「50年経っても風景が変わらない」城下町の古き良き街並み残る兵庫・丹波篠山 江戸時代に存在「間口税」 住民の“節税対策”で生まれた細長い家 昭和30年の商店街を探す旅【兵動大樹今昔さんぽ】09月06日 10:00
一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回は、兵庫県丹波篠山市の篠山城跡からスタートです。
篠山城の城下町として栄えた丹波篠山は、風情のある街並みをはじめ、秋には丹波の黒豆や栗などの特産品を求め、多くの観光客でにぎわう人気エリアです。
兵動さんに渡されたのは、1955年(昭和30年)ごろに撮影された一枚の古い写真。
写真にはずらりと店が並ぶ一本道の商店街が写っています。
【兵動大樹さん】「古っ!しっかりした商店街。マツダランプやって、これも時代感じるなぁ。田中ミシン、パーマミドリとかね」
兵庫総合銀行の看板も見え、昭和の空気感がたっぷり。
写真の場所は見つかるのでしょうか。
■ 古い街並みが残る城下町
早速聞き込み開始です!
篠山城跡で最初に出会ったのは、岐阜県から車で旅をしているという美濃焼の職人さん一家です。広島・呉、松山、香川、岐阜、姫路を経て丹波篠山にたどり着いたそうです。
残念ながら写真の場所はわからず、城跡を離れて城下町へ向かうことに。
篠山城があっただけに、城下町のエリアも広く、古い街並みがしっかり残っています。
■ 築200年の古民家リノベ雑貨店で手がかり発見!
城下町の河原町妻入商家群で立ち寄ったのが、2010年に古民家をリノベーションしてオープンした雑貨店「ハクトヤ」。
全国およそ40の窯元から集めた器や、オーナーがヨーロッパで買い付けた雑貨が並ぶ人気店です。
オーナーの一瀬裕子さんは年に1回、約1か月半かけてヨーロッパを7カ国ほど巡り、買い付けを行っているそう。
この建物はなんと築200年。丹波篠山では、使われなくなった古民家をリノベーションしてホテルやカフェとして再生する取り組みが進んでおり、城下町だけでもここ数年で30棟ほどが生まれ変わっています。
一瀬さんから「商家群の入口にあるお土産店の森本さんが詳しい」という情報を得て、次の目的地へ向かいます。
■ 「二階町」が正解!?
道中で出会った地元の女性に写真を見せると、大きなヒントが!
【地元の女性】「えっ!これは魚屋町か二階町やね!二階町は城下町。西新町にも城下町があるよ」
さらに歩くと、無料の黒豆茶を振る舞ってくれるお店を発見。
ここが、先ほど話に出ていた「おみやげ処 森本」でした。
冷たい黒豆茶をいただいてクールダウンしながら写真を見せると、店主の森本和男さんがズバリ回答してくれました。
【森本和男さん】「『田中ミシン』、『マツダランプ』、これは二階町で、お城の北側の通りやねん」
■ 丹波篠山にある3つの「城下町」
城下町として栄えた丹波篠山には、特徴の異なる3つの大きな町があります。
商人の家が並び、2021年に電柱が撤去されて、まるで江戸時代のような街並みになった「河原町妻入商家群」。
茅葺き屋根の武家屋敷が並ぶ「御徒士町武家屋敷群」。そして今回の写真の舞台とされる「二階町商店街」です。
ちなみに、「河原町妻入商家群」の「妻」は、屋根の三角形が見える側面のこと。
江戸時代には「間口税」という、道路に面した土地や、建物の正面の幅(間口)に応じて課される税金があったため、なるべく「妻」を狭くする「妻入り造り」で住宅を建て、税金の支払いを抑えていたことで、独特な街並みができあがったのだそうです。
■ 黒豆の老舗で絶品“朝挽き”おはぎに舌鼓
二階町へ向かう途中で立ち寄ったのが、1734年創業の黒豆の老舗専門店「小田垣商店」。
煮豆だけでなく黒豆スイーツも豊富で、庭を眺めながらくつろげるカフェも併設されています。
兵動さんが気になったのは数量限定の「朝挽き」のおはぎ。黒豆を使ったきなこがまぶされた一品です。
【兵動大樹さん】「後味が、いつもあんこで終わってるのが、きなこで終わる。美味しい!」
ちなみに、黒大豆の若いサヤである「黒枝豆」の旬は10月10日ほどからおよそ2週間しかないそう。それが熟して乾燥してから収穫したものが「黒豆」です。
質の良い黒豆を手の感覚と目視で選ぶ「手撰り選別」の様子も見せてもらい、熟練の技に兵動さんも感心しきりでした。
■ ついに撮影場所へ! 変わらない街並みと変わりゆく暮らし
そして、ついに二階町に到着。写真の風景の面影がいまも残る街並みです。
すると、呉服店のショーウィンドウに似たような写真が置かれていました。
130年続く呉服店「三國屋」の三代目・畑一弥さんに、二階町について尋ねてみます。
【三代目・畑一弥さん】「昔はほんまに商店が並んどったんですけどね。年末の売り出しのときには、もう人で埋まって動かれへんような状態やった」
かつて、地元の人たちがバスに乗って買い物に来たにぎやかな商店街は、いまでは観光客向けにシフトしました。
畑さんはこの写真の風景をよく覚えていて、写真に写っていた「田中ミシン」の店主は同級生だったそうです。
何十年経っても風景があまり変わらないのが丹波篠山の良いところ。
変わらない街並みの中に、変わりゆく暮らしがある。そんな丹波篠山の魅力を再発見する今昔さんぽでした。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年8月28日放送)