9月1日は防災の日。
皆さんは、いざという時への備え、していますか?
【60代女性】
「何もしてないです。しないといけないな〜と思いながら、『大丈夫かな?』と思って」
【20代女性】
「家にお父さんが非常食になるものを全部段ボールに詰めて買ってきて準備してたんですけど、賞味期限どんどん近くなるからって言って、ちょっと一回開けておこっか?ってなって、(全部)食べました」
そんな中、先週、学会では驚きの報告が…
【甲南女子大学・奥田和子名誉教授】
「コロナ以降非常食というのはよく売れてまして、多いものでは32倍販売実績が出たものもございます。みなさんが不安になってきたんですね。買い物に行くと感染するというので、買い物にもあまりいけないと。それで食べてみたらおいしかったって」
そう、実はイマ非常食がおいしくなって売れているんです。
【薄田ジュリアキャスター】
「これ非常食ですか?お肉もジューシー!」
各社が開発競争にしのぎを削る中、非常食に人生を捧げた開発者を大阪で発見!
【非常食研究所 西田東藏 代表取締役】
「これを自分の生涯の仕事にしようかな、っていう」
27年間売れ続けているという大ヒット商品に込められた思いとは!?
進化する非常食の最前線に迫ります!!
大阪市に住む井上祐希さん。
災害に備え、自宅にストックしているという食料を見せてもらうと…
【井上祐希さん】
「ちょっともう食べちゃってる分もあるんで…カレーのルーと、パスタソース。買い足しました。ローリングストック」
井上さんは保存のきく食品を一定の量ストックしておき、食べたら買い足すローリングストックを実践。
こうする事で賞味期限切れのリスクも抑えられます。
【井上祐希さん】
「普通に食べることができるので、効率いいなと思って。(非常時にも)味のイメージつきやすいかなと思って」
ある調査によると、防災対策をしている人の6割以上がローリングストックを行っていると回答。
そんなニーズに大手メーカーも新サービスで応えます。
【日清食品マーケティング部・佐藤真有美さん】
「カップヌードルローリングストックセットと言いまして、防災対策用にカップヌードルを。自動的にお届けする商品です」
カップ麺など9食分に水や調理器具を加えたセットで、3ヶ月ごとに追加で9食分ずつ届きます。
【日清食品マーケティング部・佐藤真有美さん】
「いざという時に食べられるものがおうちにあるという状況をメーカーからサポートできないか?と思ったのがきっかけです。食事だけはいつもとあんまり変わらない、そういった慣れ親しんだものを是非手間をかけずに食べていただきたいという思いがあります」
そしていま、“非常食”にも変化が!
災害時でも妥協なし!いつでもおいしい非常食
【薄田キャスター】
「東急ハンズ梅田店に来ています。こちらには非常食のコーナーが設けられていて、最近では、普段使いしたくなるようなおかずのメニューも登場しているんです」
こちらには約270種類もの非常食がズラリ!
パッケージも工夫され、保存期間だけでなくおいしさをアピールしています。
【東急ハンズ梅田店・合田尚也さん】
「以前の非常食のイメージってやっぱり、乾パンだったりとか、とりあえずカロリーが摂取できればいいよ、みたいなイメージで作られてるメーカーさん多かったんですけど、せっかく食べるんだったらおいしいものを召し上がりたいと、いう希望がすごく多くて、各社メーカーさんが味に関してはしのぎを削って、おいしいもの作られてます」
そんな最新非常食のお味は…?
【薄田キャスタ―】
「おいしいです。これ非常食ですか?デミグラスソースもすっごく本格的だし、お肉もジューシー!これで3年このおいしさが持つわけですよね?すごいな〜」
こちらはつくねと野菜の和風煮。非常時にはなかなかとりにくい野菜がゴロゴロ入っていて、常温でもその旨みを感じられます。
そしてこんなものも!
