【解説】「大阪維新の次の顔に」大阪都構想“4区案”に決定 重大決断を大阪市・横山市長に一任した“思惑”を記者解説 「市内選出議員の意向」優先も“市議と府議”で利害めぐり対立か 住民の思いは反映された?08月06日 19:27
いわゆる「大阪都構想」をめぐって、きょう(=6日)大阪維新の会は、大阪市を4つの「特別区」に再編する案を決定しました。
今回の決断の背景について、取材を続けている関西テレビ・大本亮記者が中継で解説しました。
■横山市長に重大決定任せた“思惑”は?
大阪都構想において重要な「区割り案」。
大阪府・吉村知事ではなく、大阪市・横山市長に一任されたことにはある思惑があるとみられています。
【大本亮記者】「横山市長が当初から維新内の『都構想戦略チーム』のリーダーを務めているということもあるんですが、内部を取材すると、“大阪維新の次の顔”として『横山市長を初代・大阪都知事』にという維新内部の思惑もあるようです。
というのも、3回目の都構想の住民投票に向け、吉村知事が周囲を押し切って進めた経緯などから、“吉村知事の求心力の低下”を指摘する声も聞かれています。
そこで、これまで吉村知事の陰に隠れがちだった横山市長に今回の“区割り”という重大な決断をさせることで、存在感を示すねらいがあるとみられます」
■前回「4区案」で否決されたのに…なぜまた「4区案」?
前回の住民投票は、「4区案」で実施されて否決されています。
その前回の案を修正した「4区案」に決めた理由は「市内選出議員の意向」だといいます。
【大本亮記者】「横山市長は、地域の声に最も触れる機会が多い『市内選出議員の意向』が最も大事と明かしています。地元議員の声を重視して判断したとみられます」
しかし、取材の中で、市議と府議の間で、利害をめぐり対立が起きていると感じる場面もあったということです。
【大本亮記者】「これまで議論を見ていると、区割りは細かく分ければ分けるほど、大阪府が担う業務が増え、府の権限が大きくなる見通しです。
そのため、最も細かく分けた『24区案』を希望したのはほとんどが府議会議員でした。
これに対し、多くの市議は『24区案はコストがかかりすぎる』などとして『4区案』を希望するという綱引きが起きたのです」
■「『4区案』であれば反対の人を減らせる」という考えか
「区割り案」の決定に、住民の気持ちは反映されたのでしょうか。
「4区案」に至った要因について関西テレビ・江口茂解説デスクはこう説明しました。
【関西テレビ・江口茂解説デスク】「過去2回も否決されてますので、まずは最も賛成されやすい案ということで『4区案』に収まったんだと思います。
区を割れば割るほど、どことどこがくっつくとか離れるとかいう話になって賛成しづらい要素が生まれてくる。
例えば、天王寺区と阿倍野区は『8区案』だと分かれるんですが、元々一体感のある地域ですから、ここを分けるのは住民にとってもストレスになるのではないかという意見もあったようです」
「『4区案』であれば反対の人を減らせる」という考えがあったとみられると指摘しました。
■そもそも「必要性が浸透していない」問題も指摘
一方、菊地幸夫弁護士は「“都構想”自体の必要性が住民に浸透していない」ことが問題と指摘しました。
【菊地幸夫弁護士】「都構想や区割りの必要性が住民にどれだけ浸透していたかというのが、『よく分からない』というようなご意見の方もいらっしゃったのが、まず問題だと思いますね。
『区割り』は財政力とか、1つが大きくなれば、それだけいろんな仕事もできるようになる。だから必然的に細かいよりは『4区』に行くという流れは自然だと思います」
■他会派は反発して“法定協”に参加せず
「区割り」は7日の法定協議会で正式に決まる見通しですが、現在、維新以外の会派は参加を見送っています。
【関西テレビ・江口茂解説デスク】「反発して参加していない。つまり維新で『都構想の設計図をつくり決めていく』ということなんですね。
なので大阪の行政の形を変えてどんな良いことがあるのか、逆に変えなかったらどんなデメリットがあるのかという肝心な部分が議論が深まらないし、広がらないままいまに至っている」
維新は今後、協定書をまとめ、年内の総務省への提出を目指していて、吉村代表は「来年4月の統一地方選と住民投票の同日実施を目指す」としています。
(関西テレビ「newsランナー」2026年8月6日放送)