【街の声で振り返る平成の物価】
「バブルのおわりころやな、のみまわってた」
「毎日ミナミから樟葉までタクシーで1万で毎晩帰りよった」
空前の好景気に沸いた、平成元年と今の物価。まず最初の比較は・・・
【街の声】
「ガソリン高なりました。僕ら車乗った時90円くらいやったもんね、リッター」
「うちは兵庫県までいってます。コストコまで、コスト安いんで」
Q:家は?
「吹田です」
平成元年と今のガソリン代を比較すると…「23円」上がってました!
規制緩和でかなり安くなった時期もあり、今が余計に高くなったと感じる人も多いんじゃないでしょうか。
【街の声】
「スマホにかける料金はめちゃくちゃ高くなりました。1万円とか2万円」
「使ってた。分厚いパカっていう」
NTTの平成元年の携帯電話と最新スマートホンの値段!
当時はかなりの高級品で今の方が安くなったように見えますが、スマートホンになりインターネットなどの通信費は、毎月7000円増加しているんです。
これは平成の間で生まれた新たな出費ですよね
同じく平成に生まれたのが『新幹線のぞみ』。
実は、運賃がほとんど変わってないんです!!! 各段に本数が増え、値段を変えなくても利益をあげているんです。
【街の声】
「なんかあるか?」
「最近ピンとこないですね、ず~っとデフレが続いとったから」
「僕の男の値打ちが上がってるけどね。うなぎ上りやね」
「あ~、そうか、うなぎ上がったは!!」
「確かに」「ウナギはあがったね!
今回、最も多かった意見は「男の値打ち」ではなく食料品の値上げ。
【街の声】
「お肉が上がっているでしょ?お魚も上がっている。牛乳とか冷凍食品」
「おかし、食品でも同じ値段でもサイズが小っちゃくなってる。食卓の海苔あるでしょ、細くて丈も短い」
家計を直撃する食料品の値段。平成元年といまを徹底比較してみると…
【平成 食品値上がりランキング】
平成元年とイマで物価を比較。比較できる対象を基に抜粋し作成した値上がりランキングで1位はワカメ。
1位:わかめ 127円⇒288円 約2.27倍
2位:牛乳(200ml) 63円⇒140円 約2.22倍
3位:ようかん 130円⇒230円 約1.77倍
4位:いわし 57円⇒91円 約1.60倍
5位:うなぎ蒲焼 798円⇒1,257円 約1.58倍
※総務省(小売物価統計調査)を基に番組で作成
【こうしてワカメは高くなった】
国内生産量第3位を誇る徳島県鳴門市でワカメ一筋40年以上の会社、後藤弘樹専務に聞きました。
昭和時代、和食の定番「ワカメ」は小売店が値上げを嫌い、価格が上がらず、生産者は儲からなかった。平成に入り安価な中国産の輸入量が増え、生産者は価格競争についていけずに廃業が相次ぎました。
さらに東日本大震災で国内生産の約7割を占める岩手県・宮城県が被災。日本からワカメが無くなる…
そこでようやく「ワカメが食べたい」と需要が高まり、ようやく値が上がった。
【安田洋祐 提言】
物価比較で見えてきた安田先生の考える平成は…
『値上げより値下げ コストカット時代』
経済が成長している国なら毎年物価は上昇するもの。先進国と日本の物価上昇率をもとに計算すると、平成元年100円だったものは、平成30年では先進国が約273円なのに対し日本は約117円。先進国に比べ日本は明らかに物価が上昇していない。
平成のあいだの日本は、値上げできないジレンマを抱えながらコストカットを突き詰めた時代だった。
そんなコストカット時代の象徴と言えるのがスーパーなどが企画販売しているプライベートブランドです。
【プライベートブランドが安いワケ】
こちらは、大手スーパーが展開するプライべートブランド。あっちでもこっちでも、あえてメーカー品と並べて陳列していて、中には広告の品より安いモノも!
Q:籠を見たら牛乳も…
【お客さん】
「そうですね。同じ無調整の牛乳でもプライベートブランドの方がお値段優しかったので」
「毎日消費するものは買うこと多いですね。安いから」
バブル崩壊後の消費者の節約志向をとらえ、商品の種類は約20年で1800種類から6000種類と急増!現在は安さだけでなく、品質や環境にこだわったシリーズも作られ、幅広い客を取り込んでいます。
【薄田キャスター】
「豚肉に豚志望、糖類、調味料、内容はほぼ一緒ですよね」
皆さん一度は思ったことがあるはず!同じような品物でなんで安いの!?
【イオンスタイル堺鉄砲町 中田博紀店長】
「例えば一般的に向上の製造が比較的に少ない時間帯であるとか時期に作っていただくことでコストを抑えたり、店舗数のスケールメリットをいかすことでコストを抑える」
本来、様々な費用が積み重なり決まっている店頭価格。工場の閑散期に大量発注することで生産コストを抑えています。さらに、そもそも自前の売り場があるのでそこには広告宣伝費もかかりません。こうして大手メーカーと同じような品質でも低価格を実現しているんです。
【イオンスタイル堺鉄砲町 中田博紀店長】
「製造においても我々小売業にしかわからないような声を商品に生かしていますんでそういった意味でお客様に価値を提供できる。うちの会社にしかないものなので武器にできるかな」
【令和時代の物価】
安田先生の予想では、物流や人件費の上昇でコストカットは限界にきている。令和時代は緩やかな値上げとなり、勝ちに見合った価格が実現する。
ホテルや飛行機、最近ではUSJが導入した「ダイナミック プライシング(受給状況に応じて価格を変動させること)」が食品でも取り入れられるかもしれない。
海外ではAIを使って消費期限を読み取り自動で価格を変動させるという実験も行われている。AIを使うことでよりきめ細やかに価値に見合った価格を実現しやすい