【解説】二階VS世耕 世耕氏の自民党復党問題 和歌山県連の会合で結論でず カギとなるのは「二階氏側近」と世耕氏古巣の「参院自民」二階元幹事長は「(世耕氏の復党は)時間の問題ではないの?」06月21日 22:01
「県連は仲良くして、思いを一本化することが大事」
「県連が馬鹿にされている」
自民党和歌山県連は裏金問題で離党した世耕弘成衆議院議員の復党を容認するべきか賛否が分かれる中、党員の意向を確認するため21日、臨時の役員会を開きました。
しかしその場で結論は出ず、石田真敏県連会長に対応を一任することになりました。
■裏金問題で無所属で出馬
元自民党参議院幹事長の世耕弘成氏は、おととし、裏金問題で自民党からの勧告を受け離党。その年の秋に衆議院議員選挙に無所属でくら替え立候補しました。
これまで2期連続で当選し、世耕氏は先月28日、「有権者の審判を受けた」として満を持して自民党本部に復党願を提出したのです。
■復党容認派が多くを占める
党本部から地元の意向を報告するよう求められた和歌山県連は21日午前、和歌山市内で臨時の役員会を非公開で開催。出席した党員100人ほどにアンケート用紙を配布し、世耕氏の復党について「賛成」「容認」「反対」「時期尚早」「党本部に一任」の5つの選択肢から無記名で回答を求めました。
出席者によると、会場では「時期尚早だ」「復党を認めれば二階さんを応援してきた人たちの気持ちを潰すことになる」などと、反対意見も飛び交いました。中には復党を認めれば党員離脱をにおわせる町長も。
【岡本章 九度山町長】「世耕さんなんて怖くない。県連はプライドを持って対応を一旦白紙にするべき。私は復党が認められるのなら自民党を辞めるかもしれない」
一方で、出席者によると、会場で意見を述べた人たちは復党容認派が多くを占めました。県連では結果を速やかに集約し党本部へ報告するか、再度議論するか、判断する方針です。
■二度の「紀州戦争」は世耕氏が制す
かつて「二階王国」と呼ばれた和歌山県。しかし、二階俊博氏の影響力は今、影を潜めています。世耕氏はおととしの衆議院議員選挙で自民党公認候補だった俊博氏の三男・伸康氏と争い、3万票余りの差をつけて圧勝。
参議院選挙にも立候補した伸康氏に対立候補を擁立し、二度目の「紀州戦争」も世耕氏が制しました。
■対立候補を探すも「世耕氏に勝てる候補がいない」
自民党公認候補で、かつ俊博氏の三男に「背中から撃つ」反党行為を繰り返した世耕氏。それでも復党を容認しなければならない状況について県連幹部はこう明かしました。
【自民党所属県議】「和歌山2区で世耕氏に勝てる候補がいない。世耕氏の振る舞いは許せないが、復党容認はやむを得ない」
■二階元幹事長「早く党へ戻せるようにしていくべきだ」
二階俊博元自民党幹事長は、会合直後の自民党県連の大会であいさつしこう述べました。
【二階俊博元自民党幹事長】「これからもお互いに団結、心を1つにして和歌山県政の発展のために力を尽くそうということが大事だ」
【石田真敏 自民党和歌山県連会長】「政治をやっていたら腹立つこともいっぱいありますよ。だけどそんなことをいつまでも言っていたってうまくいかない。二階先生もまさしくそう言われた」
二階元幹事長に世耕氏の復党について直接問うとこう答えました。
【二階俊博 元自民党幹事長】「(世耕氏の復党は)時間の問題ではないの?」
Qご自身は世耕氏の復党、どうお考えか?
【二階俊博 元自民党幹事長】「まあ有力な政治家の1人だから、早く党へ戻せるようにしていくべきだ」
世耕氏は去年夏の参議院選挙後も若手議員の育成を目的とした政治塾を県内各地で開催。「二階vs世耕」の“紀州戦争”は激化の一途をたどるかに思われました。
■復党反対の強硬派は二階元幹事長の側近
しかし、ことし1月、様相が一変。高市総理による「電撃解散表明」の直前でした。
自民党では、年末から繰り返し情勢分析を行い、世耕氏の選挙区で候補者擁立を模索するも、互角に戦える候補は見つかりませんでした。
自民党は「保守分裂選挙を避けるため」として、和歌山2区の候補者擁立を見送り。
俊博氏が出席する場で世耕氏がお詫びのことばを述べ、「自民党和歌山県連と行動を一にする」という覚え書きを締結して”紀州戦争”は「休戦」したことになっていますが。
さらに取材を進めると、世耕氏の復党に反対しているのは、「実は俊博氏ではない」とする複数の情報が。
【臨時役員会の出席者】「世耕氏の復党に慎重な姿勢を示しているのは鶴保庸介参議院議員です。頑なに『時期尚早、俺は反対や』とおっしゃる。自民党参議院の中での反対勢力に気を使っているのではないかと感じます。鶴保さんが男になって世耕氏を迎え入れたら株も上がって本人のためにもなるのに…。『世耕の力を借りなくても勝てる』とまで言う。『いや、今の自民党ってそんなに強くないですよ』と彼は実感するべき」
■政治とカネを巡る問題は幕引きか
世耕氏の復党は俊博氏の言うように「時間の問題」で受け入れられるのか。
次なるハードルとされるのが、当の鶴保氏も所属する自民党参議院での了承です。
石井準一自民党参議院幹事長が9日の記者会見で「(世耕氏の)復党は時期尚早だ」と批判するなど、参議院自民党内で賛否が分かれています。
地元・和歌山県連の意向を踏まえるなどして党本部は今後、党紀委員会を開き、復党を認めるか判断することになりますが…。
石井参議院幹事長が9日の記者会見でけん制したのは、政治とカネを巡る問題でした。
【石井準一 自民党参議院幹事長】「参議院はシステム上、半数が2年後に選挙で国民の審判を受けなければならない。(政治とカネは)世耕氏が参議院議員時代に残していった大きな事案で、復党はこれが解決し、方向性が決まってからでもいいのではないか」
「有権者の審判を受けた」と話す世耕氏。政治とカネをめぐる問題は、これで幕引きとなるのでしょうか。
(関西テレビ 和歌山担当 大本亮)