【岸田首相】
「来年の花粉の飛散時期が近づくなか、国民の皆さんの安全・安心の確保につなげるべく、必要な予算を確保して、着実に実行に移してください」
11日、岸田首相が取りまとめたのは「花粉症対策初期集中対応パッケージ」。
花粉のもとを減らすべく、現在、スギ人工林を年5万ヘクタール伐採するとしていますが、10年後それを年7万ヘクタールに増やすということです。また花粉の飛散予測の精度を上げるほか、花粉に体を慣れさせて根本的に花粉症を治す薬「舌下免疫治療薬」の製造も倍増させます。
国レベルで花粉症対策が進むなか、耳鼻咽喉科からはこんな注意喚起がされています。
【きたにし耳鼻咽喉科 北西剛院長】
「春は皆さん身構えて対策しますけれども、秋はそんなに対策していない方が多いと思いますから、かえって注意かもしれませんね。スギ・ヒノキと、秋の雑草と、あわせて(アレルギーを)持っている方が結構多いと思います」
注意すべきは、スギ花粉だけではなく、秋には、雑草も花粉を飛ばすのです。
“秋花粉”の代表例が「ブタクサ」。
小さな花が細長く連なった房が特徴的な外来種で、河川敷で多く繁殖します。
8月から9月にかけてよく花粉が飛ぶといいますが、今年は猛暑が続いた影響からその時期が遅れていて、まさに今ピークを迎えています。
きたにし耳鼻咽喉科には9月末から花粉症の症状とみられる患者が多くなり、この日の来院もひっきりなしです。
【男の子】
「鼻がつまっていたり、垂れてきたり、のどが痛くてイガイガする」
【きたにし耳鼻咽喉科 北西剛院長】
「秋ってやっぱり“秋花粉”が出る人もいるので、そういう傾向はややあるのかもしれませんね」
【男の子】
「公園で野球をしていて、草が結構あって」
【母親】
「家の横が河川敷で、いま風が通るから窓を開けていて、それかな」
淀川の河川敷でバーベキューを楽しむ人たちも“秋花粉”の侵略を実感していました。
【男性】
「めっちゃ鼻水出る。なんやろうなって」
【女性】
「目がヤバいです。目と鼻と、すごい…」
【女性】
「イネ科が…」
“秋花粉”の代表例イネ科の「ススキ」が淀川の河川敷にもたくさん生えていました。
“秋花粉”になった場合の治療は春と同じで、飲み薬や、腫れてしまった鼻の粘膜を焼く「レーザー治療」などで症状を和らげます。
【きたにし耳鼻咽喉科 北西剛院長】
「ちょうど“秋花粉”とかぜ症状が混ざっている季節なんでね。市販の花粉症の薬だけで様子をみているとかぜ症状が…ということもありえるので」
季節の変わり目で体調の変化の多い中、せめて“秋花粉”は防ぎたいと思われる人も多いかもしれません。
JCHO大阪病院耳鼻咽喉科 前田洋平医師によると「春と同じ対策に加え、草むらに近づかないことが私たちにできる対策である」と話しました。
秋の花粉症はどんな人でもなりうるといわれています。
また秋の花粉症の代表「ブタクサ」は春の花粉に比べ花粉の大きさが小さいことから、症状に“せき”が出やすいというものあります。花粉症の症状で熱が出ることはほとんどないので、そのあたりの症状で風邪と見分けてほしいとのことです。
(関西テレビ「newsランナー」2023年10月11日放送)