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真夏の入浴は「38度+炭酸系入浴剤+全身浴」で“体温を上げすぎない” エアコンで冷えすぎたら「40~41℃で10分ほど入浴」熱いお湯だと「汗をかいてかえって体温下がることも」【専門家解説】08月08日 11:00

猛暑が続いている。 体温を超える程の暑さと高い湿度で、少し外に出るだけで汗が噴き出す。 一方でエアコンの設定温度はどんどん低くなり、気づくと手足が冷たい。 お風呂でいつも迷うのが、最後に浴びるのは“冷たい水”と“熱いお湯”のどちらなのか。 そもそも真夏の入浴は、身体を温めるのと冷やすのと、どちらが良いのだろうか。 これまで7万人以上の入浴を医学的に研究してきた“入浴のスペシャリスト”早坂信哉氏(医学博士/東京都市大学 理工学部 教授)に「真夏を快適に過ごす入浴方法」や「“だらだら汗”“熱中症”などを防ぐ入浴方法」について詳しく聞いた。 ■真夏の入浴は「38℃のぬるま湯+炭酸+全身浴」

【早坂信哉氏(医学博士/東京都市大学 理工学部 教授)】 猛暑が続く真夏の入浴法は、日中の過ごし方よって変わります。 エアコンの効いた部屋で多くの時間を過ごし、時々外に出るといった生活スタイルの場合、あらためて“体温を下げる”必要はありません。 それよりも「身体をリラックスさせる」ことが、熱中症や夏バテを防ぎ、快適に過ごすためには重要です。 屋外と屋内の温度差が大きくなると「交感神経」のスイッチが入り、身体が緊張状態になりやすくなります。これが続くと自律神経が乱れて体温調節がうまくいかなくなり、熱中症や夏バテの原因になるのです。 対策として「副交感神経」を高める入浴法で身体の緊張を緩和させるのが効果的です。 具体的には、『38℃前後のぬるめのお湯に10~15分程度つかる』。 38℃は、体温を上げない、夏の入浴に適した温度です。 ただし、低い温度だと身体を温める「温熱作用」が弱くなり、お風呂の大事な効果の一つ、「血流の改善」が少なくなります。 補うために「炭酸系の入浴剤」を使うとよいでしょう。 お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から吸収され、血管を広げて血流をよくします。 血流が改善すると、全身の新陳代謝が促進され、疲れが取れやすくなるのです。

また、暑い時期でも肩までしっかりつかる「全身浴」がおすすめです。 入浴には「浮力」や「水圧」による健康効果もあります。身体が浮く事で関節や筋肉への緊張が緩まりますし、水圧による血行促進やむくみ解消などの効果も期待できます。 半身浴だと効果が弱まってしまうので、体調に問題がなければ「全身浴」をして頂きたいと思います。 湯船に浸かっている時間は10~15分が目安ですが、お風呂でゆっくりしたい場合は20分程度入浴していただいて構いません。 もし「額にじんわり汗をかきはじめたら」上がってください。 この状態は体温が0.5度ぐらい上昇しているとされ、血流の改善など、お風呂の効果が十分に得られていると考えられます。 ■冷たすぎる水温は要注意!

日中、暑い場所に長時間いて身体が火照っている場合は、30~35℃ぐらいの“体温より低い温度”のシャワーで、体温をしっかり下げてください。 30℃前後とは、真夏の水道水や温水プールなどと同じぐらいの温度です。 注意すべきポイントは「冷たすぎないこと」。 身体が「冷たい」と感じると「交感神経」が刺激され、緊張状態になります。 身体に負担をかけないよう気を付けましょう。 湯船にしっかりつかりたい場合も、必ず体温より低い温度にしてください。 体温より低ければ、ゆっくり入っても体温が上がる心配はありません。 尚、この場合も「血流改善効果」は見込めないので、炭酸系の入浴剤で補って頂ければと思います。 ■お風呂の最後はシーン別に使い分け 冒頭の『お風呂を出る時のお湯の温度』ですが、夏場、就寝前などは、「ぬるいお湯」を浴びて出るのが入浴後を涼しく過ごすのに適していると思います。 入浴後に身体を拭いた後も皮膚には水分が残っていて、それが蒸発することで体温が下がります(気化熱)。そのことからも、お風呂の最後は「ぬるいお湯」で十分だと考えます。 一方で、朝、出勤前のシャワーなどは、「やや冷たいと感じる温度」がよいでしょう。冷たい水を浴びると「交感神経」が刺激され、身体がシャキっと緊張状態になります。 ですから、リラックスしたい就寝前は「ぬるいお湯」で副交感神経を高める。反対に、一日の始まりの朝は「やや冷たい温度」で交感神経を刺激すると良いと思います。 ただし冷たすぎる水は、心臓など身体に負担をかけてしまいます。「やや冷たいと感じる温度」を心がけてください。 尚、熱いお湯は「交感神経を高め緊張状態になる」ことの他に「体温を上げてしまう」という意味でも避けた方がよいと思います。 ■風呂上りのだらだら汗 両手にペットボトルで全身を冷やす

