死因が分からない遺体を調べたところ、「コロナで亡くなった」と診断された事例が大阪市内で4月から急増していることが分かりました。
調査を行った医師がメディアの取材に初めて応じ、気づかないうちに死に至る「第4波」の恐ろしさを語りました。
【大阪府監察医事務所・吉田謙一 監察医務監】
「気づかれないところで亡くなっているのがかなりいるのではないかと4月の分析で見えている。報道を聞いているだけよりも、私たちが日々こういう仕事をしていて本当に怖いと思います」
こう危機感をあらわにしたのは大阪府監察医事務所の吉田監察医務監です。
事務所では大阪市内を対象に、自宅で発見された遺体や救急搬送されるも死亡が確認された遺体などの死因を調査していますが、4月から大きな異変が。
【吉田謙一 監察医務監】
「医療機関にたどり着く前に亡くなってしまったとか、救急車で運ばれた時には助からない人が増えていることが見えています」
「コロナ死」と診断した遺体が急増しているのです。
今年3月までの1年あまりで14人だったのが、4月の1カ月だけで20人に上りました。
また、亡くなった20人の状況を詳しく調べると、ある特徴が浮かび上がりました。
【吉田謙一 監察医務監】
「3月までは肺炎であっても経過がそんなに早い認識なかったんですが、(4月以降は)発症から亡くなるまでの経過が非常に早いということに驚いています」
発症から死亡までの平均日数は約6日で、吉田監察医務監は「重症化のスピードが変異ウイルスの影響で早くなっている」と感じています。
また、6人は何らかの活動中に倒れて死亡するなどしていて、「医療を必要と判断する間もなく死に至る事例も目立っている」と指摘しています。
【吉田謙一 監察医務監】
「予想していないような亡くなり方をしている。家族の前でミルクを飲もうとしてそのまま倒れて救急搬送されて死亡が確認されたとか、相当危ないという意識を皆さんが持たれないといけない」
また、20人のうち高血圧、脂質異常症、糖尿病の人が多かったということで、吉田監察医務監は「生活習慣病の人などは特に注意が必要だ」と話しています。