「チャットGPTに聞いて『大丈夫』と言われた」“夢のやせ薬”「マンジャロ」 体調不良になっても「止められない。中毒性ある」 個人間の売買横行で異例の摘発も06月02日 20:19
「半年で22キロ痩せました。なくてはならない、お守りみたいな感じ」
こう語るのは、東京都に住む50代の女性Aさんです。Aさんが手にしているのは、糖尿病治療薬「マンジャロ」。今、SNSを中心に広がり続けています。
「マンジャロ」は、ネット上では“夢の痩せ薬”とも呼ばれ、若い世代を中心に使用が拡大しています。
違法な個人間転売をめぐって薬機法違反の疑いで男女3人が書類送検されるという異例の事態に発展しました。
取材を進めると、その背景には深刻な健康被害と、個人間で売買される実態が浮かび上がってきました。
■ダイエット目的の使用が急速に拡散
Aさんが初めて「マンジャロ」を使い始めたきっかけは、ネット検索でした。
「痩せる方法で検索していて、マンジャロで10キロ、20キロ痩せたっていう人を見て」とAさん。使い始めた当初の体重は77キロ。1か月後には72.6キロになり、およそ5キロ減。その後も使い続け、半年で22キロの減量に成功したといいます。
「マンジャロ」は本来、2型糖尿病の治療薬です。血糖値を下げ、食欲を抑える効果があり、医師の処方が必要な医薬品です。しかし、その効果がSNSで広まり、ダイエット目的の使用が急速に拡散しています。
街の人に話を聞くと、「XとかTikTokとかで流れてくるかな。簡単に痩せれるみたいな」という声が返ってきました。そのほかにも「友達に何人かいる。1週間で5キロ落ちたって」と言う人も。
■中学生のころから使用していたという人は「水分を取ると全部吐いちゃう」
一方、「マンジャロ」を使用して深刻な副作用を経験した人もいます。中学生のころから使用していたという人は、こう打ち明けました。
【痩せ薬としてマンジャロを使用していた人】「ずっと倦怠感もあったし、水分を取ると全部吐いちゃう。ご飯も飲み物も取れないから、病院行って点滴。やめても1週間くらいずっと吐き続けてたから。マジでおすすめしない」
■「チャットGPTに聞いて『大丈夫かな』と言われ使い続けた」
また、20代の女性Bさんは、体重が40キロを切ったときに副作用が強く出たといいます。
「一番減ったのが39キロ」という状態になりながらも、使用を続けてしまったといいます。
【Bさん】「立ちくらみが一番多いですね。目の前が真っ暗になる」
それでも使い続けた理由は、「チャットGPTにも聞いて、『大丈夫かな』みたいなこと言われたから、いいかと思って打ちました」と語ります。
【Bさん】「細くなろう、細くなろうって。今の体型で十分やのに、これぐらい痩せたい、これぐらい痩せたいってどんどん目標が高まっていって、中毒性があるのかなとは思います」
■なぜ糖尿病でなくても「マンジャロ」を入手できるのか
糖尿病でない人がなぜ「マンジャロ」を入手できるのでしょうか。
大阪市内で「マンジャロ」を処方している病院の院長に聞くと「糖尿病じゃない方=保険適用がない方は、体重減少目的で自費で購入していただいている」と話します。
ダイエット目的の場合、保険が適用されない「自費診療」として処方を受けることができ、処方の際には副作用などについて書かれた同意書にサインしてもらうとのこと。
そのリスクについては「医療のお薬なので、副作用は必ず何かしらあります」と話し、「副作用としてはアナフィラキシーショックや、低血糖も死に至る病気になりますので、先生による指導・管理のもと使用していくのが安全」だといいます。
■「マンジャロ」を販売するなどした薬機法違反の疑いで3人を書類送検
一方で、SNSを通じた違法な個人間売買も横行しています。
無許可で「マンジャロ」を販売するなどした薬機法違反の疑いで、20代から30代の男女3人が2日、書類送検されました。警察によると、3人は自身が使用して余った「マンジャロ」をSNSで転売していたとみられ、調べに対して容疑を認めています。
■『マンジャロ 譲』SNSで検索すると…
SNSで『マンジャロ 譲』と検索すると、1本5000円で販売するという投稿が確認できました。実際に投稿していた人物に接触すると、『冷蔵庫保存していたので問題ないと思います。私はマンジャロの転売ヤーではなく、シンプルに買ったやつが要らなくなっただけ』と返答がありました。
また別の人物は、違法性を認識しながらも販売を続けていると明かしました。
『法的にはアウトですね』と認めながら、「なぜ譲り続けるのか」と聞くと『欲しい人がいるからですね』と答えました。その後、関西テレビの記者だと名乗ると、やり取りは途絶えました。
「マンジャロ」の製造会社は「不適切な使用は、思わぬ健康障害が発生する可能性があります」として、適切な使用を呼びかけています。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年6月2日放送)