動画で話題“よく見かけるのにしゃべらない”“どこか気まずい”パパ友関係 そんなパパの一歩を踏み出す手助けのイベント開催「パパの会」 参加者は「そういう関係が増えるとうれしい」 2023年08月18日
大阪市北区のキッズプラザ。
夏休みを満喫し、楽しそうに遊ぶ子どもたちのそばには、パパの姿も目立ちます。
お友だち同士で来たのか、仲良さそうに話すママたちの姿がちらほらあります。
一方でパパたちはと言うと…子どもたちと遊び終わったら、一人でポツンと座っていたり、うとうとしちゃったり…そんなパパたちのリアルな日常を描いた動画が今、話題となっているんです。
「パパたちの関係はおもしろい、よく見かけるのになぜかしゃべらない、初めましてでもないけど知り合いでもない、パパ同士なのにどこか気まずい」
お互い子育てを頑張っているのに、なぜか「無言」のパパたち。
街のパパたちにこの動画を見てもらうと…
【30代(子ども8歳・5歳)】
「実際ありますね、ありますあります。お母さんたちは仲良いから話してるんですけど、お父さんは(ぺこっ)みたいな感じ」
【40代(子ども9歳・10歳)】
「父親同士で話をするのは…あんまりないですね」
【30代(子ども1歳)】
「なかなか声かけられず、そのまま見て見ぬふりみたいなのありますね」
と、共感の嵐。
実はこれ、サントリーのCMなんですが、子育て世代の「共感」をキーワードに制作したといいます。
■父親同士の絶妙な距離感を表現
【企画担当 北恭子さん】
「私自身は子どもがいなかったり、結婚していなかったりするので、子どもがいる家庭の人たちが、どういうことを日頃感じているんだろうとか、思ってるんだろうっていうのを最初にすごく聞きました」
制作には自身の実体験が活かされたというメンバーも…
【企画担当 三浦慎也さん】
「またこの人サッカーやらされてるわとかは分かるけど、どこの誰とも分かんない、会釈もしないけど、なんか知ってるみたいな。外に出ると、僕が親代表になるじゃないですか、変なこと出来ないんですよ、絶妙な距離感で当たり障りのない過ごし方をしてしまっている」
なぜ”無言”になってしまうのか?父親の育児について研究する専門家は、育児のスタイルが、「過渡期」を迎えているからだと分析します。
■気持ちはあるけど、もう一歩踏み出せない
【大阪教育大学 小崎恭弘教授】
「父母が主体となって一緒に子育てをしていくっていうのと、母親が育児の主体となっている、ちょうどこの間で、父親が少し育児に関わっていく。この真ん中に今あるのではないかなと思いますね。まだまだ父親がメインではないので、ちょっとこう控えめな感じとか、視線を送って何も言わない、まさに無言っていうのは、気持ちはあるけど、もう一歩踏み出せない状態」
■パパたちが一歩踏み出すためのイベントが開催された
そんな悩めるパパが一歩踏み出すためのイベント「パパの会」が、18日、兵庫県川西市で初めて行われました。
これは、これからパパになる人や生後6か月までの赤ちゃんがいるパパの交流会です。
今回は5組の親子が参加しました。
「今育休を取らせてもらってるんですが…」
「僕も育休取ってます」
「今、育休を取っている方がいっぱいいてびっくりしました。僕は取っていないので、周りのお父さんが取ってる取ってないを知らないので今聞けて良かった」
さらに日ごろの育児について共感する場面も…
「(ミルクを)飲んでる途中に寝ちゃわないですか?」
「寝ちゃいます!」
「ほんで起きて、また『(ミルクを)くれ』みたいな」
「さっき寝たやん!みたいな」
日頃感じている育児のちょっとした悩みを打ち明け、会話は途切れることがありませんでした。
【4カ月の赤ちゃんのパパ】
「会社の人とはそういう話がなかなかできなかったのでこういう機会があってよかったです」
【3カ月半の赤ちゃんのパパ】
「分からないことが多いので、妻とも悩みながら調べたりとかして。解決しなくても話せる場がけっこうないと思う。そういう関係が増えると心のよりどころ的にうれしい」
最後は連絡先を交換して、すっかりパパ友になりました。
「パパの会」をつくったきっかけについて、主催者は…。
■パパ友を作っていくことが当たり前の世の中に
【川西市子育てコーディネーター 山本敬子さん】
「(川西市内の)パパの方から、『パパも色々悩みを持っている、パパも愚痴をいいたいこと、不満に思うこともある。でもそういうことを言う場もないし』という話がありました。パパもどんどん、パパ友を作っていくということが当たり前の世の中になってほしいと思います」
育児に励むパパたち。
悩みがあったらまずは身近なパパたちに話しかけてみませんか?
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月18日放送)