メールやSNSにリモートワーク。
デジタル全盛な時代に、実は静かに売り上げをのばしている文房具。
ボールペンなど、筆記具の出荷額はここ10年で3割ほどアップ!
【30代女性】
「やっぱり手で書けた方がいいです」
イマ“手書き”が再評価されているんです。さらに!
【女性】
「朝は15分から30分ぐらいは、時間が節約できるようになりました」
なんと手書きで時間を節約!?おなじみ文具の意外な活用術とは!
そして常識を覆す驚きの文具が続々登場!
【薄田ジュリアキャスター】
「紙の色が白ではなく、グレーですか?」
今日は“手書き”の最前線に迫ります!
【薄田キャスター】
「梅田ロフトに来ました。こちらの文具売り場には、なんと3万種類ものアイテムが揃っているんです」
今年で3度目となる、注目文具を集めたイベントを開催中のこのお店。
売り場にはアイデアあふれる個性豊かな文具が並んでいます。
【薄田キャスター】
「こちらの『カギカッコふせん』というアイテムなんですが、自分でカギカッコ。書き込むんではなく、付箋でつけちゃおうというものなんですね。印をつけたいけども、汚したくないという時に使えるすぐれものです」
また裏にすべり止めがついていて、片手でも書きやすいメモ帳や、リモート会議に便利なコンパクトなホワイトボードなど、テレワークに便利な商品も今年のトレンド。
そんな中、売れ筋は…?
【梅田ロフト 白井達也さん】
「イマ結構手書きで伝えるっていうことが見直されてるっていうか、注目されているということで、それに関連するような商品もかなり売れ行きが伸びております」
個性やこだわりを表現!いま手書きが見直されています
幅広いニーズやこだわりに応えるべく、こちらには、約5400種類もの筆記具がズラリ!
【薄田キャスター】
「銀行でもらうようなペンを使ってるような私からすると、最新のものがどこまで進んでるのかわからないんですけど…、どんなものなんでしょう?」
【梅田ロフト 白井さん】
「そうですね、最近はこういう感じの…書き味とか『細さ』にこだわった商品がよく出てきております」
ボール径0.5ミリから0.7ミリが一般的なボールペンですが、こちらの商品はなんと0.28ミリ!
価格は1本1000円ほどするのですが、細い線で細かい字が書けると年間の販売目標をわずか5ヶ月で達成する人気ぶりです。
【梅田ロフト 白井さん】
「たくさん文字を書きたい、であるとか、きれいな絵を描いたり、きれいな文字を書きたいっていう需要が高まっていて。ノートをSNSに上げて、それをシェアして共有したりとか。最近トレンドになりつつあります」
【薄田キャスター】
「自分の書いたものを見せちゃうんですか?SNS通して!?」
街の人に、手帳を見せてもらいました。
【20代女性】
「(手帳に)びっしり書いてます〜。仕事のお客さんとの約束とか、あとプライベートと全部きっちり細かく書いてます」
【30代女性】
「仕事用とプライベート用(の手帳)。手書きはやっぱりパッとこう書ける。何でも書けるので。やっぱり手で書けた方がいいです」
さらに…
“手書き”で家事の効率アップ時間に余裕が生まれます
こちらは3人を子育て中の平塚千晶さん。
【平塚千晶さん】
「何をするにも子どもが間に入ってくるんですね、『ママ、あれとって』とか『ママ、これやって』っていう。そういう言葉がけをずっと聞いてると、『あれ?今何やってるんだっけ?』ってわからなくなっちゃったり」
そこで、平塚さんは家事のひとつひとつを付箋に細かく書き出したんだそうです。
【平塚さん】
「スマホとかだとどうしても(アプリを)起動するとか、入力してっていう作業が発生してしまうんですけど、手書きだといつでも好きな時にさっとペンを出すだけで、気軽にできるっていうのが手書きの魅力かなって思ってます」
付箋に書き出すことで家事の抜けや漏れがなくなる上、順番を見直すことで効率もアップ。
