「攻撃者はプロではなくAI利用の“素人”か」専門家 GMOサイバー攻撃「身代金の減額や丁寧すぎる脅迫に違和感」指摘10月28日 20:04
GMOへの不正アクセスを巡リ、個人情報が公開された問題。
GMOによると、28日、攻撃者側のサイトのドメインが停止され、アクセスできなくなったと発表しました。
事態は収束に向かうのでしょうか。
サイバーセキュリティーに精通している、日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸氏は「これ以上このペースで個人情報を公開することはないだろう」としながらも、リスクが完全に消えたわけではないと指摘します。
さらに、攻撃者像については「プロではない素人の可能性が高い」と話しました。
■GMO「攻撃者とみられる者からの要求に永久に応じない」
20日、GMOはFXサービスで不正プログラムを確認。
攻撃者側は脅迫メールで身代金およそ80億円を要求しましたが、身代金をおよそ1億6000万円に減額して要求。27日、1人の個人情報とみられる情報を公開しました。
GMO側は「攻撃者の要求には応じない」としており、28日午前4時ごろ、攻撃者側のサイトについて、インターネット上の住所にあたるドメインが停止され、アクセスできなくなったと発表。正午になっても新たな個人情報の公開はありませんでした。
攻撃者側は27日、真偽不明の1人の情報を公開しました。氏名、職業、口座番号、生年月日、電話番号などが含まれ、毎日正午に順次公開するとしていました。
2人目の情報が公開されなかったことについて、杉浦氏は「サイト自体は順次止まっていき、攻撃側のサーバーも停止を確認しました。2人目の情報を公開する手順を踏めなかったのではないか」と指摘しました。
■「素人っぽい侵入 丁寧すぎる脅迫」という違和感
杉浦氏によると、「今回の攻撃は、これまでのサイバー攻撃と比べて違和感がある」といいます。「侵入の仕方が素人っぽく、脅迫の仕方が丁寧すぎる」という点です。
【杉浦隆幸氏】「ランサムウェアを使う攻撃グループは、完全にビジネスとして動いている。身代金をここまで減額したり、丁寧に脅迫したりはせず、テンプレートをそのまま出して終わりというのが一般的です。このようなサイトを準備することもまずありません」
そのうえで、「プロではない素人がGMOに侵入した可能性が高い」と分析しました。
さらに杉浦氏は、「ITの知識が多少あって、AIに聞きながらやっている可能性が高い。特にこのサイトは、AIで作っているサイトだということが丸分かりです」と指摘。
■相次ぐ情報漏えいとは「全く違う」特殊なケース
GMOを標的にした情報漏えいについて、杉浦氏は「かなり特殊なケース」だと話します。
【杉浦隆幸氏】「攻撃手法もビジネスの仕方も、丁寧なサイトの立て方も、かなり特殊です。グループもしくは個人である可能性が高いです。
現在相次いでいる情報漏えいは、AIが自動的に攻撃し、標的もAIにランキングを出してもらうような形でした。今回はランサムウェアをやったことがないような人たちが脅迫しているので、通常とは全く違います」
また、同様の手口が他でも起きる可能性については、「このようなシステムを提供している会社はそれほど多くなく、同様のシステムを使っている会社は今回の攻撃を受けて対策をするだろう」との見方を示しました。
■GMOは政府に「能動的サイバー防御」の適用を緊急要請
GMOは政府に「能動的サイバー防御」の適用を緊急要請しています。
木原稔官房長官は「被害企業等とも緊密に連携を取り、情報提供を受け、そして必要な対応をスピード感を持って行っているところ」と述べました。
杉浦氏は、政府としてできることは限られるとしつつ、別の効果を挙げます。
【杉浦隆幸氏】「警察やGMOの立場をうまく利用して被害を分かりやすく宣伝することにより、海外の事業者が対応しやすくなっているのは確実にあります。抑止力にもなりますし、対応が早かった理由の1つだと思います」
■事態の収束には「国際協力が欠かせず、時間もある程度かかる」
杉浦氏は事態の収束には「国際協力が欠かせず、時間もある程度かかる」との見解を示しました。
【杉浦隆幸氏】「GMO側が大きな事件として宣伝することで、国際協力はしやすくなっています。国内問題として大きく取り上げられる形になると、やりやすくなる。
決済情報やアクセス元のIPアドレスなどがあれば、犯人にたどり着ける可能性は十分あります」
警視庁は、個人情報とみられる情報を公開された被害者から話を聞いていて、引き続きGMO関係者から事情を聞くなどして、実態解明を急いでいます。
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月28日放送)