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米・イラン“停戦合意”に暗雲「カギを握るのはイスラエル…『いいかやめるんだぞ』とまで言うのがトランプ大統領の責任」と石戸諭氏 イスラエルがレバノン攻撃でホルムズ海峡再封鎖 パキスタンでの協議の行方は?04月11日 16:43

「今夜ひとつの文明が滅び、二度と取り戻されることはないだろう」 日本時間8日午前9時。イランとの停戦に向けた交渉期限の前日に、アメリカのトランプ大統領がSNSに投稿した衝撃的な一言です。 大規模攻撃も辞さないという極度の緊張状態の中、なんとかアメリカとイランは「2週間の停戦」で合意にこぎつけました。 イラン側も、停戦中は「ホルムズ海峡」の安全な通航を可能としていましたが…。 翌日、イスラエルがレバノンを攻撃したことで事態は再び暗転。 イランはホルムズ海峡を完全封鎖し、日本のエネルギー供給にも直結する危機が続いています。 関西テレビ「ドっとコネクト」に出演した、元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は、戦闘が終結するかどうか「カギを握るのはイスラエル」と話しました。 ■土壇場の停戦合意 裏には中国の説得か

停戦合意の条件として、アメリカは「ホルムズ海峡の開放」を要求しました。 一方イランは「ホルムズ海峡の安全な通航は2週間可能」としつつ、イスラエルによるレバノン攻撃を停戦することを合意の条件に含めました。 これに対しアメリカ側はレバノンの停戦を含まないとしており、両者の認識は最初から食い違っていたのです。 この合意の裏では、中国がイランに停戦交渉を応じるよう説得したとみられています。 中国もホルムズ海峡を通じて大量の原油を輸入しており、原油価格の高騰は中国経済に直結します。 さらに5月に予定される米中首脳会談までにこの問題を片付けたいという思惑もあったと指摘されています。 【石戸諭氏】「中国はいま経済の先行きが不透明感が強まっています。ここが安定しないことには原油高は本当に中国経済に直結するので、これは『早くやめてくれ』という思いはあるでしょう」 ■イスラエルが鍵を握る泥沼の構図

合意の翌日、イスラエルがレバノンを攻撃し、死者300人を超える大規模攻撃があったとイランは主張しました。 これを受けイランはホルムズ海峡を再び完全封鎖。 トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に電話で空爆の「縮小」を要請しましたが、「停止」ではなく「縮小」にとどまった点が注目されています。 イスラエルをコントロールできていないことや、アメリカファーストを掲げていたトランプ大統領が他国への介入を続けていることから、石戸氏は“MAGA派”と呼ばれる支持層が離れていると指摘。 実際、トランプ大統領の支持率は「不支持」が右肩上がりで、ことし4月には不支持56.7%となりました。(米リアル・クリア・ポリティクスによると) ■「イスラエルに突き動かされて一緒にやってしまった」

イランは「不侵略」や「ウラン濃縮作業の容認」、「イランへの損害賠償」など10項目を要求していますが、アメリカとしては容認しがたい項目も複数含まれていると指摘されています。 関西テレビ・神崎博解説デスクは「イスラエルに突き動かされて一緒にやってしまったのがポイント」と話しました。 【神崎博解説デスク】「そもそもイスラエルはイランを攻撃したかった。アメリカはすぐやめたい。支持率、株価も下がって中間選挙もある。やめたいけれどイスラエルがやめる気がないのがポイントですね」 ニューヨーク・タイムズの報道によれば、トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相が示した“楽観的なシナリオ”に乗る形でイラン攻撃に踏み切ったとされています。 「終わるときにも鍵を握るのはやはりイスラエル」であり、トランプ大統領がイスラエルをどこまで制御できるかが焦点だと石戸氏は指摘します。 【石戸諭氏】「終わるときにカギを握るのはイスラエルで、『いいか、やめるんだぞ』とまで言うのがトランプ大統領の責任だと思うんですけど、果たして本人がそこまで思っているかはよく分からない」 ■ホルムズ海峡に“通航料”? どうなる日本経済

さらに驚きの動きが浮上しています。 イランが原油1バレルあたり1ドルの通航料を課す計画を立てているというのです。 日本は1日約220万バレルの原油をホルムズ海峡経由で輸入しており、通航料が徴収されると、単純計算で1日3億円超の負担増。 ガソリン代が1Lあたり1円程度値上がりするという試算もあります。 ホルムズ海峡は“国際海峡”に位置づけられ、どの船も無料で自由に通行できる「無害通航権」が認められていますが、イランは「国際海峡に当たらない」と主張しています。 国際弁護士の八代英輝氏は、イランの主張は通らないと話しました。 【八代英輝氏】「イランの言い分は『国連海洋法条約を批准してないから』というのがあるんですけども、そもそもこの条約は国際慣習法を条約化したものなので、イランの言い分は通らない。 国際海峡で通航料払ってるケースとしては、ボスポラス海峡を通航する船がトルコにお金を払ってますけど、それは整備をトルコ側が行ってるので、関係国納得の上で通航料を払ってるケース。今まで無料で通れたものを、急に通航料を取るのは国際的に容認できない」 ■年間“3万円超”の家計負担増という試算も…

中東情勢悪化の中、私たちの暮らしにも影響が…。 原油由来の「ナフサ」はシャンプーのボトルやラップ、医療用品など私たちの暮らしのあらゆるものに使われています。 4人家族の場合、年間2万2500円~3万5100円の家計負担増が試算されており、電気やガスも値上がりする見通しです。 石戸氏は、生活必需品であるガソリンは「補助金」を導入すべきとしたうえで、「停戦に向けて日本がどう持ち込めるかを考えるべき」と提言しました。 出口の見えない泥沼は、日本の食卓やガソリンスタンドにまで確実に影響を及ぼしています。 停戦の実現とホルムズ海峡の安全確保に向けて、日本がイランとのパイプを絶やさず、どのような外交的役割を果たせるかが問われています。 (関西テレビ「ドっとコネクト」2026年4月11日放送)

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