「ここの奥にテレビがあってみんなで過ごした居間…」倒壊し原型失った故郷の家 震度7の揺れが襲った熊本・氷川町 吉原キャスター取材 人命救助で重視される「発災72時間」迫る07月30日 20:30
最大震度7を観測した熊本地震の発生から48時間以上が経過した30日。
人命救助において「著しく生存率が下がる」とされる発災から72時間まであと1日を切りました。
各地では懸命の救助が続いています。
そして猛暑の中、ライフラインの寸断が続き避難生活にも大きな影響がでています。
■「発災から72時間」迫る 各地で捜索・救助活動
被災地各地には何棟も1階部分がつぶれてしまった住宅が。
【記者】「こちらが住人のかたが生き埋めになっていたとみられる現場です。1階部分は完全に潰れてしまっていて、さらなる倒壊を防ぐためでしょうか、2階部分はクレーンで吊るされているような状況です」
そして、大規模な爆発が起きて以降、捜索と救出活動が続いているイオンモール熊本。
30日朝、安否不明者が見つかったとみられる動きがありました。
熊本県は12人が救助され、うち7人が死亡、5人が軽症と発表、引き続き捜索を行うとしています。
吉原功兼キャスターが取材したのは熊本県中部で震度7を観測した氷川町(ひかわちょう)。
【吉原キャスター】氷川町「建物の1階部分が崩れてしまっています。瓦屋根が見えます、その重みもあったのだと思いますけど、1階部分がぺしゃんこになっています。
道路にまで建物の一部がせり出しています」
人口およそ1万350人、4500世帯あまりの町を強い揺れが襲い、100戸以上の家屋が被害を受けまました。
■全壊した思い出の“実家” 今も軋む音 そこに揺れも…
氷川町を含む地域では、30日に午後3時現在で震度1以上の地震が271回観測されるなど、揺れが続いています。
【記者】「こちら民家が崩れ落ちてしまっています。倒壊しています。
こちらも屋根が地上部分に来てしまっていて、今もぎしぎしという音が聞こえます」
ここで取材班が出会ったのは、生まれ育った町の被害を知り、実家に駆け付けた女性でした。
【実家に駆け付けた女性(40代)】「私が18歳まで過ごして、お嫁に行くまでここに住んでいたので、ほんと言葉にならない…というのはまさにこのことかな」
今、親族は別の場所に住んでいるため全員無事だということです。
【実家に駆け付けた女性(40代)】「ここがお風呂で…ここの奥にテレビがあってみんなで過ごした居間」
思い出の詰まった実家は、原型をとどめていません。
【実家に駆け付けた女性(40代)】「(10年前の)熊本地震の時も揺れたんですけど、そこまで被害はなくて大丈夫だったんで、今回も大丈夫かなと思ってたら、まさか10年で来るとは思ってなかった」
取材中にも地震が発生し、“我が家”から距離を取ります。
■ライフライン寸断 夜も30度 被災者襲う猛暑
【吉原キャスター】(氷川町役場)「気温30度を超えている氷川町役場です。直射日光、照り返しで大変な暑さとなっていますが、停電、断水に苦しんでいる方。支援物資を求めてたくさんの方が訪れています。」
氷川町では停電と断水が続き、猛暑の中、被災者は苦しい生活を強いられています。
被害を受けた住宅の住人に話を聞きました。
室内は家具などが散乱した状態のままです。
【吉原キャスター】Q真夏ということもあってかなりの気温ですね、自宅の中
【住人】「…ですね。夜でも、中で寝られるような状態じゃなかった。昼30度近くあれば、夜でも30度近くありますもんね」
吉原キャスターが話を聞いたのは、イチゴ農家を営む松村信夫さん、85歳です。
避難できない事情がありました。
■自宅全壊でも避難所に「行けない」 農作物を守るため離れられない人たちも
【松村信夫さん(85)】「地震っていった(発生した)瞬間、(自宅は)20秒ほどですぐ倒れた」
自宅は倒壊していますが、すぐそばで育てているイチゴはこの時期の水やりが欠かせません。
普段なら電動の設備で30分もあれば終わるということですが、停電しているため地下水をポンプでくみ上げ、苗のひとつひとつに水をやるする必要があります。
【吉原キャスター】Q毎日水をあげるために離れられることできず、車中泊をされてるということですか?
【松村信夫さん】「農産物なので、水をやらないと枯れてしまう。よそにはいかれへん」
この場所を離れづらい人たちを襲った今回の地震。
元の生活に戻るには時間がかかりそうです。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年7月30日放送)