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元京都府警捜査一課長が検証“不明直後の捜索”に見る「事件性の高さ」当初から安達容疑者疑ったか“年1000人”子供の行方不明捜査の難しさ「吉川友梨さん不明」捜査指揮・元幹部が指摘「決めつけない」の重要性04月18日 09:00

行方不明となっていた11歳の男子児童が遺体で発見され、父親の安達優季容疑者がが死体遺棄容疑で逮捕された事件。実は、警察庁の発表では年間1000人以上の子供が行方不明となっています。 こうした事実から見えてくるのは「子供の行方不明事案の捜査の難しさ」。 まもなく23年となる未解決の「吉川友梨さん行方不明事件」で初動捜査を指揮した元警察幹部は、初動を急ぎつつも「決めつけないこと」が大事と説明し、「こうじゃないか」という先入観によって「事案の見え方」が偏ることを警戒しました。 さらに行方不明から3日後に、秘密裏に行われていた安達容疑者の自宅の家宅捜索を、映像から京都府警の元捜査一課長と独自に検証。 京都府警が当初から「事件性が高い」とみていた可能性が高いことや安達容疑者を疑っていたことを指摘しました。 ■「衝動的に首を絞めて殺してしまった」趣旨の供述も

行方不明になっていた安達結希さんの遺体を遺棄した疑いで16日逮捕された、父親の安達優季容疑者(37)。 【記者リポート】「このエリアの近くで靴が見つかりました。警察は安達容疑者のスマホを解析して得られた位置情報から捜索するエリアを絞り込んでいたということです」 捜査関係者によると、警察は水面下で安達容疑者のスマートフォンやドライブレコーダーの位置情報の履歴などを解析していたことがわかりました。 また安達容疑者は逮捕前の任意の調べに対して「衝動的に首を絞めて殺してしまった」という趣旨の供述をしていることも新たにわかりました。 ■子供の行方不明事案は年間1000件以上発生

最悪の結末を迎えることとなったこの事件。警察庁によると、実は子供の行方不明事案は年間1000件以上起こっています。 多くは通報当日に無事見つかるといいますが、後々事件であることが判明したり、長期間、発見されないケースも後を絶ちません。 埼玉県では2014年、当時中学1年の少女が行方不明に。手がかりがつかめない中、2年後になって誘拐事件であることが判明しました。 関西では2003年、大阪府熊取町で当時小学4年の吉川友梨さん(当時9)が下校中、行方不明に。 警察は誘拐事件として捜査していますが、23年が経とうとする今も、見つかっていません。なぜ捜査が難航するのでしょうか。 ■「今でも宿題になっている事件」初動捜査を指揮した元大阪府警刑事部長

ヒントを探ろうと取材班が話を聞いたのは、元大阪府警刑事部長の坂口正芳さん。吉川友梨さんが行方不明となった当初、初動捜査を指揮しました。 【元大阪府警刑事部長 坂口正芳さん】「私としては今でも宿題になっている事件ですから、友梨ちゃんの名前顔は忘れたことがないですし」 坂口さんによると、子供の行方不明事案の場合、初動を急ぎつつも「決めつけないこと」が大事だといいます。 【元大阪府警刑事部長 坂口正芳さん】「(子供の行動は)いろんな可能性がありますから、過去の事件の失敗というのはあまりにもこうじゃないかと筋読みをしすぎてしまう。そこにとらわれて見方が偏ってしまうという心配がありますので」 一方で、捜査が難航するのは、証拠や客観的事実が十分にない場合。子供が自力で生還することも現実的には考えにくくなります。 【元大阪府警刑事部長 坂口正芳さん】「当時は目撃情報とか記憶の情報しかないんで、そこは捜査は大変な時期ではありました」 (Q.まだ誰も捜査員の方はあきらめていない) 【元大阪府警刑事部長 坂口正芳さん】「それは断言できると思います」 見えてきたのは、子供の行方不明事案は、迅速かつ、的確な対応が求められるという側面。 ■警察が水面下で緻密な捜査をしていたことが明らかに

今回の南丹市の事件では、どのような捜査が行われていたのか。 取材を進めると、警察が水面下で緻密な捜査をしていたことが分かってきました。 【カメラマンリポート】「警察が安達容疑者の自宅敷地内にある車にシートをかぶせています」 警察は17日、安達容疑者の自宅敷地内にある車を押収しました。ただ警察は行方不明の発生当初から、詳細に調べていたとみられます。 これは、結希さんが行方不明になったわずか3日後の先月26日、安達容疑者の自宅で行われた警察の家宅捜索の映像。 捜査員が特に重点的に調べていたのが敷地内に止まっている車。17日に押収された車とみられます。安達容疑者が立ち合い、車の方を指す様子も… ■映像検証で見えた「事件としての温度感の高さ」元京都府警捜査一課長

警察は一体どのような作業をしていたのか。newsランナーは元京都府警捜査一課長の樋口さんと、独自に映像を検証しました。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「車を見てるね」 樋口さんがまず着目したのは、捜査員が車のトランクを開けて細かく調べる姿。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「たぶんここ(トランク)に遺体を乗せて移動させた可能性があるということで検証しているんでしょう。 もうこの時点で、遺棄の容疑者の関連性をかなりの確度で検証している状況。これは検証令状をとってるのでは」 樋口さんが映像を見て指摘したのは、「事件としての温度感の高さ」です。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「ひょっとしたら、この(車内で)横に座った時に犯行をしている可能性もあると。 そうなってきたら、例えば首を絞めるというようなことが起きたらそこに失禁が残る。採取とか、要は犯行場所を特定するため」 結希さんが事件に巻き込まれた可能性も視野に、痕跡が少しでも残されていないか、調べているのではないかというのです。 ■行方不明事案で「これほど早くからこのような家宅捜索を行うのは異例」

続いて樋口さんが注目したのは… 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「これはね、ルミノール反応をやろうとしてるんですね。血液が付いているかどうか」 自宅の庭にブルーシートを敷く捜査員。すると、大きな黒い箱状のものを数人がかりで運び、ブルーシートの上に設置。その後捜査員は、毛布のようなものを持って来て、暗室のような状態にした黒い箱状のものに入っていきます。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「結希くんを遺体として運ぶために(毛布を)使用した可能性があるので外から日光を浴びないで暗くして、(毛布に)ルミノールをかけるんですけれどももし血液が付着していたらそこは薄く青く光る」 樋口さんによると、行方不明でこれほど早くからこのような家宅捜索を行うのは異例。安達容疑者の関与を警察が当初から疑っていたからではないかといいます。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「普通は家族を対象に警察が踏み込んで大掛かりな検証するということはなかなか勇気がいることなんですね。嫌疑性が高いんじゃないかということで。もう早い段階で捜査に踏み切ったと」 ■子供の行方不明事案には「慎重さ」が求められる

一方で警察は、報道機関に対して、「あくまでも事件と事故の両面で調べている」との説明に終始してきました。 なぜ捜査は隠れて進められたのか。樋口さんは、子供の行方不明事案には慎重さが求められるからだと指摘します。 【元京都府警捜査一課長・樋口文和さん】「子供が発見されてないし、事件性があるかどうかもわからない。(家族を)容疑者扱いをすると報道からかなりの第2次被害的な叩かれ方をそこのご家族がするのでやはり捜査も配慮した上で慎重に進めていると」 極秘に進められた緻密な捜査によって逮捕された安達容疑者。警察は詳しい経緯や動機を調べています。 (関西テレビ「newsランナー」 2025年8月10日放送)

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