「”失敗”は私たちの文化にない」”飛行中断”も宇宙への糧に「カイロス3号機」3度の延期を経て打ち上げも 「4号機頑張れ!」と見守る人から応援の声 スペースワン「データ蓄積して前に進む」03月05日 19:49
3度の延期を経て、ついに打ちあがった民間ロケット「カイロス3号機」でしたが、打ち上げは”失敗”に終わりました。
5日、和歌山県串本町には大勢の人が集まり、カメラを抱えて打ち上げの瞬間を待っていました。
■これまでの苦難の経緯
東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス」。
民間単独では”国内初”となる人工衛星の軌道投入を目指します。
2024年3月、初号機が打ち上げられましたが、発射直後に爆発してしまいました。
2024年12月、2号機も異常が見つかり、「飛行中断措置」がとられました。
そして、3号機が登場し、4日に3度目の挑戦に臨みました。
【見守る人たち】「行けー!」
応援の声もあがりましたが…全く動きがありません。
【見守る人たち】「あれ?あれ?」
打ち上げは中止となりました。
【アナウンス】「打ち上げが中止ということです」
【見守っていた子供】「なんでやねん!」
■お手製ロケットと共に見守る”串本の三姉妹”
そんな「カイロス」を打ち上げ場所の近くから、ずっと見守ってきた”串本の三姉妹”がいます。
今月1日、3人のもとを訪ねると皆さん元気いっぱい!なんと、お手製のかぶり物の「ロケット」も準備していました。
【長女・初子さん(88)】「夢子です!(ロケットのかぶり物の名前)カイロスさんにお願いして宇宙に飛びたいと思いまして」
4日も「夢子」を持ち込んで”その時”を待ちましたが…。
【三女・康子さん(76)】「中止!?宇宙へ1人で行っておいで」
【長女・初子さん(88)】「行ってきます…。ありがとう」
そして、5日は次女の芳子さん(80)が「夢子」をかぶって見守ります。
【次女・芳子さん(80)】「行ってきます!」
【長女・初子さん(88)】「グッドラック!」
■ついに打ち上げ!成功を確信
そして打ち上げ時刻、午前11時10分。
みんなの思いを乗せ、カイロス3号機は勢い良く上空を突き進みます。
三姉妹も上空を見上げます。
【三女・康子さん(76)】「良かった良かった。うまくいってるみたい」
【次女・芳子さん(80)】「これでは見えませんわ」
「夢子」を着たことで上を向けない芳子さんも含め、成功を確信した三姉妹。
■打ち上げから約10分後に「飛行中断措置」
しかし、打ち上げからおよそ10分後にその知らせが届きました。
【アナウンス】「ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行いました」
2号機に続き、またしても上空で”飛行中断措置”がとられたというのです。
中断措置をとったことについて、スペースワンの豊田正和社長は「安全システムが作動し飛行が中断された。対策本部を立ち上げて原因の調査を進めている」とコメントしています。
■見守っていた人からは”応援の声”
3度目の失敗となったカイロスですが、打ち上げを見た人からはこんな意見が。
(Q:結果はどうだった?)
【見守った人】「良かったよ」「飛んだだけ良かった。きのう(=4日)は飛ばんかったから、飛んだだけOKよ」
2号機の打ち上げから毎回見学している子供も応援しています!
【子供】「4号機頑張れ!」
(Q4号機も見に来る?)
【子供】「行きたい」
そして、串本三姉妹も前向きです!
【長女・初子さん(88)】「成功だと思ってる」
【次女・芳子さん(80)】「今度は、ネジちゃんとしといてよ。ネジの調節をよろしくお願いします」
■叶わなかった願い
打ち上げが成功した日を「串本ロケットの日」として条例を制定しようと考えていた串本町の田嶋町長は…。
【串本町・田嶋勝正町長】「正直残念ですね。必ず次の機会に『串本ロケットの日』を制定して、機運を一層盛り上げて行きたい」
スペースワンに搭載された人工衛星を開発したメンバーの1人・森島史仁さんも、自分たちの衛星を宇宙まで届けたいと願っていました。
【Space Cubics・森島史仁さん】「うまくいったと思ったので、この先が楽しみだったんですけど残念でした」
■「”失敗”は文化にない」成功する日まで…
一方、スペースワンの豊田社長は今回の打ち上げを前向きに捉えています。
【スペースワン・豊田正和社長】「データや経験を蓄積して前に進んでいるんだと。全力を尽くしていることに間違いはないので、”失敗”ということは私たちの文化に存在しない」
多くの人の夢が宇宙に届く日は来るのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月5日放送)