【薄田ジュリアキャスター】
「大阪市内の100円ショップに来ました。長い自粛生活が続く中で、このお店ではキッチン関連の商品が売れているそうです」
アイデア商品の宝庫、100円ショップ。
自宅で過ごす時間が増える中、人気となっているのが、料理やお菓子作りに使える便利なキッチングッズです。
【フレッツ関目店 倉本美保店長】
「基本的には通常でもキッチングッズは売れるんですけど、お子さんと一緒に楽しんで調理するような商品がよく売れています」
売れ筋を尋ねてみると…
【倉本店長】
「定番ではあるんですけど“小麦粉ふりふりストッカー”。調理するときに小麦粉を入れすぎることがある。これなら適量を振りかけるだけで調理できる」
「お菓子作りの関連でいうと“ふりふりクリームメーカー”。ホイップクリームは普通泡立て器を使いますが、容器の中に入れてシェイクするとホイップクリームができる」
中には、こんな商品も…。
【倉本店長】
「これは茹で卵を転がしてカットするだけでかわいくお花型に切れたりとか。これだったらお子さんにも簡単にできると思うので一緒に作れるかなと」
驚きのアイデアで料理を便利に楽しく盛り上げるキッチングッズ。
数々のヒットを生み出してきた会社が関西にありました。
それが、和歌山県海南市に本社を構える創業32年の小久保工業所です。
【小久保工業所 小久保好章社長】
「これが全部当社の商品となっています」
現在販売中の商品だけでも1000種類以上。
実はその8割近くは小久保社長のアイデアから。
いまや定番となった洗顔用の泡立てネットや二股の洗濯バサミなど、数々のヒット商品を生み出してきた超アイデアマンなんです。
【小久保社長】
「時代に乗った商品もいるけども自ら時代を作りたい。常に考えている、356日24時間」
楽しく!おいしく!簡単に! アイデア社長のキッチングッズ
こちらは「くるりんカッター」。
【小久保社長】
「ジャガイモの真ん中にプチっと刺します。あとはくるくると回すだけでトルネードのようにカットされます。これを串に刺してもらって油であげるとトルネードポテトができる」
キュウリもオシャレに変身。
プラスチックなので手を切る心配もありません。
そして、こちらは…
【小久保社長】
「おにぎリングという最近発売した商品ですが、まずご飯を入れ、もう一つの型で型押しします。底が押せるようになっているので押すと、ドーナツのようなおにぎりができる」
簡単に作れてアレンジも自由自在。見ためにも楽しめます。
【小久保社長】
「子どもの笑顔、家庭を笑顔にする商品を作ろうと。あんまり凝り過ぎると小さい子供だと使い方が難しい。小さい子供も簡単に使えるような、ひと工夫のある商品を作ろうと」
もちろん品質にもこだわり、商品のすべてが日本製。
このことが、コロナショックで海外の工場がストップする中、安定供給につながったそうです。
優しさにこだわった自慢のアイデア商品が巣ごもり生活のキッチンを支えています。
【小久保社長】
「やっぱり情熱というか、お客さんの笑顔を想像する。マンネリ化しない、退屈させないキッチングッズを作れたからよかった。子供さんとお母さんが一緒になってキッチン立っておかずを作ったりとかできる商品が多いので、多少は手助けになっているかなと」
一方、モノづくりの街・東大阪には、独特なセンスで売り上げを伸ばしている会社がありました。
【ライソン 柏原清享さん】
「これ、すごい今人気です」
「卓上で焼き鳥を温めながらアツアツを食べる。焼き鳥屋さんにはなかなか行けないのでご自宅で焼き鳥屋さん気分を味わえる」
ユニーク家電が大集合! 食卓を楽しく演出
2018年に誕生した家電メーカー・ライソン。主力は調理家電なんですが、これがとにかく斬新、奇抜なんです。
【柏原さん】
「こちらはラーメンを食べていただきたい方に即席ラーメンメーカーとして作っている鍋です」
「こちらは一人おでん。正直何にでも使えるんですけど、おでんを食べたい人に使っていただきたい」
「弊社は一点突破モノが多くて、大きなたこ焼きを作るためのモノですとか…」
【薄田キャスター】
「本当だ、ここでたこ焼きを作るんですか…お客さんからのニーズがあったんですか?」
【柏原さん】
「特になかったんですけど、世にないから出そうと」
なんと直径10cmの巨大なたこ焼きが焼ける、その名も「ギガたこ焼き器」。
通常サイズのたこ焼きを食べながら、焼き上がりを待ちます。
【薄田キャスター】
「すごい重み。いただきます。もっちりしてる、おいしい。みんなで食べるとすごく盛り上がりそうですね」
巣ごもり生活を盛り上げるユニークな家電が支持され、ことし4月の売り上げは去年の1.5倍に増えたそうです。
【柏原さん】
「やっぱり面白いと思うと共有したくなる。オンライン飲み会とかSNSの場合『変わったものがあったよ』とコミュニケーションにもなる。作ることも楽しんでもらえるような商品で需要も増しているかと」
遊び心を忘れず、自由な発想から面白いと思ったものを商品化。
その中で、3万台以上を売り上げたというヒット商品がこちらです。
【柏原さん】
「こちらは書いてあるままですが、ペヤングを焼くためだけのホットプレート」
―――Qなぜでペヤングだけ?
「カップ焼きそばってお湯で作っているじゃないですか。焼いてないよね?って話になりまして、実際にフライパンで焼いてみたら美味しいと」
ちなみにこのプレート、ペヤングを美味しく焼くことだけに特化しているそうで、『ほかの調理はお勧めできません』とのこと。まさにこの会社ならではの一点突破の商品です。
【ライソン 山俊介社長】
「基本的に大手がやっていない商品を企画しろとなると面白いに寄ってしまって外から見ると奇抜な商品に映るかもしれないけど、至って真面目に」
「人の生活がガラッと変わる転換期なので、うちみたいな小さな会社はピンチをチャンスに変えていくしかない。混沌とした世の中になったからこそ、尖ったものを出していけば刺さる人も増えてくるのかなと」