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北陸新幹線の大阪延伸“8ルート案”浮上で混沌「小浜・京都ルートしかないでしょ」推進派の自民・西田昌司参院議員に聞く 小浜・京都ルート開通で南海トラフ地震対策にも夢の四国新幹線“関空新幹線”も実現?03月21日 19:00

北陸新幹線の大阪延伸をめぐっては、2016年、利便性の高さなどから福井県の小浜市から京都市内を経由し新大阪駅に至る「小浜・京都ルート」が最終的に選ばれました。 しかし、去年の参議院選挙などで議論が再燃。 京都選挙区で、「小浜・京都ルート」の“再考"を公約に掲げた維新の新実彰平氏が、「小浜・京都ルート」に決定した張本人である自民党の西田昌司氏を上回って、トップで当選したのです。現在は「小浜・京都ルート」を含め8つのルート案が示されています。 今回は北陸新幹線整備委員会の共同委員長でもある西田参院議員に、現在のスタンスと今後の展望について聞きました。 ■「経営主体と地元自治体の賛成なければ実現できない」

ー北陸新幹線の与党整備委員会では、「ルートなどの議論を今年の夏までに絞りたい」ということですが、共同委員長として今後どのように議論を進めていきたいですか。 【自民・西田昌司参院議員】「元々、去年の初会合で申し上げたのですが、まずは着工の前提条件として、地元自治体の知事の賛同と、営業主体であるJRの賛同が一番大事です。維新・前原誠司さんたちが8つの案を提案されましたが、その案を検討するにしても、そもそも経営主体と地元自治体がどう判断されるのかをまず聞くべきだと。その方々が賛成しなければ実現できません。 それぞれ出ている案は自公政権時代に検討した案の派生のようなもので、本質的には変わりません。ですから『地元の自治体とJRさんに聞いたらどうですか』という形でやり始めました。その際に前原さんが『7月15日の会期末までに案を絞り込みたい』という趣旨の発言をされたので、それはこちらも望むところであり、その形で進めていきたいと思っています」 ー西田議員もそのぐらいの時期には絞り込みたいと。 【自民・西田昌司参院議員】「来年度予算に工事費を計上してもらうことが大事だからです。そのためにも案を決め地元の自治体にも合意してもらい、市民・府民の方にも納得してもらって、『さあ、やっていきましょう』という環境を作ることが一番大事です」 ■「JRも言っているのは、答えは“小浜・京都ルート”」

ーJR西日本の賛同を得るという点についてはいかがでしょうか。 【自民・西田昌司参院議員】「JRも言っているのは、答えは『小浜・京都ルート』だと。京都駅に入るのか桂川駅かという2つの案はありますが、このどちらかでやってもらいたいということです。他の案はJRとして技術的にできなかったり、安全運転に支障があったり様々な問題点があると。営業効果的に見ても、その2案以外では利用者が伸びず黒字経営ができなくなってしまう」 ーJR西日本としては、2ルートに絞るというところで合意が取れているのでしょうか。 【自民・西田昌司参院議員】「JRがそう言っていますし、そもそもこの案を決める時にも聞き取りをして、彼らはそういうこと(他のルートへの難色)を言っていました。米原ルートや湖西線ルート、亀岡ルートなどは賛成できないと、もう前から言っています」 ■「“米原ルート”を元々考えたのは私」

ー維新が8ルートを提案した中で、特に「米原ルート」の有効性を主張しています。 【自民・西田昌司参院議員】「米原ルートを元々考えたのは私なんですよ。地図を見たら敦賀と米原をつなぐのが簡単で、東海道新幹線に入れば京都も大阪も行けて、一番早くて安くていいじゃないかという単純な発想です。しかし実際に検討すると、JR東海が運営する東海道新幹線は過密ダイヤでこれ以上入る余地がないことが分かりました。 仮に繋いでも米原駅で乗り換えが必要になりますが、米原に停車する新幹線は『こだま』と『ひかり』が1時間に1本ずつ、つまり30分に1本しかありません。敦賀から米原まで新幹線を引いても、待ち時間が30分となると、特急『しらさぎ』とあまり利便性が変わりません。 加えて、並行在来線となる北陸本線は地元自治体が運営することになりますが、滋賀県や福井県の一部にとっては、財政負担が増えるだけで経済効果は期待できません。 ですから地元自治体はもちろん反対で、JRにとっても営業効果がない。私が提案した時もそういう話になり、『これは難しい』ということでダメ出しを先にしているわけです」 ■亀岡も舞鶴もメリット面に課題

