自粛生活が続くことでお年寄りの体力と認知能力の低下が今、懸念されています。
健康を維持するため、お年寄りにやってほしいことを専門家に聞きました。
お盆に帰省を自粛された方も多いかと思いますが、離れて暮らす親の体調、しっかり把握できていますか?
筑波大学大学院が高齢者を対象に行ったアンケートでは、健康状態が悪化したと答えた人が自粛前より、約5倍に増えました。
同じことを聞いてしまう、物忘れが気になると答えた人も、増加傾向にあるそうです。
【筑波大学大学院 久野譜也教授】
「ヒアリングの情報では、自粛する前に運動教室などに通っていて、3、4カ月ぶりに戻ってきた時に本当にビックリするくらい衰えられていたり、会話が成立しなかったりした。事実上、認知症に近い状況までなってしまったという方が実際出だしている」
久野教授はコロナを心配して、”自粛一辺倒”になると、この先、高齢者の体に弊害が出てくると警鐘を鳴らしています。
それを防ぐためにお年寄りにしてほしいことは…
【筑波大学大学院 久野譜也教授】
「1つはウォーキング、歩くことなどの有酸素運動。」
【薄田ジュリアキャスター】
「ウォーキングはどれ位必要でしょう?」
【筑波大学大学院 久野譜也教授】
「最終的には7000歩を目指していただく」
歩く機会が減っている人は、無理することなく、普段の倍、歩くことから始めましょう。
涼しい時間帯を選んで水分補給も忘れずに!
そして、簡単な筋力トレーニングもしましょう。
【筑波大学大学院 久野譜也教授】
「例えばイスから座ったり立ったりする動きはスクワットという筋トレになる。これが非常に効果的。あとはイスに座った状況で、例えばテレビを見ながらでもかまわないので、片足ずつサッカーのキックの動作をする」
1日2~3種類の筋トレを続けて筋力維持に繋げましょう。
さらに「認知症」を防ぐには、高齢者が社会との関りを保つことが大切です。
離れて暮らす親がいるなら、オンラインを活用して一緒にご飯を食べましょう。
手作りのお菓子を送って、味や匂いを共有することもおすすめです。
そのためには、お年寄りのIT環境を充実させましょう。
【筑波大学大学院 久野譜也教授】
「コロナで自粛をしていると、社会的・健康な部分がかなり制限されている。あと半年・1年付き合うとなると両方のバランスをどう折り合いをつけるか考えていく転換期」