【全文】「言いようのない違和感を覚えました」「むなしさを禁じ得ません」 辺野古沖転覆事故で命失った武石知華さんの両親 学校側が“7カ月半ぶり”に開いた会見についてコメント11月02日 21:46
ことし3月、沖縄県辺野古沖で修学旅行中の同志社国際高校の生徒を乗せた船2隻が転覆し、高校2年だった武石知華さん(当時17)と、別の船の船長が死亡した事故で、10月30日に学校法人・同志社が約7カ月半ぶりに開いた会見について、武石さんの両親が「むなしさを禁じ得ません」とコメントしました。
■修学旅行に使われた「抗議船」転覆
ことし3月、沖縄県辺野古沖で修学旅行中の同志社国際高校の生徒を乗せた船2隻が転覆しました。
この事故で、学校との窓口になり船を操縦していた金井創船長(当時71)が死亡。
別の船に乗っていた高校2年の武石知華さん(17)も死亡しました。
当時、波浪注意報が出ている中、2隻はそれぞれに生徒たちを乗せて出航。先に金井船長が操縦する船が転覆しました。そして武石さんを含む生徒を乗せた船の船長が助けに行こうとした際、その船も転覆したということです。
2隻とも遊覧船ではなく、日ごろは辺野古沖への基地移設に反対する市民団体が「抗議船」として使用しているもので、旅客の運送に必要な許可は取っていませんでした。
■事故翌日から約7カ月半 “調査報告”など受けても一切会見を開いてなかった学校
この事故で、学校側は事故翌日に事故状況の説明などの会見を開きました。
その後、第三者委員会が学校の安全管理体制の不備が事故の最大の原因と指摘する報告書をまとめ、文部科学省が政治的活動を禁じる教育基本法に違反しているとして改善を求めるなどしたものの、一切会見を開いてきませんでした。
そして10月30日、約7カ月半ぶりに開かれた会見で、事故後初めて学校法人「同志社」の八田英二理事長が公の場に現れ、安全管理体制の不備を指摘した第三者委の報告について「認識に齟齬はない」、教育の中立性について「問題があった」とし検討委員会を設置したことなどを説明しました。
事故や安全への向き合いや、事故翌日の会見以降“沈黙”してきた姿勢について質問が相次ぎ、会見は約5時間に及びました。
■武石さんの両親がコメント公表「言いようのない違和感を覚えました」
この会見について、知華さんの両親がコメントを公表しました。
【コメント全文】
3月17日以来、7カ月半を経て、ようやく開かれた会見でした。
言いようのない違和感を覚えました。その原因は、今日(※10月30日)の会見の内容もさることながら、より根本的にはこれまでの沈黙にあると感じます。
第三者委員会の設置、5月の文部科学省の見解、刑事告訴と家宅捜索、7月末の調査報告書、9月の教育に関する検討委員会の設置決定。説明すべき節目は、いくつもありました。
その節目ごとに会見を開き、説明を重ねていれば、議論は段階を踏んで深まり、報道の方々が知りたいことと、学校が説明したいこととの隔たりも、少しずつ縮まっていたはずです。7カ月半の空白を経た問いは、お互い、一度の会見などで消化できるはずもありません。
そのときどきに語るからこそ、伝える気持ちや誠実さもあったのではないかと思います。時期を過ぎれば、どこか別の世界で流れているような、そんな会見にも感じてしまい、むなしさを禁じ得ません。
学校法人と学校には、説明責任を果たすということはどのようなことなのか、これまでを振り返り、もう一度真剣に考えていただきたいと思います。