16日、関西空港に到着した大勢の中国人観光客。 中国は先週、日本への団体旅行を約3年半ぶりに、解禁しました。 しかしまだ解禁から間もないため、今回は団体ビザではなく、個人ビザを持つ人たちが集まった団体旅行だということです。
一夜明けて、一行がまず向かった先は大阪城です。
【中国人観光客の男性】
「初めて来ました。(Q.日本はどうですか?)いいですね清潔で」
【中国人観光客の二人組】
「初めて来ました」
「おすしや刺し身などの、日本食に興味があります」
初めて日本に来た人がいる一方で…
そんな時間もつかの間、一行はわずか40分ほどで大阪城を離れて奈良へ。 そして奈良に1時間ほど滞在した後、京都を観光するという弾丸ツアーを堪能していました。
一方、中国人観光客の買い物スポットでもある大阪・ミナミで、話を聞いてみると…
【中国人観光客】
「化粧品と薬とおやつを買いました」
「みんなでいくら使ったかわかりません」
【中国人観光客】
「14日間で予算は3~4万元です。交通費とホテル代がけっこうかかっています」
【中国人観光客】
「予算は3万から4万人民元です」
1回の旅行で日本円にして60万円から80万円使うという人も。
ミナミの免税店は、団体旅行の解禁を待ち望んでいました。
【ラオックス道頓堀店 店長】
「すごく期待しております。中国のお客さんが解禁されたら(中国人観光客を)ターゲットの商品を準備していて、食品・理美容品、化粧雑貨が中心になります。高価なブランドバッグも富裕層の方々に買ってもらえると思います」
■中国経済が危機的な状況
中国からの団体旅行解禁でいわゆる”爆買い”に期待したいところですが…
実は今、中国経済が危機的な状況を迎えているのです。 SNSに相次いで上げられているのは…その名も「死亡卒業写真」です。 大学を卒業した人たちが死んだふりをして写真を投稿。 その背景にあるのは、”史上最悪”の就職難です。
16歳から24歳までの都市部の若者の失業率が6月には21.3%と過去最悪を更新しました。すると、中国政府は15日、今月から若者の失業率の数値の公表を取りやめることを発表したのです。
在学中には厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」で苦しめられ、卒業した後は”ゼロ職場”に直面することになった若者。
上海で話を聞くと…。
【フリーランスの女性】
(Q.現在の雇用状況は?)
「良くないです。企業の一時解雇があると友人から聞きました。景気が良くないからでしょう」
【不動産業の男性】
「コロナが始まってから友人たちが次々と失業しました。友人同士の会話などから若者たちが非常に大きなプレッシャーを感じていると思いました」
中国で深刻化する不景気。 実はこの不景気こそが日本への団体旅行を解禁した一因になったともいわれています。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月17日放送)