大阪府の交通死亡事故が全国ワーストになり、深刻な問題となっています。
■22年は大阪府で141人が死亡
大阪市北区の幹線道路で、信号を無視して直進する自転車の姿をカメラが捉えました。軽い気持ちで信号無視をすると、思わぬ大きな事故につながることもあります。
ある日の大阪府内の交差点で、バイクと自転車が衝突する事故が起きました。自転車が赤信号を無視して進もうとした結果です。
大阪府では2022年の1年間で、141人が交通事故で死亡しています。統計を取り始めて以来、初めて「全国ワースト」となりました。
今年もその状況は変わらず、11月27日の時点で134人が死亡。昨年をさらに上回るぺースです。
中でも、大阪市内で死亡や重傷となった交通事故の46%は自転車が関係するもので、その8割が交差点で起きた事故でした。
そこで、大阪府警は年末に向けて「自転車マナーアップ強化月間」を設定しました。交通事故が多い交差点20カ所に機動隊を配置し、対策に乗り出したのです。
【警察官】
「そっち逆走になります!自転車の運転手さん!逆走になります!上に上がってください!」
スピーカーを通して、逆走する自転車などに注意します。しかし、中にはイヤフォンを着用していて、その声が届かない自転車利用者も…。
この日は、自転車による信号無視が2件、指導警告は165件ありました。
悪質な自転車の走行はなかなかなくなりません。警察庁は今後、自動車のルール違反などと同じように反則金を科す「青切符」の導入も検討しているということです。
■ヘルメット着用の努力義務 大阪府は4.2%と低い着用率
もう1つ大阪府警が力を入れているのが、ヘルメットの着用です。
自転車と車の衝突実験の映像を見ると、車とぶつかった自転車が転倒し、地面に勢いよく頭を叩きつけられています。頭部を守るヘルメットの着用が重要ということです。
今年4月から、自転車での走行時にヘルメットの着用が努力義務となりました。しかし、大阪府の着用率はわずか4.2%と、全国平均の13.5%を大きく下回っています。
一方、ドライバーに対しては、こんな対策も始まっています。事故の多い交差点付近でより注意を促すために、ガードレールに反射板が設置されました。実際に車で走ってみると、車のライトに照らされて青い反射板が光り、運転席からよく見えるようになっています。道路脇を走る自転車との事故を減らそうという考えです。
今年も残すところあと1か月。楽しく年を越せるよう、ゆとりを持った運転や交通マナーが求められています。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月28日放送)