝之さん】
「明日がやってこなかった漢之は今、どんな思いでいると思いますか?」
【児童】
「食べたかった…?」
【米津勝之さん】
「これみんな宿題な。考えてみて」
今回は、新型コロナウイルス対策として体育館に児童を集めず、7クラスで別々に授業をしたため1回の話は、わずか15分。
それでも米津さんは「今だからこそ命について考えて欲しい」とメッセージを込めました。
【小学1年生】
「深理ちゃんや漢之君のことをずっと忘れないでおきたい。数字だけじゃなくて名前も覚えておいて、この話のことをずっと大人になっても忘れちゃわないようにしたい」
【米津勝之さん】
「制約があって場所も限られるし、機会も減ってきているという現実があるんですけれども、だから何もしないのではなく、その中でも可能性はさぐっていきたいと尚更思っている。だからこそそういう場面ひとつひとつを大切にしていきたい」