全国の都道府県で初めての検証
【記者リポート】
「焼き鳥チェーンの鳥貴族豊中店に来ています。店内のこちらの箱、食べ残したものを入れるための専用の容器なんです」
店の入り口に大量に積まれた容器。
さらに、テーブルには「食べ残すんやったら持って帰ったらええや~ん」と書かれた、ポップも置かれています。
大阪府が、2月12日から、府内の6つの飲食店で始めた実証実験。
適切な量の注文などを促したうえで、どうしても食べきることができなかった場合は、専用の容器で持ち帰ってもらう試みです。
「持ち帰る」環境を整えたら、食品ロスは減るのか。
こうした検証をするのは、全国の都道府県では初めてです。
――Q:残すことある?
【来店客の女性】
「あります」
――Q:持ち帰りたいと店に言ったことは?
「ないです」
――Q:なぜ?
「持って帰らないのが普通という風潮があるからかな」
【来店客の男性】
「(容器を)置いてるだけなら正直利用しないかな」
――Q:なぜ?
「がめつい(と思われそう)」
持ち帰りしやすい環境作りへ
食べ残しなどで捨てられるいわゆる「食品ロス」は、国内で年間643万トン。大阪府の調査では、外食で食べ残した経験がある人は「62%」。宴会に至っては、「92%」にものぼります。
【大阪府 吉村洋文知事】
「お店の人に持ち帰るのを言いにくいことも考えられます。いろんな原因があって持ち帰りや食べきりが進んでいない状況。なので、この食べきりや持ち帰りをしやすい環境を作っていきましょうよと」
客には「注意事項」のカードを配布
これまで、飲食店は食中毒のリスクなどを考え、持ち帰りに消極的だったことから今回、客に「自己責任」であることや再加熱してから食べることなど、注意事項を書いたカードを配ることにしました。
中には早速、持ち帰る家族も・・・
【持ち帰りした客】
「やっぱりもったいないと思いますね。お店から『持ち帰りどうですか?』と言われたら持ち帰りたいですね」
「(持ち帰った料理は)あしたの朝ごはんとかですかね」
【鳥貴族商品部 高田哲也部長】
「会社の取り組みとして食物残渣、食ロスというのをできればゼロに近づけたいというのがございますので(実証実験の)結果が出次第、その方向性を決めて取り組んでいきたいと考えています」
実証実験は2月25日まで行われ、大阪府は、食べ残しの量の変化や飲食店側の課題を検証することにしています。