東京オリンピックの新種目、
3人制バスケットボールで日本代表入りを目指す藤髙宗一郎選手。
4年前に結婚した奥さんもまた、女子バスケットボールでオリンピックを目指す現役選手。
初めてのオリンピックへ。
藤髙選手は今、妻に負けまいと全力で日本代表の座をつかみ取ろうとしています。
190cmの身長に、類まれなる身体能力。
大阪エヴェッサ・藤髙宗一郎選手の売りは、この豪快なダンクシュート!
そんなプロのリーグで活躍する藤髙選手が「3X3」に挑戦しようと思った理由とは?
【藤髙】オフシーズンにコンディションを下げないために参戦しようと、
最初は軽い気持ちだったんですけど、始めてみたら楽しくて!
【服部】楽しいなと思ったのは、どんなところが?
【藤髙】1対1がたくさんできるところですね。
ただがむしゃらに「1対1がこんなにできるんだ!」というのが楽しすぎて、ハマっちゃいました。
「3X3」の見どころは、なんといってもスピーディーな試合展開。
こちらが藤髙選手のプレー。
ダンクを決めたかと思えば、すぐさまディフェンスに!
試合時間はわずか10分間。
1つのゴールをめぐって、目まぐるしく攻守が入れ替わり、選手は息をつく暇もありません。
そのハードさは、言うならば『10分間の短距離走』。
【藤髙】ずっと動き続けているんで、もう無酸素の状態でやってるのと同じですね。
最初はもう足動かなかったですね。しんどすぎて…
『こんなスポーツ嫌や』ってなりましたもん。おもしろいんですけど(笑)
現在、3X3の日本代表メンバーは10人。
ここから東京オリンピックに出場できるのは4人です。
藤髙選手は、代表に生き残るために、アピールを続けていかなくてはなりません。
【藤髙】もう焦ってますね、正直。
本当に誰が選ばれるか、分からない中で
自分のできることをたくさんアピールしないといけない。必死ですね。
そんな藤髙選手にサプライズ!
ある人からのメッセージを見てもらうと…
【藤髙】足元で分かりましたね。
【三佳】呼び掛けたりした方がいいですか?
宗くんって呼んでいます。宗一郎が長いんで。
こちらは藤髙三佳さん。4年前に結婚した藤髙選手の奥様です。
実は、三佳さんもバスケットボール選手で、
前回のリオデジャネイロ五輪には日本代表として出場。
得意の3ポイントシュートを武器に、20年ぶりとなる8位入賞に大きく貢献しました。
現在も名古屋を拠点に、現役選手として活躍し、
夫婦別々の生活で東京オリンピックを目指しています。
【三佳】全然会えない時は2ヶ月会えなかったりするんで、寂しいですよ、それは。
でも、連絡は取っているんで、生きているかどうかはわかります。
Q.藤髙選手のすごいところは?
【三佳】すごいのは、本当に身体能力がうらやましいぐらい凄いので、
それを使ったダンクとか、おーっとなります。
【藤髙】ホンマに思っているんかいな…
バスケットボール選手として、学生時代に出会い、
今もトップ選手として活躍するアスリート同士だからこその夫婦関係があるそうで…
【三佳】いろいろ察知できます。
試合とかちょろっと見たら、メンタルやられてそうやなとか。
選手同士やからこそ、今の多分、こうしたかったんやろなとか…
やりたくてやったミスじゃないのがわかるから、そこはドンマイという感じで
励ますというか、声をかけて、それ以上は何も言わない。
【藤髙】いやー、ありがとうございます。素直にうらしいです。
【服部】奥様が リオ五輪に出ていたのは見ていた?
【藤髙】見てましたね。めっちゃ不思議な感覚でしたね。
自分の奥さんがリオに出て、こんな活躍しているのを見て、
なんかもう『違う人なんかな』みたいな感覚にはなりました。
さらに『自分もこの舞台に立ちたいな』って気持ちも強くなりました。
奥さんに負けてくないって気持ちもありませす。
これまで藤髙選手が武器としてきたのが、
ドリブルでゴール下へと切り込んでいく、このプレー。
そして今、3X3の代表の座を勝ち取るために、
藤髙選手は、新たな武器を身につけようとしています。
それがこのアウトサイドから放つシュート
【藤髙】元々「足りないな』って思っていたのが、その外のシュート力だった。
やっぱり相手も、自分が打たないと分かってくるんで。
それだったら外のシュート力をつければ、自分のアタックはもっと生きてくる。
<全力東京…バスケ人生をかけた分岐点>
【藤髙】すごい周りもレベル高いですけど、自分も負けていない部分ってたくさんあると思うので。
オリンピックに出るのと出ないのとでは全然違うし、
そこで僕のバスケ人生がさらに変わってくると思うので。
『もう何としても、そこは出たいな』って思ってます。
ちなみに…アウトサイドからのシュートといえば、奥様・三佳さんの代名詞ですが…
【服部】外のシュートといえば、奥さんがスペシャリストですが、何か聞いたりは?
【藤髙】聞いてもアドバイスにならなかったです。
『お尻で打つ』って言ってたんですけど、
『どういうことや?』って思いましたね。
『シュートいって外すくらいやったら、もうダンク全部狙いにいったらいいやん』って
怒られたことはありました。
『そんな簡単ちゃうわ』って思いましたけど。