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「今の暮らしの当たり前」は110年前の「池田室町」から始まった? 日本初の“鉄道沿線宅地開発”に“住宅ローン”まで 「阪急」創設者・小林一三の逸話に兵動さんも驚き 大阪・池田市【兵動大樹今昔さんぽ】05月17日 10:00

一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。 今回の舞台は、大阪府池田市。新緑まぶしい五月山から絶景を眺めてスタートです! 池田市のシンボル・五月山の展望スポットからは猪名川が流れる景色が一望でき、川を挟んで左手が大阪、右手が兵庫県という絶好のロケーションです。 ここで兵動さんに手渡されたのは1915年(大正4年)ごろに池田市内で撮影された写真です。写真には低い民家が並び、目を引くのは立派な鳥居。そしてよく見ると、地面には線路のようなものまで写っています。 【兵動大樹さん】「これまた古いな~。神社があるってことかな。ただ、人が歩いてるところが線路に見えないこともないねんけど、そんなわけないか」 写真の場所は見つかるのでしょうか? ■五月山動物園の近くに新スポット発見

大正時代に電車が走っていたのか? 謎を抱えたまま、兵動さんは聞き込みを始めます。 五月山動物園のそばを歩いていると、おしゃれなテラスのある建物が目に入ります。 4月25日にオープンしたばかりの「五月山サファリビストロ」です。 緑に囲まれた中でイタリアンが味わえ、午後2時からはカフェ利用も可能なお店です。 さらに歩くと「小林一三記念館」の案内が。 小林一三といえば、阪急電鉄や宝塚歌劇団を創設した実業家です。 「池田にお邸があったんやね」と興味を持った兵動さんは記念館へ向かうことに。 何か写真の手がかりが見つかるかもしれません! ■ 阪急の創業者・小林一三の大豪邸へ潜入!

記念館に到着すると、阪急文化財団の上席学芸顧問・仙海義之さんが案内してくれました。 ここは小林一三が最後に暮らした自宅で、1937年(昭和12年)に建てられたものです。 宝塚線が走り始めた1910年(明治43年)から池田に住むようになり、ここが最後に建てた邸宅だといいます。 【兵動大樹さん】「せやけど大豪邸ですね」 【仙海義之さん】「そんなことないですよ」 【兵動大樹さん】「『そんなことない』言うけども、僕ん家20個ぐらい入ると思うよ」 邸宅の外観は日本の瓦屋根でありながら、スパニッシュスタイルの丸い瓦を日本風に仕上げた和洋折衷のデザイン。 玄関には姫路や高砂の竜山石がふんだんに使われ、2階の外壁にはヨーロッパの住宅に見られるハーフティンバーの装飾が施されています。しかも中身は当時最新式の鉄筋コンクリート造というから驚きです。 建物の中にはかつて小林一三が家族で使っていた食堂があり、現在はそのままレストランとして営業しています。 ■小林一三と吉本せいの意外なつながり

2階の展示室では、小林一三の幅広い交友関係が紹介されています。商工大臣も務めた小林一三は政財界に多くの人脈を持つだけでなく、文化人との交流も豊富でした。そこに意外な名前が…。吉本興業の創業者・吉本せいです。 【仙海義之さん】「東宝の前身の1つである『P.C.L.映画製作所』で、東宝さんと吉本さんで一緒に映画を作ってるんですよ」 当時、東京の芸能界を「松竹」が牛耳っていたため、小林一三と吉本せいは手を組んで対抗したのだとか。 ちなみに、吉本せいをモデルにした朝ドラ『わろてんか』で高橋一生さんが演じた白スーツの映画青年は小林一三がモデルではないかという噂もあったそうです。 ■写真の正体は日本初の沿線住宅開発「室町住宅」だった!

仙海さんに写真を見てもらうと、やはり「線路」が写っているとのこと。 仙海さんによると、写真に写っていたのは、池田市内の「室町住宅」でした。 この写真の住宅街は、小林一三が呉服(くれは)神社の周り2万7000坪を区画整理し、住宅を建てて売り出した、日本で初めての「鉄道沿線宅地開発」だったのです! 【仙海義之さん】「今その鉄道会社が沿線開発するのは当たり前のように聞こえますけども、小林一三がやって成功したからこそ、ほかの鉄道会社さんも真似してるんです」 このアイデアは、沿線に宅地開発をすることで、乗客も獲得しようという狙いだったのだそう。 1区画は100坪もあり高額だったため、小林一三は個人向けの不動産の割賦販売、つまり、いまの「住宅ローン」の仕組みまで日本で初めて導入しました。 ■昭和の長屋リノベスポットを経て、いざ撮影地へ!

呉服神社へ向かう途中、地元の方から「近くの長屋が人気」と聞いた兵動さん。 寄り道してみると、昭和初期に建てられた長屋をリノベーションした「菁菁園(せいせいえん)」がありました。カフェや飲食店、ギャラリー、雑貨店など7店舗が入居しています。 その中の食品店で出会ったのが、「添加物なし・おいしい・パッケージもかわいい」の三拍子そろった自然食品を扱うお店「縁市-KOMINKA-」。 人気商品の「太陽のキャラメル」は、151円というお手軽さ。 【兵動大樹さん】「ナッツのうまみとキャラメリゼ。昔食べたこともあるけど、なんだか新しい感覚もある」 欄間の意匠など昔の長屋の良さを残しながらリノベーションされた空間は、大家さんが古民家を残すことに力を入れているからこそ実現したものだそうです。 ■明治43年創建の旅館「橋本亭」復活の物語

そしていよいよ呉服神社のそばへ。 室町で米店さんを営んでいた近谷孝さんに話を聞くと、この住宅街が大正時代の建物の名残があったことを教えてくれました。 100坪で販売されていた区画は、いまでは30〜40坪に分割され、地価も高くなり、街の空気感はすっかり変わっています。 そして、ついに写真の鳥居が立っていた場所を特定。かつて呉服神社の鳥居があった地点で、兵動さんはパシャリと記念撮影! 【兵動大樹さん】「小林一三さんが阪急宝塚線を作って、そこに宅地を作って。ニュータウンのモデルになる室町。すごいな、池田ってなんでもあるなほんまに」 鉄道沿線開発、住宅ローン、通勤と余暇を分けるライフスタイル…今の私たちの暮らしの「当たり前」は、110年前の「池田・室町」から始まっていました。 (関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年5月8日放送)

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