【薄田キャスタ―】
「にぎらずにできるおにぎり。おにぎりっていうのかわかりませんけど」
お湯を注ぎ、袋を振って、15分待つと…
【薄田キャスタ―】
「あ!お米が一粒一粒ふっくら膨らんで、わ〜!おにぎりの形になってますよ。(食べて)んん…ほどよいにぎり感。お米一粒一粒がしっかり立ってて…おいしいですね」
さらにこちらはお湯をかけると…30秒で親子丼に!
【薄田キャスタ―】
「(食べて)んん!一口で幸せな気分になりますね。玉子と、お肉にしっかりお出汁がしみてて、で、このとろみがあって」
そんな親子丼を開発したのはフリーズドライ技術に定評のある食品メーカーです。
【アサヒグループ食品・鈴木章子さん】
「非常食としては開発してないんですけども、まぁ非常食にも対応できたっていう。おいしさであったり、あるいは食品の色とか香りとか食感であったりっていうのをその時のまま、乾燥させることができるというメリットがあります」
非常食市場が加熱を続ける中、27年間も売れ続けているという商品を開発した会社が大阪にありました!
【薄田キャスター】
「その会社の名前が…非常食研究所。早速、おじゃましましょう。失礼します。」
こちらが、社長の西田東藏さん。社長自ら開発したという大ヒット商品がこちらです。
【非常食研究所 西田東藏 代表取締役】
「これが備蓄王です」
【薄田キャスター】
「備蓄王?」
お湯が無くてもホカホカ!?“至れり尽くせり”の非常食
いつでもどこでも温かいものを食べてもらいたいと、1993年に西田社長が開発した、簡単に温められる弁当。その後起こった阪神淡路大震災の経験から非常食として進化を遂げ、今では累計売り上げ147万食を誇っています。これまで国内外で数々の賞も受賞してきました。
【非常食研究所 西田代表】
「非常事態に召し上がるっていうのは、まず前提です。そうすると非常事態っていうのは何かいうと、電気・ガス・水道っていうライフラインが切れている。これは水の何も要らない、ただ(ひもを)引っ張るだけで、蒸し上がるようになってます」
容器にご飯とカレーをセットして、ひもを引くと…
【薄田キャスター】
「あ〜!」
【非常食研究所 西田代表】
「蒸気出てきましたですね」
【薄田キャスター】
「いまここで蒸されてる状況?」
【非常食研究所 西田代表】
「そうです」
容器の中の発熱剤と水が、ひもを引っ張ることで化学反応。
発生した蒸気でご飯を温める仕組みです。
【薄田キャスター】
「わ〜!お米ができてます!ごはんが♪」
あとは、ごはんにカレーをかけるだけ。
【薄田キャスター】
「いただきます!(食べて)おいしい!こんな熱いと思わなかった(笑)。ごはんもっちりで、カレーのルーも辛すぎず、これ万人受けする味ですね」
賞味期限は7年。
カレーの他にも牛丼など11種類が展開されていて、味付けには震災の経験が生かされています。
【非常食研究所 西田代表】
「普通のカレーとちがう所は、まず塩分が2グラム以下です」
【薄田キャスター】
「そうなんですか!?」
【非常食研究所 西田代表】
「塩分が強いとどうしても水がほしくなる。水がほしくなると、トイレが近くなる。阪神大震災の時には、トイレ並びが2時間3時間がざらだったんです。で、そういうことを教訓にして、できるだけおしっこに行かなくて済むように」
阪神淡路大震災の時、現地で弁当を配って歩いたという西田社長。
そのときの経験が原点になっているそうです。
【非常食研究所 西田代表】
「非常に寒かったんですね。で、これを召し上がったあとこれをこうして、(容器を抱きかかえる)こんな格好で暖をとられて、手をあっためられると。手をにぎって泣いて、『ありがとうございます』っていう方が何人も何人もおられて。それで『そうだ、これを自分の生涯の仕事にしようかな』っていう。残りどんだけの命があるかわかりませんけど、そういう人たちのために生きることができたら幸せだなって思ってます」