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「市場規模1兆円超」と好調も…物価高に対抗「100円ショップ」の価格守る努力 大手「パッケージ削減・“やや高額”ブランド」戦略 個人店「規格外品・趣味のメダカ販売」など独自戦略で街に欠かせない店に04月12日 11:00

止まらない物価の高騰。どこのお店も苦しい中で脅威の粘りを見せているのが「100円ショップ」です。 市場規模は右肩上がりで、3年連続で1兆円超え。しかも2025年度は過去最高になる見込みだというのです。(帝国データバンク・2025年度は予想値) 100円ショップは絶好調!かと思いきや、低価格を守るため、さまざまな工夫をしていました。 大手は「パッケージの外装を抑えてコストダウン」することや「ブランドを増やして100円よりも少し値段が高い商品を開発・販売」するという戦略を取っていました。 一方、個人経営の店は、少ない数でも仕入れられるという強みを生かし「品質には問題ない規格外品」を販売するほか、地域の客層に合わせた商品をそろえ、街の人から欠かせない存在として求められる店になっていました。 ■「今は品物もいい。昔に比べたら。デザインもかわいく」100円ショップの魅力

「100円ショップ」業界を取材するため、関西テレビの秦令欧奈アナウンサーが向かったのは、阪神・大阪梅田駅から徒歩2分の場所にある「ダイソー」です。 100円という低価格でありながら、品質も良く、デザインも豊富。ついつい立ち寄ってしまいそうです。 声を掛けたのは、ヘアピンと電池を買ったという2人組のお客さんです。 【秦令欧奈アナウンサー】「今日はこれを買いに来られたんですか」 【利用客】「いや、ふらっと見て…」 【秦令欧奈アナウンサー】「1回でだいたいどのぐらい買い物されます?」 【利用客】「買うときは、1回私5000円ぐらい買ったこともあるんですけど」 【秦令欧奈アナウンサー】「50品分ってことですか!」 「意外と、今は品物もいい。昔に比べたら。デザインもすごくかわいくなってますよね」という声も聞かれるなど、品質やデザインの豊富さが武器になるようです。 ■「100円ショップを行くことで妻と会話が増えた」という人も

店内には、掃除グッズのような生活密着アイテムも豊富に並びます。 次に話を聞いたのは、「台所のシンクなどを掃除するスポンジを挟むホルダー」を買っていたお客さんです。 【利用客】「ほんとに一般の方向けな商品を揃えてくれてるんで。もう20年前とか。前は安かろう悪かろうのやっぱイメージ、全般的にもたれてたじゃないですか。今は普段生活の中で、なんか欲しいなあいうのは100円ショップに来たり」 さらに、こんな思わぬ効果まで。 【利用客】「100円ショップを行くことで、妻と会話が増えた。『こんなんあったよ』とか(話したり)」 【秦令欧奈アナウンサー】「じゃあ、前より仲良くなったんですか?」 【利用客】「まあ、そのネタで。100円ショップネタでは会話は増えます」 ■流行りの「押し活アイテム」まで

続いて聞こえてきたのは今流行りの「推し活」で活用できる商品が多いという声です。 月に3回は100円ショップを利用しているというこのお客さんは… 【利用客】「結構100円ショップは、『推し』に優しいアイテムが、『推し活アイテム』がいっぱい売っているので。 『缶バッジスタンド』っていう、缶バッジが自立してくれるっていうアイテムがあったんですよ」 【秦令欧奈アナウンサー】「缶バッジが自立してくれる!」 【利用客】「自立して飾れるっていう。それはめっちゃ良かったなと思います」 ■ダイソー「パッケージ削減・お掃除ロボにオススメ商品」などコストカット

では、どうやってこの安さを守っているのでしょうか。 【大創産業・グローバル広報課 與田英俊さん】「物価高が現状、騒がれていますが、基本的には100円でお客様に商品をお届けするといったところに関して、どうコストを削減して皆様に良い商品を提供するかといったところは常に考えておりますので。 具体的には商品のパッケージですね。外装のほうの面積のほうを減らすことによってコストを削減すると。デザインはそのままで、分かりにくくならないような形で」 パッケージを小さくすることで、より多くの商品をまとめて運べるようになり、運送費も削減できるようになったということです。 さらに店内では、お掃除ロボットがおすすめ商品を乗せて巡回。宣伝費も節約していました。 ■「100円守る努力しながら100円以外でも売り上げ伸ばす」

一方、利用客からはこんな声も聞かれました。 【利用客】「300円だったり500円だったりとか、100円では済まなくなってきたなって」 【秦令欧奈アナウンサー】「100円じゃないものも置いてあるってことですか」 【利用客】「そうです。330円だったり。1000円の分だったり」 実はダイソーグループ、客のニーズに合わせてほかのブランドも展開していて、100円ではない商品もたくさんあります。 「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」は、職人が1点1点手掛けた、地場産業に沿った展開。 「THREEPPY(スリーピー)」は、『大人かわいい』がテーマで、売り上げも店舗数もともに上昇中だそうです。 100円を守る努力をしながら、100円以外でも売り上げを伸ばす。大手はその両輪で走っていました。 ■個人経営の100円ショップの戦略は…

