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「水が引かないと何もできない」印旛沼・堤防決壊で65年の歴史ある養魚場が浸水 錦鯉など約10万匹が“逃げ出し”被害総額は10億円にも 養魚場の代表「魚の回収ほぼ不可能」 復旧見通し立たず09月23日 17:49

台風25号の影響で千葉県の印旛沼の堤防が決壊し、印旛沼の堤防から500~600メートルほど離れた成田市内で65年の歴史を持つ「谷養魚場」が壊滅的な浸水被害を受けました。 東京ドーム6個ほどの広大な土地が浸水し、多くの錦鯉が死ぬなどの被害が出ていて、 その被害額は10億円にものぼるといいます。現在も水が引かず、復旧の見通しは立っていません。 創業以来、今回のような浸水被害に遭ったのは初めてだという「谷養魚場」代表の谷健治さんに被害の実態を聞きました。 ■水位5.04メートル 1968年の管理開始以来、最高値を記録

千葉県によると、印旛沼の水位は台風が最接近した翌日の22日午前4時半ごろに5.04メートルを観測しました。管理を始めた1968年以降、最も高い水位になったということです。 最寄りの雨量観測所では、24時間雨量が255ミリを観測しており、これが今回の決壊の主な原因と見られています。 堤防の決壊は22日早朝に確認され、周辺自治体では避難所が開設。100人以上が避難しました。 ■ボートで見た施設の惨状 錦鯉もパターゴルフ場も

【坂元龍斗アナウンサー】「台風が過ぎてから24時間以上経過しましたが、いまだに水が引いていません。ここには道路があり、駐車場、店舗も水に浸かっています」 「全国に今の千葉の大変な状況を伝えてほしい」ということで、谷養魚場の協力で、ボートから水没した施設内を取材しました。 ボートの上から見えたのは、水没した車やコイ、メダカなどの販売所、温室ハウス、そしてパターゴルフ場などです。 深いところでは、大人の胸の高さを超える1メートル50センチ以上の水位だといいます。 ■「全部もう流れて…」

【従業員】「ここで生産していたので、それが全部もう流れて…」 施設内で飼育されていた錦鯉はコンクリートの池の縁を超え、施設全体に広がった水の中へと逃げ出していました。 従業員によると、秋に向けてハウスへ移していたコイも逃げ出しているそうです。また、油が水中に漏れ出した影響で、錦鯉が生き延びることは難しいということです。 日本最大級とも言われる、体長170センチほどのアオウオも行方不明になっているといいます。 ■フィリピンの空港で知った「決壊」 代表・谷さんが語った経緯

谷養魚場の代表・谷健治さんは台風が上陸した夜、フィリピンのマニラの空港にいました。堤防決壊を知ったのは、警備会社からの電話だったということです。 22日午前2時10分ごろ、警備会社から隣の川の堤防が決壊したとの連絡が入りました。しかし谷さんはあと30分で搭乗という状況にあり、現地で何もできないまま帰国の途につくしかありませんでした。 翌朝8時半ごろ、成田に戻った谷さんが目にしたのは、想像を超えた光景でした。 【谷養魚場代表 谷健治さん】「予測はできてたんですけど、予測以上の被害で」 自宅も浸水しており、夫人と両親は消防署のボートで救助されていました。家族や従業員にけがはなかったものの、自宅内は階段の3段目まで水が入り込み、電気設備は完全に停止した状態です。 谷さん夫妻は近くのホテルに、谷さんの両親は弟の自宅に身を寄せているといいます。 ■「水が引かない限り何もできない」復旧の見通しは立たず

被害総額は、錦鯉をはじめとする魚類の価値に加え、ポンプ類のモーター、電気設備などの損壊を合わせると10億円に上る可能性があるといいます。 【谷健治さん】「電気が来ないと水が来ない。なんとも言えませんね、これ以上は」 谷さんによると、排水については、「利根川に排水するため、ポンプ3台が稼働している」とのことですが、養魚場のある一帯と印旛沼の水位がつながっているため、局所的にポンプを動かしても水を外に出すことはできない状態です。 印旛沼の水位が下がらなければ、周辺一帯の浸水は解消されないという構造的な問題があります。谷さんは「ポンプの数を増やしてほしい」と訴えました。 取材班が到着してから3〜4時間の間に少し水位は下がりましたが、最も深い場所ではまだ1メートル60センチほどの水位になっていると言います。 ■創業から65年 復旧に向けクラウドファンディングも検討

谷養魚場は創業から65年を迎え、成田市内では知らない人がいないほどの存在です。 鯉やメダカの養殖・販売、釣り堀、パターゴルフ場を備え、家族連れが休日に1日を過ごせる場所として地域に親しまれてきました。 しかし今回の浸水で、パターゴルフ場は完全に水面下に沈み、芝生や施設もだめになってしまったということです。 池から逃げ出したコイの回収については、施設全体が東京ドーム6個分にあたる約30町分もの広さに及ぶため、水が引いた後に魚を回収することは「不可能」だと谷さんは話します。 1メートル60センチほどの大型のコイについては、数匹であれば回収できる可能性があるということです。 営業再開については、水が引き、電気を回復させ、すべての設備を復旧させてからでなければ見通しが立たないと語ります。クラウドファンディングの実施も検討中とのことですが、まずは水が引くことが先決だと話します。 【谷健治さん】「水が引かないと何もできません」 (関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」)2026年9月23日放送)

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