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【解説】『証拠隠滅』と『証拠を見つけてください』全く違うやり方をしている...京都府警の元捜査幹部と元科捜研が読み解く 今後の捜査の行方04月15日 21:00

行方不明となった安達結希さんの遺体が遺棄された事件。今後の捜査のポイントについて、元京都府警捜査一課長の樋口文和氏と元静岡県警科捜研の中山誠・関西国際大学教授の解説です。 ■計画性がうかがえない「遺体遺棄」

2人は遺体が「いつ遺棄されたのか」がポイントだとし、樋口氏は夜に遺棄された可能性を指摘します。 「夜だったら真っ暗ですから、ここまで行けば見られないであるというところでその場所だったのかもしれない。このあたりへ置くということは捜索の範囲なんですよね。それで早く遺棄して立ち去りたかったということがあったかもしれない」と推測します。 一方、中山氏は計画的な犯行であれば「スコップを用意して、おそらくもっと遠い場所に運んで埋めることがあったと思う」としながら、「その時間的な余裕がなくて、被害にあってから遺棄するまでが非常に短時間。とにかく時間を優先してこの場所を選んだ」と指摘し、昼間に遺棄されたのではないかと推測します。 「隠すことができなかった可能性もあるかもしれない」と樋口氏は述べ、中山氏も「計画的じゃないと思う」としました。 ■「証拠隠滅と証拠を見つけてくださいという全く違うやり方をしてる」

この事件で注目されたのが、遺体とは別に発見された2つの物証だ。 通学用かばんは親族が発見したが、地元の消防団によれば、発見前に3回、同じ場所が捜索されていたにもかかわらず、その際には見つけられていなかったという。靴については警察が発見したが、こちらも消防団が事前に捜索し「異常なし」と報告していた地区で見つかった経緯がある。 この状況について樋口氏は、かばんの発見がある種の「捜査の撹乱」である可能性を指摘した。 「やはり捜査の目、捜索の対象とするかばんの位置あたりに向けて送らせているという可能性はあると思います」 行方不明から6日後にカバンが発見されたという点も、樋口氏は注目する。 一方、靴については中山氏が現場を実際に訪れたうえでこのような見方を示します。 「場所を見て、普通の人が入る場所では全くない。隠そうという意図があると思います。これも余裕があれば埋めるか、木の葉をかけるかすればいいと思うんですけど。これは明らかに証拠隠滅」 注目すべきは、かばんと靴の扱われ方が「正反対」だったという点だ。中山氏はこう語る。 「証拠隠滅と証拠を見つけてくださいというような形で、全く違うやり方をしてるので……おそらく関係者がわざとそういう場所に置いたか、あるいは置いたと言って持ってきたか、そのへんまで疑われると思いますね」 つまり、かばんは「見せるために置かれた」可能性があり、靴は「見せたくないから隠した」可能性が高いというのが中山氏の見立てだ。 ■「余裕がない」「行動が場当たり的」見えてきた容疑者像

靴がなぜ遺体とは別の場所で発見されたのかという点について、樋口氏は「元々靴は履いてなかったのではないか」という仮説を立てる。遺体を遺棄した後、靴をどうするか迷い、慌てて別の場所に捨てたのではないかというシナリオだ。 「最初遺体を遺棄して、そして靴はどうしようかとなって慌てていたのではないか」 これに対し中山氏は、結希さんは靴を履いている状態で被害に遭ったと見る。車内で移動中、遺体を置いた後に靴が車内に残っていることに気づき、急いで処分しに行ったのではないかという推測だ。 「例えば車で運んで、遺体を抱えて遺棄現場に置いて帰ってきたら、車の中をふと見たら靴が横にあったと。これはマズイなとおそらく遺体を置いた直後に捨てに行ってると思う」 2人共通する見立ては「犯人に余裕がなく、行動が場当たり的だった」という点だ。 ■京都府警元捜査一課長が指摘する3つのポイント

樋口氏は元京都府警捜査一課長として捜査指揮を執った経験から3つの重点ポイントを挙げた。 1. 親族などの証言を得ること 事情聴取を通じてさまざまな証言を積み上げ、関係者の行動を多角的に検証していくことが起点となる。 2. ドライブレコーダーと車 車というのはキーワードになる。土や毛髪、繊維痕、特に服の繊維が車の中に残されていないかというのも1つ大きな鍵になってくる また現場への移動手段として車が関わっている可能性が高く、周辺のドライブレコーダー映像や車内の微物証拠が重要な意味を持つという。 3. 本人や親族の日記・メモを押収 本人や親族の自分の心情面を書いた家族との関係についての日記や、結希さんの行動に関するメモ、携帯電話の内容を調べていく。 捜査とは、無数の可能性の中から一つずつ「違う」ものを排除し、真実へと近づいていく作業だ。物証の意味を読み解き、証言を積み重ね、矛盾を丁寧に潰していくことが容疑者逮捕に結びついていく。 (関西テレビ「newsランナー」2026年4月15日放送)

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