2023年、72歳でこの世を去った稀代のミュージシャン・もんたよしのりさん。
音楽への妥協を許さず、最後まで歌い続けた在りし日の姿が、ふるさと・神戸での追悼コンサートで復活しました。
■神戸で行われた追悼コンサート
3月3日、もんたさんがこよなく愛した神戸の海にほど近いホールに、およそ600人のファンが集いました。
1980年、「もんた&ブラザーズ」のボーカルとして、喉をつぶして歌った「ダンシング・オールナイト」が一世を風靡しました。数々の音楽賞を受賞したもんたさん。
1990年代には、報道番組のMCとしても活躍していました。
【もんたよしのりさん】「(被災した神戸を訪れ)ここが、俺が子供の時に住んでたとこやねんけど。きれいに何にもなくなってもうたね」
1995年の阪神・淡路大震災で傷ついたふるさと・神戸で、1万人のチャリティーコンサートを開催。
音楽で多くの人を魅了してきました。
そんな中、2023年10月、大動脈解離で突如、72年の人生を閉じたのです。
3月3日に行われたのは、最初で最後のフィルムコンサートです。在りし日のもんたさんと、会場のファンやミュージシャン仲間たちが共に歌いました。
【旧友 DJマーキーさん】「なんか、もんたがまだ亡くなったという実感があるような、ないような。曲が流れればもう、すぐにそこにいるような」
発展途上国を中心に世界中を旅し、時代を感じ続けたもんたさん。人生最後まで曲を作り、歌い続けました。
■ファンの目に涙…「笑顔で送ります」
【もんたよしのりさん】「自分の人生、若い時の一日も、歳いった今日も、同じ一日やん。おいらは、おいらなりに勝手に自分の美学の中で、日々前進していきましょう」
追悼フィルムコンサートでは、MCも含むVTRが上映され、もんたさんが歌う音源とバンドの生演奏とのコラボも。
中でも、遺作となった楽曲「グッバイブラザー」には、「最期の最期は笑って送ってくれ」と、もんたさんならではの“人生の閉じ方”への思いがつづられています。
会場では、涙を流すファンの姿も多く見られました。
そんな感動に包まれた公演の後…。
【訪れたファンの男性】「かっこよすぎます。感動しました」
【訪れたファンの男性】「ちょっと涙が…」「でもグッバイじゃない、また会いましょう」
【親子で訪れたファン】「小さい頃から家でかかっていて、聞いてたんで」「中学からファンだったので感動しました。すごく良かったです」
【訪れたファンの女性】「『笑顔で送ってくれ』ってもんたさんが言うから、笑顔で送ります」
多くの人に愛されたもんたさん。家族にとってはどのような存在だったのでしょうか。
【もんたさんの娘 こむぎさん】「歌詞が本当に、日記ですか、みたいな。“言いたいこと全部、そのままストレートに詰め込みました”みたいな」
「父としては、本当に最高の親友っていう。何でも話し合える、何でも言い合える良き友であり。あんまり父親らしくはなかったかな」
稀代のミュージシャン・もんたよしのり。音楽と旅に捧げた人生でした。
(関西テレビ「newsランナー」2024年3月4日放送)