新型コロナウイルスの影響などで、今年度上半期(4月~9月)の倒産件数が392件。
過去最多となった飲食店…。
そんな苦境のなか!
いま飲食店の新たな形として注目を集めている「ゴーストレストラン」に迫ります!!
今年6月にオープンした大阪市中央区の飲食店。
一見普通のレストランの厨房のようですが…
【薄田ジュリアアナウンサー】
「今注目されている新しい形の飲食店それがこちらなんですが店の中を覗いてみると、客席がなくいきなり厨房になっているんです」
客席がなく、まるで幽霊のような存在ということでその名が付いた「ゴーストレストラン」。
デリバリーやテイクアウトだけで営業している飲食店なんです。
――:Qなぜそういった形態の店を始めようと?
【WDI JAPAN 米田進治シニアマネージャー】
「ゴーストレストランに関しては実店舗と違い、客席その他の設備が必要ないので出店が非常にシンプルになります」
――Q:投資もかなり抑えられる?
「実店舗に比べればそこの費用は少なくなるのは間違いない」
――Q:注文はどうやって受けている?
「実際コチラのタブレットが店舗になりますので・・・タブレットにオーダーが入ってきます」
この店では、ひとつのキッチンでイタリアン・台湾料理・サラダ専門店と3種類の店を展開。
料理人さえいればオンライン上で何店舗も出店することができるため、客にとっても様々な料理を楽しむことができます。
大手ファミリーレストラン「デニーズ」も専用のキッチン作ってゴーストレストランに参入!
広がる背景には、デリバリー代行サービスの普及があります。
【出前館 デリバリーコンサルティング 清村 遥子 本部長】
「(ゴーストレストランは)かなりふえてきた印象があります。そもそもデリバリーを始める方がコロナ前と比べると(問い合わせが)4倍くらいになっていますので、もともとイートインで大きくされていらっしゃったところがデリバリーを試してみるということも含めてゴーストレストランの可能性を探り始めたのかなと」
そんな飲食店の新スタイル 店にも利用者にもお得!なんです
全国に約300店舗の居酒屋を展開しているコズミックホールディングスでは、今月10日、唐揚げ専門店のゴーストレストランを54か所で同時にオープンしました。
全国のグループ店の中から1番おいしい唐揚げを決める「唐1グランプリ」を開催し、優勝した山口県の店のレシピを共有し販売しています。
【コズミックホールディングス 経営企画室 細川誠さん】
「ゴーストレストランという形で最初の初期費用を抑えられているから、金額の方もだいぶ抑えることができた」
配達料は別途かかりますが、4個入りで580円。
唐揚げだけでみれば店頭で販売するよりも安く提供。
こだわりの味を手軽に家で食べることができるんです。
一方で店側にとっても、ゴーストレストランは新たな商機を生み出しています。
【コズミックホールディングス 経営企画室 細川誠さん】
「キッチンや人材を有効活用できないかと、じゃあその中で出た結論がゴーストレストランを一回やってみようと。やっぱり一番大きいのは、今まででなかった売り上げ。このゴーストレストランすることによって発生した新しい売り上げがすごく大きい」
居酒屋を営業しつつ、同じキッチンでデリバリー専門の商品を作って販売。
今まで以上に仕事をすることになった料理人はというと…。
【知床漁場 義原慎也 店長】
「初めて聞いたときは、戸惑いというか大丈夫かなと思った部分もあるんですけど、コロナの影響で休業した時期もあって、その間料理とか作りたくても作れない状況だったんで、それを思うといま、同時に注文が入ったりして忙しくなる時もあるんですけどそのころに比べると、忙しいよりは楽しい方が勝ってます」
女性を中心に人気を集め、今年に入って会員数が3倍以上に増えているといいます。
客にとっても店にとってもメリットの大きいゴーストレストラン。
立ち上げを後押しするために空き時間を持て余している飲食店と開業したい人をつなげるマッチングサービスも広がっています。
さらに…
【薄田ジュリアアナウンサー】
「京都ではゴーストレストランを始めたい人向けのサービスがこのスーパーの2階で始まっています」
スーパーの奥の階段を上ると…ズラリと並んだキッチンが。
――Q:最近売れているというトレーニンググッズは?
【Be Chef 戸邊将文CEO】
「3つの区画に分かれています。キッチン1、2、3。でそれぞれの昼夜で入居者さんが決まっています」
――Q:トレーニンググッズですか?ぱっと見インテリアに見えますけど?
「インテリアになじむように作られたトレーニングッズです」
――Q:最近売れているというトレーニンググッズは?
【Be Chef 戸邊将文CEO】
「3つの区画に分かれています。キッチン1、2、3。でそれぞれの昼夜で入居者さんが決まっています」
――Q:トレーニンググッズですか?ぱっと見インテリアに見えますけど?
「インテリアになじむように作られたトレーニングッズです」
元々有名レストランで働いていた戸邊さん。
飲食店の開業をサポートしたいとゴーストレストランの事業者が共同で使える「シェアキッチン」を作りました。
実店舗では1000万円以上かかるといわれる初期費用がこの場所だと無料。
1時間2000円からの利用料で営業することができます。
6月に利用者を募集したところ、75件もの応募が来たといいます。
【Be Chef 戸邊将文CEO】
「今リスクを抱えてお店(実店舗)をオープンするよりも、まずはリスクの少ないところから始めて、小さく初めて大きく育てるっていうことをこのシェアキッチンでやってほしいなと思います」
【薄田ジュリアアナウンサー】
「座るだけで鍛えられる??この角度ね、確かに。背面が斜めになっているので必然と鍛えられる」
そんな中、この場所で長年の夢を叶えるために応募した人も…
――Q:もともとは何をされていた?
【和顔愛語 柿本玉喜 代表】
「音楽教室の講師をしていました。料理は趣味と家庭で。前から東京でゴーストレストランがあるのは知っていたんですけど、まさか自分の住んでいる京都で始められるっていうのは本当にびっくりしまして飛びついたっていう感じです」
9月からゴーストレストラン「和顔愛語(わげんあいご)」を始めた柿本さん。
提供するのは、無農薬の野菜にこだわったおばんざい中心のヘルシーなお弁当です。
【テイクアウトの客】
「カレーは美味しかった。前は違うお弁当買ったんですけど、これは初めてだったんで」
味の評判は上々ですが、デリバリーをメインでやっていくために試行錯誤の真っ最中です。
見た目は可愛くてもスポーツメーカーならではの機能的なものばかり。
【Be Chef 戸邊将文CEO】
「お客様のところに持っていくのでカレーのソースがこぼれないようにしないといけない。フタしめる前にサランラップして、それからフタしめましょうか。味は間違いなくおいしいので、あとは見せ方とかどうやってお客様に知ってもらうかということを一緒に考えていければなと思います」
コロナ禍で注目を浴びる飲食店の新業態、ゴーストレストランは、新しい料理人が生まれるチャンスの場所でもあるのです。
――Q:夢への第一歩を踏み出したお気持ちは?
【和顔愛語 柿本玉喜 代表】
「これから頑張ろうかな!という気持ちがますますあります。今回は最後のチャンスだと。人生において。夢を叶えるなら最後のチャンスかなと思ってやらせていただいています」