ー大阪府貝塚市の山中ー
新実アナ「農業用ハウスの中からスタートです。大変な雨になりまして、音がすごいんですけど、なぜココなんですかね?SNSと野菜…繋がります?(スマートフォンを渡され)この動画を見るんですか?」
SNSと野菜のつながり…、動画を見れば分かるらしいとのことで…、
新実アナ「(動画を再生すると)なんか女性が走ってきた。」
新実アナ「(動画を再生すると)なんか女性が走ってきた。」
動画「(ピンクのつなぎを来た女性)おはようございます!今日は貝塚市馬場地区にやってきました!幻の水なす『馬場なす』を見に行きます!」
新実アナ「この人はリポーターですか?(シーンが変わり)あ、なすび。綺麗なナスが並んでいる。なんですかね?この映像は?」
動画「(男性)皮が薄くてフルーティーなので、一度試して下さい。(男性と女性)まぼろし~」
SNSに…、幻の水なす…、馬場なす。謎は深まるばかりですが…。ビニールハウスの中を覗くと…、
新実アナ「いてはる。撮影されてます。動画の人や!おはようございます!」
『となりの畑』代表・山口沙弥佳さん(36)おはようございます!(Q.映像に出ていた方ですよね?)はいそうです。(Q.隣の男性とのご関係はか?)私は大阪野菜の宅配『となりの畑』という、地産地消で大阪近郊の朝どれの野菜を当日中に大阪市内のお客さんに届けるサービスをしてまして。」
野菜宅配『となりの畑』の代表・山口沙弥佳さん、36歳。大阪市内など、都心部に出回らない野菜を広めるべく、宅配事業を2年前にスタート。自ら大阪府内の農家さんへ直接仕入れに行き、その日の夕方に届ける、そんなビジネスを行なっているんです。
新実アナ「あのSNS動画は(お仕事と)どういう関係ですか?」
山口さん「ただ野菜を届けるだけだと、面白くない。せっかく近くの野菜が当日中に届くのであれば、ライブ感とか現場感を動画を流しながらお客さんに伝えて、”今採れました!届けます!”」みたいな感じの動画を配信していきたいなと思って。」
新実アナ「あの動画を、お客さんが朝方に見て、夕方にはその野菜が来るという感じですか?」
山口さん「そうです。」
山口さんは、仕入れと同時に必ず自分のスマートフォンで、採れたての野菜や農家さんのリアルな姿を撮影し、フェイススブックなどのSNSで即、配信します。
山口さん「よく『顔の見える野菜』とかスーパーに並んでるんですけど、写真だけだと伝わらない話し方とか人柄とか、畑の様子を動画で配信して、農家さんのファンづくりのお手伝いができたらいいなと。」
新実アナ「どう思われました?最初は?」
『畠農園』畠盛人さん(48)「ありがたいですよ。うちの知名度を上げてもらえるという。僕らには配達できない所まで行ってもらえるので。」
畠さんは、100年以上続く老舗の『畠農園』で、幻の水なす「馬場なす」を代々作られています。山口さんは畠さんの丁寧な仕事ぶりや人柄に惹かれたのは勿論、今や2軒しか作れないという「馬場なす」の味に感動し、取引を始めました。その特徴は…
新実アナ「すごい!コレ。(なすから水分が湧いてくるでしょ?)すごくみずみずしい。(ひと口食べて)うまいです!」
畠さん「それほど、なすびなすびはしてないでしょ?」
新実アナ「これが意外や意外、大阪市内にそんなに流通してないんですか?」
畠さん「それを今、山口さんが広めてくれている。」
現在、大阪市内を中心に50人ほどの方が利用。週1度の配送が基本で、それぞれのライフスタイルに合わせてコースを選択できます。
野菜は毎回決まっておらず、中には、とても珍しい生の国産「キクラゲ」や細長いなすびなど、何が入っているかわからないワクワク感も魅力のひとつです。収穫したら、袋詰めを市内の事務所で。そこにもお邪魔しました。
新実アナ「お仲間ですか?」
藤井忠さん「さすらいの料理人です。」
山口さん「彼が和食の料理人なので、料理人は食材のことを一番知ってるんじゃないかと、彼が野菜を探してきたりもしてくれます。」
新実アナ「そもそも、山口さんは野菜のプロなんですか?」
山口さん「いえ、私は農業と全く関係のないところで、実は金融業界。アメリカの証券会社で働いていて…(Q.会社を辞めたんですか?)会社は、倒産したんで…、2008年の何とかショックというやつで…」
新実アナ「リーマンショック?リーマン・ブラザーズですか⁉まぁ、すごいですね。」
10年前までは、東京・六本木でキャリアウーマンとして働いていた山口さん。結婚し産休に入っていた時に、会社が倒産。そこが人生のターニングポイントでした。現在は3人のお子さんを育てる働くママさん。この事業を始めたきっかけは?
山口さん「子供を持ったお母さんたちが通る道だと思うんですけど、子供に”安心安全”なものを食べさせたいと思うお母さんは多い。私もそういう風に悩んだ時期がありまして、安心安全って一言でまとめられても中々、難しいじゃないですか。それなら、もう自分で見に行こうと思ったんです。」
きっかけは、お子さんの為。そして、自分の興味の為。ご主人の転勤で神奈川から大阪へ来て、何の伝手もないまま、持ち前のバイタリティで飛び込みで大阪府内の農家さんを訪ね、自分が納得のいくまで野菜を探し回った山口さん。
山口さん「そうやってやっていると、農家さんが『持って帰り』と野菜をもらうんですね。1人では食べきれないのでママ友とかに配っていたら、すごい喜ばれて、『こんなに野菜って元気なの?』って喜ばれる機会が徐々に増えていって、『もっと持って来てよ!』みたいな感じになって、最初は1軒2軒という段階から、最終的には『集めて運ぶわ!』とスタートしたのがきっかけです。」
購入される方は、二人暮らしの夫婦や山口さんと同じくお子さんを持つ方も。1年前から利用されているこちらのママさんは…。
西岡真理子さん「ただ単に、野菜を届けて頂いているという枠を少し超えて、恩恵を受けているというか、見たことがない、聞いたことない野菜を入れていただけるので、どんな風に料理すればよいとかその都度、考えられるようになったので、私の”主婦力”も上げて頂いています。」
”大阪にはこんなに美味しい野菜があると知ってほしい”
その一心で、ここまできた山口さんのこれからとは…。
新実アナ「最終的には、どういうものを目指されるんですか?」
山口さん「「食事、何かを食べるということには可能性があると思っていて、今、”孤食”とか問題になってるじゃないですか、みんなで美味しいものをワイワイ食べられる。野菜を切り口にして、そういうシーンをで作っていきたい。”天下の台所”大阪ならではの、食を盛り上げる活動をしていきたいです。」