「首から上に傷は“恨みの情”が強いという印象」と元兵庫県警刑事部長 職務質問に「殺した」も“事件把握できず”は「“誰を・どこで”明らかにならずか」指摘 たつの市母娘殺害事件 元隣人を指名手配05月25日 19:41
兵庫県たつの市の住宅で母親と娘が殺害された事件。警察は、かつて被害者の家の隣に住んでいたという、42歳の男・大山賢二容疑者を殺人の疑いで全国に指名手配しました。
警察はなぜこのタイミングで公開捜査に踏み切ったのか、元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏が解説しました。
棚瀬氏は公開捜査に踏み切った背景として、「市民からの情報提供で容疑者の居場所を特定することと、第2、第3の犯行を防ぐために、防犯の観点でこのタイミングで公開捜査に踏み切ったのでは」と話しました。
また、事件の3日後に警察が職務質問した際に「人を殺した」と発言したという容疑者。なぜ事件の把握ができなかったのかについても解説しました。
■公開捜査に踏み切った背景は
公開捜査に踏み切った背景には、2つの理由があると棚瀬氏は説明します。
【棚瀬誠氏】「住所・職業が不詳ということですので、定住先が明らかになっていない容疑者の居場所をどう捜査して探すのか、まず主眼がここにあったと考えられます。
公開捜査に踏み切った背景として、1つは一般の市民からの情報提供で容疑者の居場所を特定するということが考えられます。
2つ目には容疑者が凶器を持っているかもしれない。もう捨てているかもしれませんけれども、第2、第3の犯行を防ぐために、防犯の観点でこのタイミングで公開捜査に踏み切ったということだと思います」
■事件3日後「人を殺した」と告白も…「『誰を・どこで』が明らかにならなかったか」
事件が起きたとされるのは13日ごろとみられ、その3日後の16日に兵庫県高砂市で警察官が路上で寝ている容疑者に職務質問をしたということです。
その職務質問の際に、警察官に対して、容疑者は「人を殺した」と話していた容疑者。しかし、事件の把握はできませんでした。
今回のケースのような“声かけ”は、警察にとって日常的な対応だと話します。
【棚瀬誠氏】「今回は、通報を受けて寝ている男性=容疑者に声をかけるという職務質問からスタートしています。よくあるパターンなんですけれども、飲酒の影響で寝ているとか、薬物の影響や精神疾患をお持ちの方もいる。
今回がどうかはわかりませんが、本当に意思疎通ができないような方も多くいらっしゃるので、まずは警察にお越しいただいて、少しずつ調べていくことになる。
どこかで犯罪の嫌疑が疑われるということであればそこから捜査に切り換えていくということになる。
職務質問をどうやっていくのか、接し方が決められているんですけれども、今回は『殺した』という発言の後、具体的に『誰を・どこで』みたいな話が一切明らかにならなかったため、こういった結果になっていると思います」
■事件との結びつきを裏付ける証拠は得られなかったのではないか
さらに棚瀬氏は、「『人を殺した』となれば、当然警察も構える。例えば衣服に血液が付いているとか、かばんの中も確認する」と説明。しかし、それでも事件との結びつきを裏付ける証拠は得られなかったのではないかと推測します。
【棚瀬誠氏】「ずっと警察署に身柄を置いておくことも不適切ということになるので、なかなか難しい対応だったんじゃないかなと思います」
また、犯行後、それほど遠くに逃げていなかった容疑者の心理については「一般に人を殺めるといった犯人の心境を合理的に説明するっていうのはなかなか難しい」と前置きしたうえで、「一般的に、昔から犯人は現場に戻るとも言われる」と説明しました。
【棚瀬誠氏】「警察の捜査がどこまで進んでいるのかというのを確認したいと思っていたかもしれませんし、この現場にものすごい執着を持っていたという可能性もあると思います。いずれも今後の捜査で明らかになると思います」
■司法解剖の結果から「強い恨みがあるという印象」
司法解剖の結果、二人とも首や上半身に複数の刺し傷があり、正面から襲われたものとみられています。
【棚瀬誠氏】「まず首から上と聞いた段階で、“強い恨みの情”があるという印象があります。その上で、複数回刺しているということになるので、やはり恨みの情が強いという犯行だろうという印象があります」
■大山容疑者の特徴は
現在、大山賢二容疑者(42)は殺人の疑いで全国に指名手配されています。
特徴は以下の通りです。
・身長 約160cmの痩せ型
・黒髪、黒いキャップ帽
・黒縁メガネに白いマスク
・黒いショルダーバッグ
情報提供先:兵庫・たつの警察署(0791-63-0110)