たっぷりの化粧水をつけて…ファンデーションで肌の色を整える。
女性と同じようにメイクをする男性がいま増えているんです。
【20代 学生】
「鼻のあたりが黒ずむのが嫌なのでクレンジングオイルでとったりとか」
【50代 貿易業】
「保湿の乳液とか、目の周りのシワをなくすクリームとか使っています」
ここ数年、若者だけでなく中高年からも大きく注目されているという男性メイク。
生活雑貨店の売り場には、男性専用の化粧品コーナーも。
【梅田ロフト 健康雑貨チーフ 小菅大樹さん】
「お肌の色ムラをカバーするクリームであったり、ポイント的にカバーできるコンシーラーなどを買っていく方が多い。売り上げはどんどん伸びてきています」
男性化粧品の市場は右肩上がりに拡大していて、今年度は1200億円を超え過去最高となる見込み。
男性メイクの専門誌も登場するほど盛り上がりを見せています。
ついに男性も美に投資する時代に⁉ イマドキの男性メイク事情に迫ります。
【薄田ジュリアキャスター】
「大阪市内の美容スクールに来たんですが、レッスンを受けているのは女性ではなく男性なんです」
今年2月からこの美容スクールで新たに始まった男性向けのメイクレッスン。
手軽なお試し体験のほか、日常的にメイクするための基礎を学ぶことができるんです。
こちらは、この日が2回目のレッスンだという平野さん。
【平野陽寛さん(31)】
「完全に消えている気がします」
【レッスンの講師】
「いいですね。結構色が良かったですね」
【平野さん】
「すごいいい感じになりましたね」
メイクで自信を! 男性だってキレイになりたい!
肌の荒れやすい体質に悩まされ自己流でメイクを続けてきたという平野さん。
コンプレックスを和らげ、自分に自信を持つための手段としてメイクは欠かせないといいます。
【平野さん】
「やっぱり肌のトラブルあると人前で気にしてしまう。それをカバーできると自信満々じゃないけど堂々と話せたりする」
自前のメイク道具を見せてもらうと、女性顔負けのアイテム数。
毎月の化粧品代は8000円ほどだそうですが、平野さんの奥さんも好意的にとらえているようです。
――Q:夫がメイクされていてどう思った?
【平野さんの妻・早織さん】
「メイクをしている時の方が印象が良かったので男性もスキンケアやメイクもありだなと。私のメイク時間待ってくれたり美容にお金かけるのもどうぞとむしろ応援してくれてありがたい」
そして、街でもメイクをしているという男性を発見。
【20代 専門学生】
「ファンデーションと顔の保湿クリームはやっています。前向きに女性との距離が縮まったりするので、女子トークにも入れたり変わったところを褒められたり気付いてくれるところがうれしい」
若者世代を中心にファッション感覚としても受け入れられつつある男性メイク。
その中には、K―POPアイドルに憧れを抱き、メイクを始める若者も少なくないそう。
こちらの韓国コスメ店の男性店員はメイクをマネするようになったといいます。
【コスメティックSAMI・森浦夏希さん】
「赤いアイシャドウとかは韓国の男性アイドルを見たりして自分なりにやってみた」
――Q:メイクすると気持ち変わる?
「変わります。自信につながりますね」
いまや女性だけでなく男性にとってもメイクアイテムは「なりたい自分になれる」魔法のツールとなっているようです。
【薄田キャスター】
「こちらの百貨店にも男性用コスメのコーナーが設けられていましてたくさんのブランドがあって女性向けのものと変わらないくらいのラインナップです」
大手化粧品メーカーも男性向けの商品を次々と発売。
メンズブランドの専門店もあり、ファンデーションやコンシーラー、アイシャドーにマニキュアなど女性のものと比べても遜色なし。
男性用ならではの特徴も…
【ファイブイズム バイ スリー 橋本理子さん】
「握りやすくて男性がひげを剃るような感覚で使っていただけるように店のものは全部バータイプで作られているのが特徴」
そしてこちらは、発売から80万個以上売れ、大ヒット商品となっている男性用の美容クリーム。
意外な世代にも人気のようで…
【資生堂 ウーノ担当 林詩遥子さん】
「もともと10代~30代くらいの方が使ってくださるのかなと思っていたんですけど、4割近いお客様が40代以上ということでそこは想定外でした。やっぱり印象を変えたいと思っている方が40代以上も多くいるんだなと」
ドル世代もメイクに興味!? コロナ禍ならではの理由も
コロナ禍ならではの理由もあるようです。
数年前から化粧品を使い始めたという50代の男性は…
【50代 貿易業】
「保湿の乳液とか、目の周りのシワをなくすクリームとかを使っている。カサカサしていたんで、それはちょっとなくなった感じ。年齢よりも若く見られたいですけどね」
メイクをしていない人でも、最近、気になることが…
【30代 法律事務】
「マスクしたので吹き出物とかが出来るようになった。リモートワークで自分の顔が映った時にヒゲ伸びてきたなとか肌が荒れてきているなとか気になったりしますね」
コロナ禍での働き方の変化で、身だしなみを意識する人が増えているようです。
実はメイクにはこんな効果も。資生堂などが行った実験では、オンラインでの面談でメイクをした場合としなかった場合に相手に与える影響を検証したところメイクをした場合、脳波はリラックスした状態を示し、心拍数も低下。
相手に安心感を与えていたそうです。
【資生堂 ウーノ担当 林詩遥子さん】
「メイクをして自信を持って話している男性を見ることでこの人余裕がありそうだなであるとか自信を持って話しているなっていうところで受け手もリラックスして話を聞けたという結果かなと」
男性向けのメイクレッスンを始めた美容スクールにまた新たに男性がやってきました。
大阪市内で古着店を経営する45歳の辻野さん、この日がメイク初体験です。
【辻野晃さん(45)】
「やっぱり30代の時と写真で見たら違うなというのはありますね、あの頃のハリはない」
――Q:レッスンでどんなことを教わりたい?
「正直、スキンケアもしたことないので、メイクをすることで何か変わるんかなと」
【辻野さんの店のスタッフ】
「楽しみではあります。どう変わるんかなって。肌とかきれいなんで化けようがあるかなと」
【辻野さん】
「なんで上からやの?(笑)」
接客業のため、見栄えを良くして明るい印象にしたいという辻野さん。
【レッスンの講師】
「お顔で気になるところはありますか?」
【辻野さん】
「クマです」
疲れた印象を持たせるクマをさりげない自然なメイクで和らげていきます。
さあ、どう変わったのでしょうか。
【レッスンの講師】
「目元と鼻まわりに少し赤みがあったのでそれを抑えた。印象は肌のムラがなくなって、くすみがとんだ感じ。目元の位置が上がって見えていると思います」
【辻野さん】
「そうですか…」
【薄田キャスター】
「本人が一番自覚していない。いい意味で違和感がないですね」
【辻野さんの店のスタッフ】
「目が明るい印象になって表情もやわらかい感じかなと。カッコいいっす」
【辻野さん】
「ありがと」
【薄田キャスター】
「ナチュラルにね、少しでも好印象に感じてもらえると」
【辻野さん】
「それでお客さんへの印象アップでリピートにつながれば。続けていきたいですね」