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「自分のタンカーは自分で守れ。アメリカにただ乗りするな」イラン攻撃長期化で”自衛隊派遣要求”もあり得るか “ヒゲの隊長”佐藤正久氏「“今日のホルムズは明日の台湾”ずっと断るのは難しい」03月10日 20:58

アメリカのトランプ大統領は「近いうちに終結する」と楽観的な見通しを示したイランへの軍事攻撃ですが、複数の専門家によると長期化する見通しが高いとみられています。 関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、元陸上自衛官で“ヒゲの隊長”こと、前参議院議員の佐藤正久氏は、緊迫するイラン情勢について「今日のホルムズは明日の台湾」と強調し「自衛隊派遣要求もあり得る」と解説しました。 ■ハメネイ師の後継に選ばれたモジタバ師「相当アメリカに恨みを持っている」

暗殺されたハメネイ師の後継として、9日、ハメネイ氏の次男のモジタバ師(56)が選出されました。 これについて、キヤノングローバル戦略研究所の峯村健司氏は「父・ハメネイ師並みかそれ以上の反米派。そのため、アメリカ・イスラエル両国にとって、“何も変わらなかった”ことを意味する」と分析しています。 佐藤氏はこの後継人事についてより踏み込んだ分析をしました。 【佐藤正久氏】「今回は、年老いた86歳の社長を実質的に支えていた息子の副社長が社長になっただけなので、路線は変わらない。ましてやお父さん、お母さん、奥さんも死んだ。相当アメリカに恨みを持っている」と指摘。 またイランの権力構造についても解説しました。 【佐藤正久氏】「大統領と政府は何を言おうが、最終的に決めるのは最高指導者。直轄の革命防衛隊、これが一番力を持ってます。革命防衛隊と国軍は別です」 なので、大統領が湾岸諸国に『ごめんなさい』とか、『もう攻撃はしません』と言っても革命防衛隊はそれに従わず、攻撃を続けていく、権力指揮系統が全然違う」 ■『自分のタンカーは自分で守れ』『アメリカにただ乗りするな』

佐藤氏は最悪のシナリオとして、「ホルムズ海峡での後方支援など、トランプ大統領から日本の自衛隊派遣要求もあるかもしれない」と指摘しました。 今月19日に日米首脳会談が予定されていますが、トランプ大統領から自衛隊派遣を要求される可能性はあるのでしょうか。 佐藤氏は「長期化の見通しが強まれば、『自分のタンカーは自分で守れ』と。『アメリカにただ乗りするな』と。これはトランプさんの持論ですから」と答え、その理由をこのように述べました。 【佐藤正久氏】「米軍への後方支援というよりは、タンカーを守りなさいということだ。しかし、それが実際に自衛隊にできるかというと、かなりハードルが高い。次のオプションとして米艦への給油支援というのがあるが、これも今の法律だとなかなか難しい」 ただし、「断り続けるのは難しいのではないか」と佐藤氏は見解を述べました。 【佐藤正久氏】「ただ、『今日のホルムズは明日の台湾』という関係もありますので、ずっと断るっていうのは難しい。 やっぱり自分たちの財布とホルムズが関わっているという状況が続けば、みんな苦しいので、場合によっては高市総理が決断をすることも絶対ないとは言えないと思います」 ■「自分さえよければいいってのは通じない。そういう時代に」

【関西テレビ・江口茂報道デスク】「そもそもアメリカの攻撃が発端になっているので、そこを高市総理が日米首脳会談でその攻撃についていさめるということはできないんでしょうか?」 【佐藤正久氏】「非常に難しいところがありますけども、今は日本の船だけではなく、いろんな国の船が今、ペルシャ湾に泊まったり、ホルムズの外で待っていると。 これは何とかしないといけないので、確かに煽りを食ってる部分ありますけども、政治は現実の世界でどうやって国民の生活を守るかというときに、やっぱ世界協調でヨーロッパやあるいは韓国も、軍艦を派遣するのであれば、日本も何もしないと、自分さえよければいいってのは通じない。もうそういう時代になってると思う」 ■自衛隊派遣「曖昧なままだと現場にしわ寄せがいく」

「現在の法律の立て付けでは、自衛隊派遣は難しいか?」と聞かれた佐藤氏は「存立危機事態や重要影響事態、国際平和共同対処事態といった認定はなかなか難しい」と述べ、曖昧なままだと現場にしわ寄せがいくと指摘しました。 【佐藤正久氏】「特別措置法を作るとなると時間がかかる。イラン特別措置法、仮に作るとすれば時間がかかるという課題がある。私は派遣には慎重な立場ですけども、ただやるとなったら法律がないと自衛隊は1ミリも動けません。しかもこれ曖昧のままだと現場に全部しわ寄せがいきます」 佐藤氏自身のイラク派遣の経験を例に挙げ、当時の苦労を振り返りました。 【佐藤正久氏】「イラク派遣の時は戦闘地域、非戦闘地域という議論があって、私も現場で『どこが戦闘地域、どこか非戦闘地域ですか?』と聞かれました。 でも小泉元総理は、『自衛隊がいるところが非戦闘地域だ』と国会答弁で言っていました。これは本当にたまらなくて、我々も」 武器使用についても「できればほかの国と同じような基準じゃないと。なかなかタンカーを守るのは難しい作戦なので、ここはしっかり現場の自衛隊がしっかり守れる、そういう法体系に速やかにやるということが必要だと思います」と述べました。 ■「イラン国民はもう絶望感が漂っていると思う」

イランの新体制に対する懸念は、イラン国内の中ではどう広がっているのでしょうか。 【佐藤正久氏】「本音は、前のハメネイ政権に反発している人の方が多いと思います。実際、この前のデモもすごかった」 それを超える形で革命亡命隊とか治安部隊が力を見せつけられると、なかなか住民が蜂起というのは難しくて、トランプ大統領もそれを期待したわけですけども、結局現時点においては何の動きもないと」 【青木源太キャスター】「トランプ大統領はミサイル攻撃をして、イランの民衆が蜂起することを期待していたが起きなかったということですね」 【佐藤正久氏】「さらに、ハメネイ師より強硬派のモジタバ師となれば、その流れは止まらないと思います。そうなるとなかなかイラン国民はもう絶望感が漂っていると思いますよ。次の指導者が穏健派の人が選ばれるのが望ましいと思った人は多いと思います」 ■「イランの制裁は効いている」

【佐藤正久氏】「私もイランに行きましたけど、制裁がやっぱり効いてるんですよ。 『この制裁を何とか解除して欲しいと。もう生活苦しい』 だけどそれを口に出して言ったら捕まりますから、そういう状況なので、そこは親米穏健派の方がアメリカと話して、制裁を解除してほしいという国民は多いと思います」 【ジャーナリスト・岩田明子氏】「2018年(アメリカによるイラン経済制裁)の時から制裁がめちゃくちゃ効いてましたからね。トランプ1.0のときはレジームチェンジ※まで求めないと言ってたのが、ここまで来てしまったわけですから、トランプ大統領取り巻く環境と、トランプ大統領自身もすごく変化してしまいましたよね。 前回は有志連合に日本も参加してくれと言われましたけど、あのときは日本断って独自で自衛官行きましたけど、もうそんな国際情勢ではないという難しさも付加されてますから、高市さんの日米首脳会談本当に大変だと思いますよ」 ※レジームチェンジ…武力行使などによって体制が転換されること (関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」 2026年3月10日放送)

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