簗大臣「道路予算カット」発言 政治ジャーナリスト青山和弘氏「この問題で高市政権の支持率下がれば やはり更迭せざるを得ない」と見解示す 独自取材「萩生田氏が謝罪したほうがいいと忠告していた」解説も10月05日 20:53
簗和生農林水産大臣が地元栃木県で行った会合で「衆院選で市長や町長らが自身を応援しなかった自治体の予算をカットした」といった趣旨の発言などがあったと、文春オンライン・週刊新潮に報じられたことが波紋を広げています。
政治ジャーナリストの青山和弘氏は、その発言について「その地域は今後も選挙区で、自民党に投票した人もいるのに、恫喝まがいの発言」などと批判。
その上で、世論が後押しし、野党が追及して高市政権の支持率が低下するようなことがあれば、「最悪更迭もある」と述べました。
(10月5日午後2時半までの取材・情報に基づく記事です。)
■ 予算カット「首長が自民党の国会議員はいらないという行動をとった」
簗大臣のものとされる音声(提供:下野新聞社)では、栃木・那須烏山市の道路予算を64%、那珂川町のものを54%減らしたと発言。
さらに「首長が自民党の国会議員はいらないという行動をとった」「筆頭副幹事長という立場。ちょっと来てくれと一人呼べばこんなことができる」などと述べています。
また簗大臣がことし2月に自身のSNSに投稿した選挙演説の動画では、予算について次のように発言していました。
【簗大臣のSNS投稿より】「政権与党の議席がなくなった地域、その地域の予算はごっそり削られます。だってそうですよね、民意が与党の議員いらないというんですから。役所も官僚も遠慮なしに予算を削れるんです」
■発言したこと自体が「NG」と青山氏
まず青山氏は今回の発言について、「『削りました』ということをここまで堂々と言う人は見たことがない」と指摘し、発言したこと自体が「NG」と指摘します。
【青山和弘氏】「例えば『ダムや橋を作った』とか、そういう話は割と聞く。 それもどこまで影響したかは分からないけど、自分が手柄にしたいというのはある。
ただ一方で、『削りました』というのを、こうやって堂々と言う人は私も見たことありません」
青山氏は、国土交通省や関係者の取材から、当時、自民党の副幹事長という立場だった簗大臣が働きかけていたとしても、「これだけで削ることはまずない。いくつかあるうちの理由の1つになったかもしれない程度」と表現。
簗大臣は自身も働きかけたことは否定していますが、青山氏は「嘘をついたのか、本当にやったのか、いずれにしてもNG発言」と指摘しました。
■ 「ちょっと普通では考えられない、恫喝まがいの発言」
さらに青山氏は「今後も選挙区であることは変わらないのに、票を入れなかったら予算をカットすると言えば、敵が増える。普通では考えられない恫喝まがいの発言」とも述べます。
【青山和弘氏】「那須烏山市にしても那珂川町にしても、(簗大臣にとっては)今後も選挙区です。そこには自民党に入れた人だっています。
『これからもこの地域のために働きます。次は入れてください』と言うほうが、私は普通だと思います。
『(票を)入れなかったから(予算を)カットする』と言ったら、また敵が増えると思います。ちょっと普通では考えられない、恫喝まがいの発言だと言っていいと思います」
■ 報道後の対応にも波紋が
さらに簗大臣の報道後の対応が波紋を広げています。
2日午前の閣議後の記者会見では「一議員としての活動に関わる事柄なので、大臣としてのコメントは控えたい」と回答。
そして同じ日の夕方に一議員として会見を行いましたが、「今後こういった誤解を招くことがないように、しっかりと職務に臨んでまいりたい」と説明しました。
さらに熊本地震の被災地を訪問した3日には「熊本の被災された皆様方からお話を伺ってきた。個人としての政治活動に関わる部分については発言を控える」と発言していました。
■「自民党幹部も頭を抱えているような状況」
青山氏はこうした対応について「自民党幹部も頭を抱えているような状況」と述べ、独自取材で得た「派閥の先輩・萩生田光一幹事長代行から『謝罪したほうがいい』という忠告があった」という情報を解説しました。
【青山和弘氏】「このまま逃げ切れるわけはないということで、記者会見を金曜日に開いたのは、木原官房長官が『ちゃんと説明しなさい』と言ったので開いたのです。
そしてその前には、簗大臣の派閥・旧安倍派の先輩である萩生田さんからも、『ちゃんと謝罪しろ』と。
つまり、『予算をカットするという自分ではできないことを、ちょっと盛って言ってしまったなら、そこはちゃんと謝罪したほうがいい』と忠告していたのです。
それが『誤解を招くものであったなら本意じゃない』という、曖昧な表現に終わってしまった。これには自民党幹部も、頭を抱えているというような状況です」
■「私の知恵袋」と評した「高市総理の任命責任に直結しかねない」
簗大臣は、高市総理が衆院選の応援演説で、「私の大事な簗ちゃん。私の知恵袋。いなかったら本当に大変です」と述べていた存在です。
青山氏は「ものすごく近いかと言えば、そうでもない」と述べつつ、「仲間であることは間違いなく、『総理も同じ考えですか』と問われかねない危険性があり、最悪の場合更迭もありえる」と指摘します。
【青山和弘氏】「今回の問題は簗大臣の資質の問題ですが、やはり自分の『知恵袋』だと言って任命した、高市さんの任命責任も問われかねません。
私は、焦点は支持率への影響だと思います。高市総理は今も支持率は依然高いですけれども、『支持率頼み』というところがものすごく強い体質です。
この簗さんの問題で、世論の批判が強まって支持率が下がってくるようになると、やはり更迭せざるを得ない」
また、簗大臣がいわゆる“裏金問題”があった議員であることからも「高市総理は裏金問題があった議員も働いてもらいたいと登用した。その中の一人が問題を起こしたため、任命責任に直結しかねない」と説明しました。
■野党は及び腰…世論次第で政権の対応が変わるか
一方で、青山氏はこれまでなら国会で簗大臣を追及していたであろう野党について「最近、スキャンダルを追及すると『反対ばかり』と批判され『及び腰』になっている」と指摘し、更迭は世論次第という見方を示しました。
【青山和弘氏】「野党は国会で質問していこうということですが、今、野党は大臣のスキャンダルを追及すると、『反対ばかり』と言われて、批判されるということで、かなり『及び腰』になっています。
そういう意味では、やはり世論が一定程度盛り上がって、野党もちょっと元気を出して追及するみたいな、この両輪がないと。
世論次第で更迭せざるを得ない状況も出てくるのではないかと見ています」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年10月05日放送)
■簗大臣はその後謝罪し高市総理から続投するよう言われたこと明かす
その後、簗大臣は会見を開き、「道路予算をカットした」との発言は自分のものであると認めて謝罪し、信頼の回復に努めたいと述べました。
一方、国交省に予算を削減するように圧力をかけた、との報道に関してはそういった事実はない、と否定しました。
また、高市総理にも5日に官邸で報告し、「引き続き農林水産行政の推進に向けて 全力で仕事をせよ」と大臣を続投するように言われたことを明らかにしました。
今後の高市政権の対応、野党の追及が注目されます。