【7/17(金)赤羽一嘉国土交通相】
「GoToトラベル事業につきましては、東京を発着する旅行を除いて今月22日水曜日から事業を開始する」
22日、いよいよスタートする「Go Toトラベルキャンペーン」。
いまのところ東京を発着する旅行は対象外となりましたが、予算総額は1兆3500億円。
苦境にあえぐ観光業を支援するため、国内旅行の代金の最大半額相当を1泊2万円を上限に国が補助するというものです。
8月からの予定を前倒し、まずは35%の割引が先行スタート。
何度でも使えるオトクなキャンペーンです。
【街の声】
「何度でも!?めちゃくちゃいいですね!」
「反対です。今進めるべきではないと思います」
新型コロナウイルスの感染者数の増加を受け、このキャンペーンに賛否両論が噴出する中、再起をかけ、戸惑いながらも準備に奔走する旅行業界。
【旅行会社社員】
「『GoToキャンペーンがはじまります!』っていう感じで急いでコースを作っているところです」
これからの時代の新しい旅の姿とは?最前線に迫ります!
【薄田ジュリアキャスター】
「京都・嵐山にあるこちらのホテル。GoToキャンペーンに対する懸念や不安の声があがる中で、ある取り組みを始めました」
嵐山駅から徒歩5分の場所に立つこのホテル。
しかし7月の客室稼働率はわずか20%。取材した日も宿泊者はありませんでした。
代表の松下さんはGoToトラベルキャンペーンで少しでもお客さんに戻ってきてほしいといいます。
――Q:今のコロナの感染者が増えている状況もあって、不安な方もいると思うが?
【ザ グランドウエスト嵐山・松下美耶代表】
「当ホテルでは、世の中どういう動きになるのかわからないので、お客様もすごく不安だと思うので、前日までキャンセル料が無料ですよというプランを販売しています」
せっかく予約をしても、状況が変わり行けなくなってしまうことも。
そこで心理的なハードルを少しでも下げてもらおうという苦肉の策です。
そんな中、有馬温泉では、23日から1ヵ月間、キャンペーンの開始に合わせ、イベントの開催を決めました。
今年改修を行った河川敷で行うビアガーデン。
こちらで新たに芸妓さんによるステージを行い、キャンペーンの利用者たちを有馬温泉総出で出迎える予定です。
感染予防対策には約300万円をかけました。観光協会の会議では…
【有馬温泉観光協会関係者】
「マスクとフェイスガード?必ずしないといけない?」
【有馬温泉観光協会・小林孝雄事務局長】
「できればしていただきたい。こちら側としてできるだけ安心安全を与えていただきたい」
しかし、キャンペーンに東京を除外する方針が示された直後から、やはりキャンセルが相次いでいるといいます。
【欽山 小山嘉昭 代表取締役社長】
「発表のあと(17日時点で)2件、東京のお客様からキャンセルの申し出があった。自分たちが東京から旅行することが心苦しいと」
いまの状況に戸惑いながらも、有馬復興の起爆剤にしたいと期待を寄せています。
【有馬温泉観光協会会長・金井啓修さん】
「我々もスタッフも不安ですけども、当然お客様も不安に思っていると思いますし…。常に前向きに行かなければ我々はどうしようもないと思っています」
大阪の街でも、キャンペーンへの賛否両論が…
【賛成】
「はい。賛成。ちょっとでもオトクに行けるならいいなって」
「僕はすごくいいと思います。既にもうそのつもりで旅行を予約しました。利用させてもらう側としてはありがたいんですけど、そんなに頂戴していいんだろうかという罪悪感はありますが」
【反対】
「やめてほしいなって思います。(コロナを)抑えるほうが先だと思います」
「行くほうはそこまで考えなくても、受け入れるほうはすごく気を遣うと思います」
「お盆に家族全員集まって岐阜に行く予定だったんですけど、東京に住んでる親戚がいて、旅行も中止になるかなと思って、いろんな影響が出てる…」
そんな中、こちらの旅行会社では、新たな旅の形を模索しています。
期待も、不安も…!新時代のバスツアーとは!?
