大阪・心斎橋で去年11月にオープンした話題の書店。
本を売るだけでなく、ゆっくりくつろげるカフェが併設されていて、店の名物となっているのが… そう、こたつ席です。
【天狼院書店パルコ心斎橋店 平野謙治副店長】
「書店にこたつがあるのは意外な感じがするのでお客様から大変好評いただきましてコーヒー飲みながら本を読んでこたつでのんびりできるのは贅沢だなと思うんですけど、それが出来る場所」
去年の暖冬から一転、今シーズンは厳しい寒さに。
【薄田ジュリアキャスター】
「こんな寒い日はあったかいこたつの中で過ごすのが一番だな」
日本人にとってこたつは馴染み深~い、冬の風物詩。しかし…
【女性】
「エアコンしか使ってないです。(こたつは)うちは使ってなかったですね」
【男性】
「床暖とかあるし。昔小さい頃は使っていたんですけど」
――Q:こたつは知ってる?
【小学生】
「知っているは知っているけど使ってはない」
“こたつ離れ”も進む中、実は今、こたつがより便利で快適に進化しているんです。
さらに屋外で楽しむこたつも登場。
人気復活の兆しも!いまこそ知りたい、こたつの魅力に迫ります。
【薄田キャスター】
「イオンのリビングコーナーの一角にはこのようにこたつコーナーが設けられていて様々なタイプのものが並んでいます」
巣ごもり需要の高まりで売れ行きが伸びているというこたつ。
中でも話題になっているのが…
【薄田キャスター】
「こちら最近人気のこたつなんですがサイドにはUSBポートやコンセントがついていて在宅ワーク向けになっているんです」
イオンが販売するのは、在宅ワーク需要に対応した便利な高脚タイプのハイテクこたつ。
3年前に開発されたもので、今シーズンは前年の5割増しで売れているそうです。
【イオンスタイル新茨城 馬場睦さん】
「テレワークに最適ですよということでSNSでちょっと話題になって今だったら20~30代の若い層が結構買いに来ている」
コンセントを調理家電に差し替えれば仕事終わりの一杯も楽しめるほか…
布団を外せばテーブルとして年中使うことができます。
快適すぎてステイホーム!?こたつの進化が止まらない!
最近のこたつは、インテリアにもよく馴染むデザイン性の高いものなど種類も様々で、人の気配を感知して自動で電源を切ってくれる便利なセンサー付きのこたつも登場しています。
中には、これまでの常識を覆す驚きの商品も…
【薄田キャスター】
「こちら一見普通のこたつに見えますが、こんなふうに着ることができるんです」
こたつの弱点だった肩や背中周りの冷えを解消するために生まれたという、この商品。
去年10月に発売され、わずか6日間で初回生産分が完売するほどの人気で、12月からは「2人用」の予約販売も始まりました。
ほかにも…
【薄田キャスター】
「うおーでっかい!これは毛布が大きいんですね?」
【千趣会 ベルメゾン事業部 岡田光司さん】
「毛布が大きいです。当社で人気の超ビッグなこたつ布団です」
大きさはなんと、通常サイズの約2倍です!
【薄田キャスター】
「あったかいですね。こたつの中に足を入れていないのにこれだけ距離があるのに温かさが感じられる」
【岡田さん】
「こたつって寝て使う方が多いと思うんですね。寝られたときに足がはみ出てしまうとか、あと一人寝られていると他の人が入れないとか。それに応えるためにはシンプルにデカくすればいいんじゃないかなと」
より快適に進化を遂げるこたつですが、知っておきたいお得なメリットも…
節約はこたつで決まり⁉ 家計の強~い味方!
話を聞いたのは、こたつヒーターの国内シェア8割を占めるメトロ電気工業の川合誠治社長。
【メトロ電気工業 川合誠治社長】
「(メリットは)やっぱり一番は省エネ暖房。エアコンなんかは当然部屋全体、だから6畳間だったら6畳用エアコンで温めないといけない。時間もかかる。ところがこたつの場合は、こたつの中だけ温めればいいので」
川合社長によると、こたつは一度温めてしまえば、あとは保温の電力しか消費しない優秀な省エネ暖房。
1時間当たりの電気代は約5円と一般的なエアコンの半分以下とも言われています。
そのため、世界的不況や大規模災害などで節約志向が高まるたびに、その年の生産台数が増える傾向があるそうです。
【川合社長】
「コロナ禍で嫌でも巣ごもりの人が増えているのでそういう中では省エネで経済的にもいいし、こたつ暖房というのはもう一度見直してもらえるとありがたいなと思いますけどね」
こたつの魅力には、飲食店も注目しています。
大阪府高槻市のイタリアンレストランではこんな取り組みも始まっています。
夏場はバーベキューやビアガーデンで賑開放的なテラス席を活用して作られた「こたつテラス」。
ランチやディナーでの利用が可能で、2種類から選べる専用の鍋プランも用意されています。
【サンデイーズベイク569 貞方直也店長】
「冬場のテラスの使い方という部分でいろいろ考えた結果。ロケーションがすごくいいので、そういうのも生かしてこたつをやってみようかなと」
こたつだから味わえる屋外での非日常体験も!
やってきたのは日本一高いビル・あべのハルカス。
地上300mの展望台にも、シーズン限定のこたつ席が登場しています。
【近鉄不動産 ハルカス300運営担当 岡野祐太郎さん】
「大阪の夜景をご覧いただきながら暖かいお食事を楽しんでいただけるイベントになっています」
【薄田キャスター】
「いただきます。体の中に染みわたりますね。下半身を温めながらおいしいおでんをいただく、そこにこの絶景が加わって最高ですね」
あべのハルカスでは感染対策として、一卓につき2人までの利用に制限するほか抗菌加工を施したこたつ布団などを設けています。
【岡野さん】
「本来おうちにあるものをまさかこんな展望台にあるとは思っていないと思うので、非日常体験を楽しんでいただけるコンテンツ。ソーシャルディスタンスとは言われていますがこたつに入りながら心の距離を縮めていただければ」
さらにこんな意外な場所でも…
【薄田キャスター】
「まさかでしたよ…。見てください、川にコタツが浮いています」
3密を避けるため、丸型ボートに利用者だけが乗り込み、水上でのこたつを楽しむという12月から新たに始まったアクティビティ。
【薄田キャスター】
「もちろんですけどこたつに入りながら移動する経験が今までないので新鮮ですごくいいですね。周り見てください開放的な空間、これ以上ない環境です、本当に癒されますね」
飲食物の持ち込みも自由でカセットコンロの貸し出しもあるので、好きな料理を食べながらお茶の間気分も楽しめます。
【日本シティサップ協会主宰・奥谷崇さん】
「冬場でも楽しんでもらえる企画はないかと、水上でもコタツを乗せてみようと思ったのがきっかけ」
これまでに100人以上が利用していて問い合わせも増えているという水上こたつ。
新たな冬の風物詩になるかもしれません。
【奥谷さん】
「足元が温いのがいいじゃないですか。なんたって平和ですよね、こたつイコール平和」
【薄田キャスター】
「確かに。日本の文化の平和の象徴みたいですね」