「親子バリスタ体験」応募したら“投資勧誘”され… “体験イベント詐欺”の実態 「子どもに色々やらせてあげたい」親心を逆手に取った“SNS上のニセ広告” 「親子製麺体験」に大手うどんチェーン店も注意喚起06月23日 18:41
最近、SNS上で新手の“詐欺広告”が出回っています。
この詐欺広告のターゲットは高齢者ではなく「子育て世代」!?
「子どもに色々やらせてあげたいなっていう思いがあったから」
都内で子育てをする女性のAさん。
SNSで見かけた「大手うどんチェーン店の“親子製麺体験”」広告をクリックすると、実はそれが“詐欺広告”だったのです。
“体験イベント詐欺”の実態を取材しました。
■「親子製麺体験」「キッズ店長体験」有名チェーン店の名前を悪用
いま、SNSを中心に「体験イベント詐欺」が増加しています。
「親子製麺体験」や「キッズ店長体験」など、有名チェーン店が開催するイベントのように見えるニセの広告が次々と登場しています。
大手うどんチェーン店「丸亀製麺」は公式HPで、「偽サイトの存在が確認されています」と注意喚起。
ほかにも、ミスタードーナツ、ケンタッキー、モスバーガー、銀座コージーコーナーなど、様々な大手チェーン企業が公式ホームページで注意喚起を促す事態となっており、実際にお金をだまし取られるケースも出ています。
中には、100万円相当の被害に遭ってしまったという人も確認されています。
■大手チェーン店騙る“ニセ広告” クリックするとLINEに誘導
東京都に住むAさんの場合、SNSで見た「親子製麺体験」広告はよく知る“大手うどんチェーン店”のものでした。
疑うことなくクリックすると、公式サイトではなくLINEへ誘導されたといいます。
【Aさん】「導入が気軽にインスタでパっとLINEにつながって、気づいたらっていう…」
相手から届いたメッセージには、「こんにちは。この度は本イベントにお申し込みいただき誠にありがとうございます。
大変人気のため、ご返信をいただいた方から、優先的にご案内させていただいております。ご参加をご希望の方は『参加希望です』とご返信ください」と書かれていました。
文面から不信感を抱かなかったAさんが「参加希望」と返すと、相手は「LINEオープンチャットに参加し、申請を完了してください。ニックネームを送ってください」と誘導してきました。
■「詐欺への注意喚起」まで送りつける巧妙さ
誘導先は、匿名で参加したユーザーと交流できる「LINEオープンチャット」でした。
そこで体験イベントの詳しい情報が案内されるとの説明があったといいます。
やり取りが進むと、相手から「詐欺防止のご案内。万が一、事前の振り込みやお支払いを求められた場合は、必ずご注意のうえ、アシスタントまでご確認ください」というメッセージが届きました。
警戒されないためか、詐欺への注意喚起まで送りつけてくるという巧妙な手口です。
しかし、Aさんは「なぜ個人のLINEでもできる案内をわざわざ“オープンチャット”で行うのか」に疑問を感じ、退会したといいます。
【Aさん】「親は子どもには結構投資しちゃうんで、被害に遭う前でよかったかなって思います」
■体験イベントを申し込んだはずが…
偽広告からLINEへ誘導した狙いとは何だったのでしょうか。
取材を進めると、その先の手口が明らかになってきました。
幼い子どもを育てるBさんも、SNSで「大手コーヒーチェーン店」を騙る体験イベントの広告をクリックし、やはりLINEオープンチャットへ誘導されたといいます。
やり取りが進むと、ある動画が送られてきました。
【Bさんに実際に送られてきた動画】「わずかな2日間の対応で、その50万円がなんと400万円に増えたのです」
なんと、「投資への勧誘」が始まったのです!
【Bさん】「最初にオープンチャットに入った時には、親子体験イベントを装って、その後、投資の話が始まった」
しかしその動画には、聞き慣れない日本語や、文脈からも意味不明な表現が混じっていました。
不審に感じたBさんが調べると、オープンチャットの名前を検索しても出てこないことが判明。ここでBさんは“投資詐欺”だと気づいたということです。
■「生成AIで作られた可能性が高い」とITジャーナリスト
この投資勧誘の動画について、ITジャーナリストの三上洋氏は「生成AIで作られた可能性が高い」と指摘します。
そのうえで、今回の子ども向けの体験イベント詐欺は、「明らかに子育て世代20代・30代を狙っている新しいやり方だ」と指摘します。
【三上洋氏】「子育て世代=お金がすぐに必要な世代。一番お金が必要な世代に絞ることで、『副業や投資でもうかりますよ』ということを心に響かせてだませると思っている」
■「SNS広告からLINEに誘導されたら、詐欺と考えて」
では、巧妙に作られた偽サイトをどのように見抜けばいいのでしょうか。
【ITジャーナリスト 三上洋氏】「SNSの広告からLINEのオープンチャットや、LINEに誘導される場合は詐欺と考えてください。大手の企業であれば、その誘導先はウェブサイトもしくはSNSの公式の投稿のはずです」
さらに、「子どもと一緒にできるイベントといったのに、気がついたらお金の話をしている。これは明らかな詐欺への誘導です。そのままグループを退出するほうがいい」と三上氏は呼びかけました。
なお、LINEオープンチャットには匿名性があるため、退会後にLINEアカウントの名前や写真から個人が特定されるという心配はないといいます。
また、有名チェーン店の中には、実際に子ども向けの体験イベントを開催している企業もあります。SNSの広告を見かけた際は、そのまま進むのではなく、まず公式サイトをたどって確認することが重要だということです。
■AIの進化とともに、詐欺はさらに巧妙化するリスク
番組コメンテーターの社会起業家・石山アンジュさんは、「親心を利用してひどいと思いますし、おそらくこの動画もAIでいろいろ生成されたものということで、今後AIを使ってこういった詐欺は増えてくんだろうと思います」と懸念を示しました。
「子どもに色々やらせてあげたい」という親心を踏みにじる悪質な手口。
SNS上の広告を「公式のもの」と決めつけず、一度立ち止まって公式サイトを確認する習慣を持つことなどが私たちにも求められています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年6月23日放送)