――Q:キャンペーン前倒しされましたが…
【阪急交通社・バスツアー担当 八木佑樹さん】
「まさかこのタイミングで始まると思っていなかったので、コロナ対策も含めて確認することが多いので、どうしてもツアーを作るのに時間がかかってしまう」
【阪急交通社・バスツアー担当 高月奈津美さん】
「今までと同じ商品を急いで出せということとは話が違うので、どうしても誰もやったことがない商品づくりという形になるので」
これまで同様のお得感はもちろん、さらに感染対策による安心感を打ち出すことができれば、お客さんは戻ってきてくれるはず。
【阪急交通社・バスツアー担当 廣谷陽輝さん】
「(滋賀の)びわ湖テラスに関しても個人のお客さんが7割くらいまで回復してるって聞いてて。自粛期間が長かったんで、開放的な観光地が今の状況では受けがいいのかなと」
【阪急交通社・バスツアー担当 宮崎主さん】
「安心するねぇ。行きたい人は行きたいんやなって、待ってはるのかもしれないね。コロナ対策を全面に打ち出して安心感で来ていただく形かな」
7月、3ヵ月ぶりに再開されたバスツアーに、同行させて頂きました。
【添乗員】
「体温だけ測らせていただきます」
添乗員による体温測定から始まったこのバスツアーは、大阪から滋賀へ向かう、日帰りの『西国三十三所巡礼の旅』。
期待と不安が入り混じります。
(男性参加者)
「心配はありますわね~」
(女性参加者)
「一瞬キャンセルかなって考えたんですけど、結局いついけるかわからなくなってくるので…」
――Q:ツアーバスを運転するのは久しぶり?
【阪急観光バス ドライバー・佐々木宏さん】
「かなり久しぶりですね。観光バスが好きでバスの運転手なんで。約3ヵ月も運転しなかったのは今まで一度もなかったので今日ものすごい楽しみ」
【薄田ジュリアキャスター】
「皆さん、バスに乗り込む前に、手を消毒してから中に入っています。こちらの観光バス。定員49人に対して22人の方が乗車されています。乗客数を抑えて車内の密度を低くする工夫をされています」
マスク着用が必須となっているこのツアー。
対策の基本となっているのは徹底したアルコール消毒です。
ツアーの中で立ち寄る施設を選ぶときにも、感染防止対策の実施状況を確認し、対策の不十分な施設はツアーに組み込みません。
乗客を目的地へと送り出し、ドライバーはつかの間の休憩…ではなく車内をアルコール消毒。
ツアーを終え、車庫に戻った後にも、ドライバーが毎回1時間ほどかけて消毒を行っているそうです。
【阪急観光バス ドライバー・佐々木宏さん】
「いまバスもたくさん会社があるんで、よその会社に負けたくないと思えばこういうことをしないと。やってるということをお客さんに納得してもらえるのが一番いい」
ツアーは琵琶湖に浮かぶ竹生島にある西国第三十番札所「宝厳寺」へ。
【ガイドの男性】
「豊臣秀吉がご寄進という形になります。では一礼してお願いしていきましょう」
ガイドの男性が説明していますが、周囲にツアー客はまばら。
全員には聞こえていないようにみえますが…実はこれも新しい取り組みなんです。
【薄田ジュリアキャスター】
「みなさんイヤホンガイドを首から下げています。ガイドさんが大声で案内して飛沫を飛ばすことのないような対策だということです」
このイヤホンガイドを使うと、周辺100mほどにまで声を届けることが可能。
離れていてもみどころをしっかり案内できるよう、ツアーに導入しました。
【ツアー参加者】
「これで説明を聞いてくださいってことで。密にならんように離れて」
「聞こえすぎるくらい聞こえる」
また、バス車内でマスクをとって食べる弁当の提供はやめ、時間をとってサービスエリアなどでの、自由昼食としたことも対策の一環です。
【ツアー参加者】
「ちゃんとしてくださってるなっていうのは感じます。声かけしてくれるから安心できる」
「大丈夫です。しっかりやってくれてるので。自分も看護師なんで、ちゃんと手洗いとか(対策を)やれば大丈夫」
いまの対策で本当に大丈夫なのか-
もっとできることはないのか-
旅行会社の試行錯誤は続きます。
【阪急交通社・広報担当 明石純子さん】
それだけではまだまだ足らないということもありますので、さらにブラッシュアップして安全対策。楽しくおでかけいただくことで、さらに元気になっていただきたいとおもっています」