新型コロナウイルスに関して危惧する声があがっているのは「検査拒否」の問題です。
現場で今、検査はどのように行われているのか…
そして、なぜ検査を拒む人がいるのでしょうか。
【看護師】
「こちらの試験官の中にお口の中の唾液を少しずつ流し込むんですね」
大阪市平野区にある正和病院の発熱外来には多くの人が訪れています。
【看護師】
「陽性の場合は、ここの個人情報は全て保健所に報告する病院の義務があるので、承諾して下さい」
新型コロナの疑いのある人は病院内には入れず、PCR検査や抗原検査を行います。
発熱外来を受診する人は、第3波が始まった11月初め頃から増え、今は毎日約20人が来るといいます。
しかし第3波には、ある傾向が…
【正和病院・塩野茂名誉院長】
「春夏ころは、ある程度感染源が想像できたが、今は、どこから感染したか分からないという方がかなり増えている」
感染経路不明者の増加。
その背景には、何があるのでしょうか?
■「冷たい目で見られる…」”検査拒否”をする人のリスク
PCR検査を受けに訪れた一人の男性…
【医師】
「きのうから微熱があったということですが、一応検査は、陰性でした」
【男性】
「よかったです」
『陰性』だった男性は、検査を受けるにあたり、ある葛藤があったといいます。
【陰性だった男性】
「知らんふりして、熱あることも会社に言わんとそのまま行って、乗り切ってしまえば、やり過ごせたんだろうなという頭もどこかにあった。葛藤はあったけど、万が一うつしてしまう方を考えたら大事になるので、まずは(検査を)受けた」
一方、大阪市内の別のクリニックを取材すると、様々な事情から検査をしないことを選択する人もいることが分かりました。
【西梅田シティクリニック・赤松敬之院長】
「皆さんやっぱり意識がすごく高いので、調べてほしいという人の方が多いんですが、一部には(拒否する人が)いらっしゃるのは事実ですね。(理由は)周りにコロナだったと言われると冷たい目で見られるとかが一点、それは若い人に多い。あとは仕事でお忙しい方。やはり10日間の隔離というのは(働く世代には)なかなかインパクトが強いですよね」
事情があるとはいえ、検査を拒否すると2つのデメリットがあるといいます。
【西梅田シティクリニック・赤松敬之院長】
「1つが感染のスプレッダー(拡散させる人)になってしまうこと。もう1つはその人自身の健康面、(悪化して)致死的なケースもあります」
政府分科会も11月、検査を避けることで結果的に感染を広げている恐れがあると指摘していました。
【政府分科会・尾身茂会長(11月20日)】
「感染の可能性を自覚しながらも何らかの理由で検査を受けない、または報告が遅れる事案も増えています。またその結果として、家族などへの二次感染に至る事例も見られます」
大阪府の吉村知事も…
【大阪府・吉村洋文知事(12月18日)】
「感染を広げないためにも検査は受けていただきたい。かかる人が悪いわけではないので」
「皆さんもかかるかもしれないし、僕もかかるかもしれないしマクロン大統領だってかかっているわけだから…」
「かかることが悪いわけではないので。そこは事業者のみなさんにもご理解いただきたい」
検査の必要性を理解しながら拒否する人がいるという状態…
どうすれば解決するのでしょうか?