洛中に響く清らかな音色。
「平成女鉾清音会」の祇園囃子です。
いつか山鉾巡行に参加したい、そんな夢を抱いて20年以上活動を続けています。
伝統を重んじる祇園祭。その主役は男たちです。
清音会の日詰千栄さん。
観客の中にいました。
【日詰さん】
「20年やから、囃子方になって。20年見てると思います。今も観光客みたいなものですけどね。見てばっかり…」
すぐそこに見えるのに…
参加することができないもどかしさがあります。
1150年の伝統がある神輿渡御は、女人禁制です。
しかし、その神輿渡御に清音会が初めて招かれました。
【八坂神社中御座三若神輿会 吉川忠男 幹事長】
「女性の祇園祭への参加というふうな見方をすると、色々な見方がありますし、賛否両論あるのかも知れませんが。今後祇園祭に携わる方々を広げていく、担い手を増やしていくということが、これから1000年先の祇園祭を考える上で私は非常に大事なことだと思っています」
夢に見た舞台…期待が膨らみます。
祇園祭は終盤を迎えました。京の町のあちらこちらで、勇壮な男の世界が広がります。
清音会のお囃子が神輿に華を添えます。
祭りの横で見るだけでなく、祭りの中で奏でる喜び。
大きな夢に少しだけ近づきました。
【日詰さん】
「こんな晴れの舞台で神様と一緒に楽しめるって、本当にお祭りに参加したなっていう気持ちになります。恒例になるといいんですけど…」
令和最初の祇園祭。
移り行く時代とともに祭りの姿も、ゆっくりと、ゆっくりと変わろうとしています。