例えば「洗濯機のスイッチを入れる」の前に「トイレ・洗面台の掃除」を行えば、交換したタオルを、そのまま洗濯できます。
【平塚さん】
「朝起きたらノートを開いて、順番通りに何も考えずにそのまま書いてある通りにやっていくようにしてます。大体朝は15分から30分ぐらいは、時間が節約できるようになりました」
【薄田キャスター】
「朝の15分から30分ってかなり大きいですよね!?」
【平塚さん】
「そうなんですよね!」
アイデアと使い方で生活を便利で豊かに変えてくれる文具。
そんな文具自体もまだまだ進化を遂げています。
定番商品に革命!?常識を覆すノートが続々登場
キングジムが7月発売したのは、紙のような質感とぬくもりを再現したデジタルノート。
【薄田キャスター】
「実際に文字を書いてみると…タブレットの書きづらさというのが全くないですね。紙のような感覚で、スラスラ文字が書けます」
【キングジム 商品開発部・東山心慎司さん】
「今までずっと紙のノートを使っていた方に使ってもらえるようなもの作りたいっていう風に思っていたので、やっぱそういうアナログな感覚というか、そういうものにこだわって作った」
まるで紙のメモ帳のように使えるこのデジタルノートですが、メモや書類を最大8万7千ページ保存できたり、パソコンやスマートフォンとデータを共有できるなど、デジタルならではの機能ももちろん備えています。
開発した東山さんは、こんな時代だからこそ手書きに意味があると考えています。
【キングジム 東山さん】
「ホントに書くことで記憶に残ったりとか、キーボードとかで打つんじゃなくて、原点に戻って手書きすることで、生まれてくる何かがあるんじゃないかという風には思っています」
一方、飛ぶように売れているノートがあるということで、大阪の文具メーカーを訪ねてみると…
【コクヨ 開発本部・吉田慎平さん】
「中身のノートがこういう風に、グレーの原紙を使用したノートになっています」
【薄田キャスター】
「紙の色が白ではなく、グレーですか!?」
なんと灰色の紙を使ったこのノートは、白と黒のペンを使って書くことで、見やすくまとめられるんだそうです。
【薄田キャスター】
「へ〜!色を超えて、白と黒だけでここまではっきりと、違いを出せるんですね」
【コクヨ 吉田さん】
「そうですね。色情報が過多になって、逆に見づらいというようなことがあると思うんですけども、今回のノートは基本的には白と黒のみなので。より画面として整理されたように見えるというところがあります」
人間の目は、紙の色よりも暗い文字と明るい文字を、同時には読みにくいという性質を利用し、黒い文字に対し赤ペンなどで「強調」するのではなく、平等に「区別」することを目指したというこのノート。
白と黒が同じように映える紙の色を目指して、試行錯誤を繰り返したんだそうです。
【薄田キャスター】
「似たような色だと思うんですけど…あ、ちょっと薄くなるのか?」
【コクヨ吉田さん】
「そうですね。かなり絶妙な色合いの所で探ってますので。ホントにこうちょっと黒が見づらくなっていたりだとか。中間トーンを探るのはかなり(難しかった)」
【薄田キャスター】
「ホント絶妙な違いですね。でもこの中で見てもこれが一番見やすいですね」
一般公募で寄せられたアイデアをもとに、丸1年の開発期間を経て、今年6月に発売されたこのノート。
1冊990円という値段ですが初回生産分の1000冊はすぐに完売し、次回は8月中旬の出荷を目指しています。
【コクヨ吉田さん】
「従来のノートというのは、シンプルな商品が故に、『あまり変えるところがないんじゃないか?』だとか、『もう他に進化する箇所がないんじゃないか?』っていう話はあるんですけども、このようにまるっきり原紙ごと変えてしまうっていう所の発想がかなり斬新だったと思うので。外部のそういうアイデアを取り入れることによって、より柔軟な発想だったりとか、今回の『白と黒で書くノート』のようなちょっと今までなかったような商品というものが生み出せると、思っています」