入浴中に汗が出るのは自然なことですが、お風呂から上がった後もだらだらと汗が止まらない場合は注意が必要です。 汗が止まらないのは「体温が高すぎる状態」が続いている証拠。お湯の温度が高すぎることや、お風呂に長く入りすぎたことが原因と考えられます。 体温を下げる簡単な方法として「冷やしたペットボトルを持つ」のがおすすめです。 よく身体を冷やすには太い血管があるところ…首のまわり、脇の下、足の付け根と言われますが、血管がたくさん通っている手の先や足の先を冷やすことも効果的です。 手の先(手のひら)を冷やすことで血液も冷え、冷えた血液が全身をめぐって身体全体を効率よく冷やします。 氷や冷凍ペットボトルなど冷たすぎると、血管が縮んでかえって血流が悪くなります。 目安は10~15℃程度。冷蔵庫で少し冷やしたペットボトルなどで両手を冷やしながら、水分補給もするとよいでしょう。 ■真夏こそ「暑熱順化」 

熱中症予防のためには、身体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」が重要です。 暑くなりはじめる頃に「暑熱順化をして暑さに身体をならしましょう」という呼びかけを耳にされた方も多いのではないでしょうか。 この「暑熱順化」、実は効果が持続するわけではないのです。 エアコンの効いた部屋で過ごす時間が増え、あまり汗をかかない生活が続くと、だんだん身体が暑さに弱くなっていきます。 その状態で暑いところにでると熱中症にかかりやすくなってしまい危険です。 暑さに強い身体を維持するには、定期的にお風呂で汗をかいて「暑熱順化」してください。 維持のための「暑熱順化」はそんなに時間がかからないと考えています。 週に1度でも2度でも、できる範囲で大丈夫です。 40℃程度のお湯に10分程度、じわりと汗がにじむまで入るのがポイントです。 汗をかきすぎないよう、身体に無理をさせないようにして下さい。 今後、バーベキューや海水浴など屋外で過ごす予定がある方は、少し前から暑熱順化を行い、身体の準備をするとよいでしょう。 ■夏の隠れ冷えには「40~41℃」

夏は、一日の大半をエアコンの中で過ごしたり、薄着や冷たい飲みものを飲んだりして、知らないうちに身体を冷やしがちです。 外と室内の温度差も大きいため、暑さで気づきにくい「隠れ冷え」になっている人も多いのです。 冷え解消のためには、40~41℃のお湯に10分ほどつかるのが効果的です。 42℃以上の熱いお湯だと、体温が一時的に上がるものの、身体が汗で熱を逃がそうとして、しばらくすると体温が下がってしまいます。 暑すぎない40~41℃のお湯で、上がった体温を長時間キープしてください。

入浴は、身体の汚れを落とす「清浄作用」だけでなく、シャワーでは得られない血流の改善やむくみの解消、リラックス効果など、さまざまな健康効果が期待できます。 猛暑で屋内外の温度差が大きくなり、熱中症や夏バテが起こりやすくなっています。 ご自身の生活スタイルや体調にあわせた入浴で、元気に猛暑を乗り切って頂きたいと思います。 (早坂信哉氏 医学博士/東京都市大学 理工学部 教授)

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