続いて向かったのは、神戸市長田区にある個人経営の「100円ショップ グリーン」です。 【秦令欧奈アナウンサー】「めちゃくちゃ看板味ありますね」 【「100円ショップ グリーン」粟賀朝行社長】「そうですか。ここで20年近くやね、今」 【秦令欧奈アナウンサー】「失礼ですが、おいくつですか?」 【粟賀社長】「私、75です」 【秦令欧奈アナウンサー】「すご、めちゃくちゃ元気じゃないですか」 この店は地域密着で、地元の人たちが中心。高齢のお客さんが多いということです。 ■国産食器も「規格外品」で安価で販売

店内には他の100円ショップと同じような日用品もありますが、個人店ならではの魅力があります。とりわけ目を引くのは食器売り場。100円ショップのはずなのに、220円や330円の値札がつけられていると思いきや… 【秦令欧奈アナウンサー】「食器がずらっとありますが、値段が全部220円、330円…」 【粟賀社長】「全部岐阜の窯元で作った商品ですわ。全部メイドインジャパン」 【秦令欧奈アナウンサー】「これ、この値段で大丈夫なんですか」 【粟賀社長】「ちょっとね、だから“B品”なんですよ」 柄のずれなどがある規格外品だそうですが、見た目にはほとんど分かりません。少ない数でも仕入れができる個人店だからこそ、こうしたラインナップが可能になるのだそうです。 常連客も、その魅力をよく知っています。 【常連客】「品物も良くて、長持ちします」 【秦令欧奈アナウンサー】「どのぐらい使われてるんですか?」 【常連客】「一回買ったら、一生ですね。安いから、何種類か買って帰って。『今日はどのお茶碗で食べようかな』という楽しみがあるんですよ」 ■のしかかる物価高…すでにメーカーから値上げの話も

とはいえ、経営環境はかなり厳しいそうです。地域の人口減少に加え、物価高も重くのしかかります。 【粟賀社長】「やっぱりうちらみたいな低価格で売ってる商売は、顧客が、人数が来てくれてなんぼの商売やから」 【秦令欧奈アナウンサー】「もうここ20年でも結構お客さんは減ったなっていう体感は? 」 【粟賀社長】「減ってます。もうかなり減ってます」 商品によっては原価が70円近くになっているものもあるそうです。100円で売る以上、残る利益はごくわずか。 しかもイラン情勢を受けて、メーカーから値上げの話もすでに来ている上、同じコストで製造を続けられるかどうかも不透明だといいます。 【粟賀社長】「100円、原価超えてしまったらもう売れませんよね」 そこで経費の節約を徹底。照明をLEDに変えることで、月の電気代が2万円ほど節約できているそうです。 【秦令欧奈アナウンサー】「差が2万円ってこと、あー、おっきいですね、それは」 ■趣味で飼っていた「メダカ」が看板商品に

そんな中、社長にはある秘策がありました。それが、趣味で育てていたメダカ。試しに販売してみたところ、大人気に。今では看板商品になっているそうです。 【粟賀社長】「お年寄りの方が多いんで。癒しに買って帰られる方が多いんですわ」 秦アナウンサー、「3匹600円」という値札を見つけて、ちょっと意地悪な質問です。 【秦令欧奈アナウンサー】「値段は100円じゃなくていいんですか?」 【粟賀社長】「容器だけでも100円すんのに(笑)」 メダカは最低でも1匹500円ぐらいするそうで、実際、買う人はメダカの値段を知っているので、「安すぎてびっくりする」とのこと。 粟賀社長も「もともと趣味で儲けようとしていなかったから」とこの値段で売っているのだということです。 一方で、客層に合わせて“売れない”商品は置いていないそうです。 【粟賀社長】「SNSででバズるような商品はうちの客層から言うたらちょっと売れないんで。推しの商品とか押し活グッズはほとんど置いてないですわ。置いたところで、客層が違うから…」 ■独自の工夫によって地域にとって「なくてはならない店」に

この店を支えているのは、安さだけではありません。常連客はその魅力をこう語ります。 【ほぼ毎日来店する常連客】「年金生活で100円は助かる。何気なしに入りやすい。足がこっちに向くもん」 【週に2回来店する常連客】「社長や手伝っている息子さんが好き。人やな。(店が)なくなったらもう死ぬわ!」 店を手伝う粟賀社長の息子・正さんも、地域密着である店の魅力を語ります。 【粟賀社長の息子・正さん】「やっぱりいろんな人とお話しできたりのが一番ですかね。小さかった女の子が、大きくなって会いに来てくれたというか、そんなんもありますよ」 大手にはない独自の工夫によって、地域にとって「なくてはならない存在」として、店が守られていました。 (関西テレビ「newsランナー」2026年4月10日放送)

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