泉大津市では10月1日、だんじり祭りの試験びきが行われていました。
しかし開始直後…消防車が集まり、クレーンで何かを引き上げようとしています。
なんと引き上げられたのは、だんじりの法被を着た男性です。 いったい何があったのでしょうか?
【記者リポート】
「こちら事故現場なんですが、コンクリートが落ち、深さ2メートルほどの大きな穴が開いています」
10月1日、午後1時半ごろ泉大津市西港町で「川の上の橋が崩れて人が落下した」などと消防に通報がありました。
消防などによると、水路の上にしかれたコンクリートの板が崩落し、だんじりを観覧しようとしていた女性2人が約2メートル下に転落したということです。
また、2人を助けようとしただんじり関係者の男性2人も転落し、このうち1人は自分で上に上がることができましたが、残りの3人は消防に救出されました。
女性2人を助けようとして転落してしまった男性は…
【転落した男性】
「大きな音と、悲鳴みたいな音が聞こえたので、われわれ綱先(だんじりの先頭)にいた、役員の人が助けにいきました。コンクリートと鉄板が、そのままガーンと落ちていて」
男性は、自力で上に上がりましたが足を打撲したといいます。 市によると、転落した男性1人、女性2人の合わせて3人がけがをしたということです。
【転落した男性】
「手上げてもまだ上まで届かないと思います。(穴の大きさは)10人は入りますよ、相当大きな穴が開きましたからね。比較的若い女性の方は前歯が折れて、頭から血が流れてた。もう一人の女性の方は腰から下の打撲と、頭も切ってましたね。(工事を)すぐにやり直してほしいね」
市によると、水路の上にしかれたコンクリートの板は、歩道用として、市が40年ほど前に設置したということで、現在も市が管理しています。
普段は、近道として使われることが多いというこの通路は、自転車や自動車が通行止めになるだんじり祭りのとき、特に利用する人が増えるといいます。
‐Q:通ったりする?
【近所に住む人】
「します。よく抜け道で」
‐Q:危ないって思ったりする?
【近所に住む人】
「全然普通やん?こんなとこ抜けるんやって。怖いなあ」
ただ、市によると点検などはこれまで行われていなかったといいます。
ここに50年近く住んでいるという男性は…
【近所に住む男性】
「(穴が)空いてるで。ここ通ったら危ないで。(自分が)小学校の低学年くらいからフタがされた。それからずっとメンテナンスされずにいましたね。全然気にせずに渡ってました。これずっと向こうまで続いてるんですよ。たまたま向こうの道通ってて、こっちも危ないよねって話してました」
近所の人によると、転落した場所の他にもコンクリートにひびが入っていたり、湾曲している箇所があるということです。
‐Q:手前の湾曲してるのは気付いた?
【近所に住む人】
「全然、気づかなくって、今落ちたからここも落ちるかなっていう。これはもう、市の問題やなと思いました。かなり老朽化してますんでね。年に一回でも安全点検していただけてたら、こんな事故にはなってないんじゃないかなと」
泉大津市によると老朽化などが崩落の原因とみられ、当面の間、通行を禁止するということです。
‐Q:定期的に点検していなかった理由は?
【泉大津市土木課長 小柴正行さん】
「理由自体はない。今回このような事故があったので点検させていただくということで見ていきたい」
‐Q:点検するうえで、人・お金だったりの難しさは?
【泉大津市土木課長 小柴正行さん】
「それもやっぱりありますね。事故が起こったことで、けがされた方もいるので申し訳ないと思っています」
市によると、同じような形状の通路は市内に約20カ所あるということで、今後、緊急の点検を行うことにしています。
(関西テレビ「newsランナー」2023年10月2日放送)