児童・生徒に新型コロナの感染が相次いでいることから、大阪市立の学校では1日から休校の基準を厳しくしました。
大阪市ではこれまでクラスの児童・生徒のうち2割ほどが感染したり濃厚接触者となったりした場合は、学級閉鎖をしていました。
1日からは、クラスに2人以上の感染者が出た場合、あるいは、感染者が1人でも濃厚接触者が2人以上いれば学級閉鎖となります。
さらに、こうしたクラスが2クラス以上で出たら学年閉鎖、2学年以上で出たら5日から7日ほど休校にします。
【大阪市内の中学校の校長は】
「私自身は、厳しくなるのは当然のことだと思います。でも、内容を進めないといけない。特に3年生は受験が迫ってきますから、その中で我々がサポートできることをしっかりしていきたいと考えています」
■濃厚接触者の「調査待ち」で長引く休校
一方で、この基準とは別の理由から休校が長引いている学校も出ています。
【休校を経験した大阪市内の中学校長は】
「まさか(学校再開が)3日から5日(遅れる)なんて、遅くとも週明けの月曜からは再開できる思っていた」
大阪市のこの中学校では、始業式が行われた8月25日に教員の感染が判明。
しかし、学校を再開できたのは6日後の8月31日になってからでした。
【大阪市内の中学校の校長】
「(休校した3日分の)18時間の授業が飛んでしまったことになりますから、これを取り戻すのが本当に大変になってくる」
大阪市立の学校では、1日時点で、全体の約2割にあたる小学校で47校、中学校で29校が休校をしています。
学校での感染が判明した場合、一旦休校させ、区の保健福祉センターが濃厚接触者の調査を行いますが、保健所が患者へ連絡し、学校の児童・生徒と判明してからでないと調査が始められません。
第4波の頃は、早ければ翌日には調査を済ませることができていましたが、感染者がさらに増えた今では、保健所がひっ迫し、患者への連絡が遅れ、区への依頼に時間がかかり、多くの学校で「調査待ち」の休校が続いているのです。
■自民党の提案に松井市長は「周回遅れ」
第4波を経て大阪市保健所は、患者への連絡を2日以内にとるとして、体制を強化しましたが、限界とされている大阪市内での新規感染者数1000人を超える日々が続き、すでに患者への連絡に4日ほどかかるケースが出ています。
増え続ける学校の休校に、8月31日、自民党市民クラブ大阪市議団は、市の教育委員会などに緊急要望を行いました。
【自民党市民クラブ大阪市議 前田和彦議員】
「疫学調査に本来であれば、当日翌日入るわけですが、それが3日から7日疫学調査に入れていない」
調査待ちの休校が長引いている状況を受け、要望では、学校の濃厚接触者調査をおこなう専属チームを設置し、効率的な調査をすることを求めましたが、松井市長は…
【大阪市 松井一郎市長】
「自民党の提案なんて周回遅れですよ。専門職、保健師なり看護師なり50人、100人と自分たちで連れてきてもらえるならいいと思いますけど、疫学調査をなんとかもう少しスムーズにやれる方策を保健所と学校とで協議してもらっているところです」
安全と教育を両立させるため、休校はどのようなあり方が望ましいのでしょうか。
(カンテレ「報道ランナー」9月1日放送)