大阪市内にある住宅展示場です。1歳の男の子を連れた家族が、モデルハウスを訪れました。
【家族連れ】
「吹き抜けや」「吹き抜けいいな~」 「見てほら!このお風呂がいい」「いいな~こんなお風呂初めてみた。めっちゃいいやん」
1歳の男の子も笑顔です。この30代の夫婦は都心で利便性の高い住宅の購入を考えています。
今、住宅の購入を検討する人が増える一方で、そうした人たちを悩ませているのが、住宅価格の高騰です。
国土交通省が毎月公表している不動産価格の動向を見ると、10年前から住宅全般の価格が上昇傾向になっています。特にマンションの価格は、約1.9倍と急激に上がっています。
不動産経済研究所によると、近畿圏で今年の上半期に売り出された新築マンションの平均価格は4774万円となっており、バブル期が終わった1991年以来の高値の水準です。
この高騰の理由として、資材費や人件費が上がっていることに加えて、買う側が将来、売る時のことを考えていて、都心や駅の近くなどの需要が高まっているということです。
大阪府箕面市では…
【記者リポート】
「2024年開業する駅から徒歩3分の場所には、30階建てのマンションが建設中です」
新しい駅の目の前という好立地で、2025年に完成する予定の高層マンション。平均価格は7600万円台で、最上階のお値段はなんと3億2500万円ですが、すでに売却済みです。ほかの部屋も順調に売れているということです。
こういったマンション需要に押される形で、一戸建てや中古住宅も軒並み値上がりしているのです。
大阪市北区にある「オープンハウス」のショールームでは、今年のお盆明けから購入の相談が増えてきたといいます。
【20歳代】
「大阪市内で考えていたので、あと駐車場が大きいところがいい」「おウチが広くなるとか」
【オープンハウス関西営業部 亀田眞吾課長】
「インフレだったり家賃の上昇があって、そろそろ家を買おうかなという方が増えてきたという認識ですね。この1年、2年の単位でみると(価格は)まだまだ上昇すると思うので、直近で購入したいと方にとってはおもとめやすい価格になっている」
一方で、こんな心配の声も…
【住宅購入を考えている夫婦】
Q家の買い時は気にしてますか?住宅ローンの金利とか?
「めっちゃ気にしてます。今やはりどこを回っても、来年から上がりますよとかどこも言われるので…」
Qでは今がまさに買い時?
「遅かったかな」「こっちからしたら遅いかな」
住宅を購入する際多くの人が利用する住宅ローンですが、今、その住宅ローンの「固定金利」が上がっているのです。
その背景にあるのが、日銀の金融緩和策の変更です。
2022年末に黒田前総裁が、これまで極端に低く抑えてきた長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。さらに今年7月、新たに就任した植田総裁が事実上1%までの上昇を認めました。
こうしたことから、大手の銀行で住宅ローンの「固定金利」を引き上げる傾向にあるのです。
今後、さらなる金利の上昇はあるのか?
注目されたのが、22日の日銀の金融政策決定会合です。
【日銀 植田和男総裁】
「日本銀行としては内外の経済や金融市場の不確実性が極めて高い中、経済、物価、金融情勢に応じて機動的に対応しつつ粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇をともなう形で2%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現することを目指していく方針です」
大規模な金融緩和策の修正はせず、7月に引き上げられた長期金利の上限も据え置きとすることになりました。
住宅ローンの固定金利が上昇傾向にあることについては…
【日銀 植田和男総裁】
「上昇幅も限定的ですし、また固定金利で借りてる方の比率もそれほど高くないという現状ですのでマクロ的な影響は限定的と考えている」
(関西テレビ「newsランナー」2023年9月22日放送)