ー京都府内では亀岡や舞鶴も誘致に強い意思を示しているかと思います。 【自民・西田昌司参院議員】「亀岡ルートになると、サンダーバード利用者の大半が乗車する京都駅を通りません。京都府の人口の大半が集中する京都市以南の方々は、わざわざ亀岡まで行かないと新幹線に乗れなくなります。これでは利便性がなく、経済的効果もありません。 舞鶴ルートも私が言い出したのですが、それは北陸新幹線ではなく山陰新幹線での話です。北陸新幹線で小浜から舞鶴を経由すると、距離が長くなりすぎて時間短縮効果がなくなり、料金だけが上がってしまいます。これでは新幹線としてのメリット、費用便益比が良くありません。小浜・京都ルートができた上で、そこから分岐して舞鶴へ向かう山陰新幹線を整備するほうが、よほど実現性が高いのです。 ーやはり利便性や経済効果を考えると、小浜・京都ルートが最適だと。 【自民・西田昌司参院議員】「それしかないでしょ。なぜ今になって他のルートの話が出てきたかというと、地元の一部新聞や政党が、小浜・京都ルートについて水や残土、環境の問題を報道し、不安を覚えた方々が代替ルートに振り回されているわけです。しかし、水と環境の話はどのルートでも起こりうる問題です。 私に言わせれば、これは小浜・京都ルートという大動脈を作るのをやめさせようという政治的な動きとしか思えません。東海道新幹線ですら、当初は京都を通らない計画でした。もし今、京都に新幹線が止まらなかったらどうなっていたか。それと同じことが北陸新幹線でも言えるのです」 ■小浜・京都ルートができれば“四国新幹線”の夢も

ー将来的に様々な路線とつなげていくためにも、小浜・京都ルートしかないということですね。 【自民・西田昌司参院議員】「その通りです。このルートの先に、我々は四国新幹線をやってくれと言っています。大阪から淡路島を渡り四国へ行くルートで、途中に関西国際空港を通ります。つまり、四国新幹線は“関空新幹線”になるのです。 これができれば、空港のない京都からでも関空まで30分、40分で行けるようになり、計り知れない経済効果が生まれます。この大きな計画のためにも、今、北陸新幹線を京都市内に通しておくことが絶対に必要なのです」 ■“小浜・京都ルート”は南海トラフ地震の備えにも

ー衆院選で自民党が圧勝したことで、維新に対して説明がしやすくなった部分はありますか。 【自民・西田昌司参院議員】「数でどうこうという気は全くありません。事実関係をちゃんと共有して話を詰めていきたい、それに尽きます」 ー最後に、小浜・京都ルートが実現することで、どのようなことを期待されますか。 【自民・西田昌司参院議員】「最大の意義は、国土強靭化です。東海道新幹線は、将来必ず起きるとされる南海トラフ地震で大きな被害を受ける可能性が高い。その際、東京・大阪間がストップすると経済的に大変なことになります。そのバックアップとして、災害の少ない日本海側に別ルートを作っておくことが極めて重要です。 そして、このルートは将来の山陰新幹線や四国新幹線、“関空新幹線”というインフラ整備の第一歩となります。これができれば、京都や北陸のみならず、山陰、そして世界とつながる大きなインフラ網が構築され、想像するだけでものすごく大きな経済効果があることは誰の目にも明らかです」 (取材:関西テレビ記者・石田聖乃)

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